「心して受け取るがよい!」
プロフィール
※ プロフィールの出典地域は本百科の推測なので注意。
概要
『Fate/Prototype』に登場するアーチャークラスのサーヴァント。
サーヴァント階位は第三位。マスターは本名不明のビルオーナーの男。
『Fate/staynight』初出のギルガメッシュ、およびその派生キャラクターと区別する意味で、ファンの間では『プロトギル』あるいは『プロトアーチャー』などと呼ばれることもある。
真名
ギルガメシュ叙事詩における世界最古の英雄、『ギルガメッシュ』。
人物
一人称は「我(オレ)」。
「王」として天上天下唯我独尊を地で行く男。別名はやはりというか「英雄王」。
だが冷酷であっても残忍ではなく、惚れた相手には常に紳士的な態度で接する。英霊としても誇り高く、正面からの一騎撃ちを好む。また饒舌かつ無駄好きでもあるが、自分でもそれを悪癖と心得ているため、場の空気を読まない言動は行わない。
最強の英霊である事にプライドを持っており、階位にかなり不満があるらしく本人曰く勢いで己のマスターを殺しかけたぐらいらしい。自らより階位が上であるセイバーをライバル視している。
また眼鏡を外した沙条綾香に一目惚れし求婚。そして彼女のサーヴァントであるセイバーを倒して綾香を妃にしようと目論んでいる。一方で綾香の姉である沙条愛歌はイシュタルが重なって見えており、嫌悪している。
マスターは街を一望する高層ビルのオーナー兼社長。采配が堅実なのでつまらない男と評しているが、一応命令はある程度聞いているらしい。
物語中盤ラストでは地下鉄のプラットホームで、綾香の体を蝕む毒血を癒す薬を手に入れる為に自分の元へ訪れたセイバーと対面し、宝具『終末剣エンキ』を発動するもセイバーはそれを凌ぎきり、『聖剣エクスカリバー』の一撃でその身を両断される。
しかし、終盤において綾香達と共に闘う事が判明しているのでどうやら生き延びていた模様。
また、『とびたて!超時空トラぶる花札大作戦』では混浴を恥ずかしがって綾香が造り上げた壁を破壊しようとするセイバーとランサーに「恥じらう乙女の気持ちを大切にせんでどうする!!」と説教をするなど、意外な一面がある。
また、優雅な愉悦倶楽部に勝利すると別世界の自分に説教し、黄金の鎧を剥ぎ取ってしまうという描写がある。これまでの作品にAUOが自分から脱ぐシーンはあれど、まさか、自分自身の原典に脱がされるとは誰も思わなかった事だろう。
能力
『奉る王律の鍵』からの宝具の射出と双剣による攻撃を織り交ぜた戦闘スタイルをとる。
特に双剣の技量は最高峰の剣技を誇るセイバーと互角に渡り合うほどで、「弓兵」でありながら白兵戦の能力も高い。また非常に打たれ強く、セイバーとの死闘で頭から血を流すほどの重傷を負いながらも、戦意と技量は一切衰えない。
彼がセイバーと激しい白兵戦を行う様が、財宝に頼りっきりで技量はかなり低かった『SN』のギルガメッシュと大きく違う(言い方を変えるなら、あちらは財宝によるぶっぱ癖が付いたせいで白兵戦の技量が衰えてしまったとも受け取れる)。だが、元ネタ(原典)であるギルガメシュは、余り道具に頼る事は無く、怪物たちとの戦いでかなりアグレッシブな逸話を残している。そのため、肉弾戦で戦うプロトアーチャーの方が原典のイメージに合ったキャラクターであると言える。ただし、「あちらのギル程ぶっ飛んだ強さでは無い」とも語られており、純粋な戦闘力では少し劣る様子(ライバルキャラであるプロトギルと、ラスボスキャラである『SN』ギルの立ち位置の違いか)。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
ビルオーナー | C | C | B | A | B | EX |
※ | B | A | B | E | C | C(EX) |
※ 『Fate/prototype tribute phantasm』でのステータス
宝具
奉る王律の鍵(バヴ=イル)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
人類の知恵の原典にしてあらゆる技術の雛形を収めた宝物庫の鍵であり、人類最古の王を示す証である刺青。『王の財宝』の原型であり、効果・解説は基本的に同じ。
だが面制圧型の『王の財宝』と異なり、アーチャーを取り巻く形で財宝が円形に配置されるため、展開できる宝具の最大数で劣り、若干攻撃力が低い。どちらかといえば敵に包囲された際の使用が有効か。綾香の毒血を治せる「この世のあらゆる毒を癒す薬」も収蔵されている。
終末剣エンキ
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
「天を見よ!滅びの火は満ちた!」
「来たれ、ナピシュテムの大波よ!」
アーチャーの主武装である双剣。セイバーの振るう聖剣エクスカリバーと互角に撃ち合えるほどに力を持った神造兵装。「剣」ではあるが、柄は可動可能な構造になっており、変形させて「トンファー」、双剣の柄尻を繋ぎ合わせて「弓」として使うことが出来る。
だが、エンキの本質は単純な武器ではなく「水を呼ぶ剣」であり、最大の破壊力を発揮する際は弓型に変形させて使用する。発動から一日経つごとに破壊力を増し、7日を迎えた時、遥か上空・衛星軌道上で光る7本の矢がアーチャーの放った黄金に輝く矢に呼応して一つとなり、地に落ちる。
そして、ノアの大洪水の原型であり、かつて世界を滅ぼした大海嘯「ナピュシュティムの大波」を引き起こし、地上全てを洗い流す。作中ではセイバーの顔のすぐ傍を起点として滝の如き濁流として発動し、東京ビル群諸共水底に沈める威力を見せるも、再度奮起したセイバーのエクスカリバーにより蒸発させられた。
なお、エンキはバビロニア神話の創造神・エアの原典であり、ギルガメシュの無二の友人(初版ではお気に入りの奴隷)であるエンキドゥの名前の由来とされ、名称が天地を開闢した乖離剣エアとは対になっている(ただし、洪水を起こしたのはエンリル神である)。また、この剣に似たものを『SN』版のギルガメッシュも所持しており、『Fate/EXTRA CCC』にて通常攻撃に使用されている。
原典のギルガメシュ叙事詩でも、ギルガメシュは剣や強弓を使用しており、プロトギルの武器は原典の逸話がこれでもかと凝縮された宝具となっている。
関連人物
生前
別世界の自分。中身などの違いは前述に記載。なお、『Fate/Zero』時代のギルガメッシュの立ち位置は『蒼銀のフラグメンツ』に登場したライダーである。
かつて苦楽を共にした存在。
こちらの世界ではどんな姿をしているのか?名前や性別などの違いがあるのかは、全くといいほど不明。現状ではプロトギルがその存在を匂わせるシーンはなく『天の楔』や『天の鎖』の設定があるのかどうなのかも不明。
かつて自分に求婚してきて、エルキドゥが神々に殺された原因となった女神。こちらの世界でも嫌悪の対象。
ウトナピシュティム
かつてギルガメッシュが不老不死の薬草を求めた際に出会った老人で、ノアの方舟の原典となった人物。 彼の逸話が昇華され、『終末剣エンキ』の能力の元ネタにもなった。
Fate/Prototype
聖杯戦争に召喚されたセイバークラスのサーヴァント。
綾香のことで険悪な関係になるが、後にランサーを含めて巨大な悪を倒す為に共闘する。
セイバーのマスター。
眼鏡を外した綾香に一目惚れをし、紳士的な態度で求婚をする。また、ギャグ時空ではセイバーとランサーが綾香の裸を覗こうと企んでいることに気付いて二人に説教をし、セクハラを阻止した。
聖杯戦争に召喚されたランサークラスのサーヴァント。セイバーと同じく、綾香の恋敵。
後に巨大な悪を倒す為に協力して戦うことになる。
『Prototype』の前の聖杯戦争『蒼銀のフラグメンツ』におけるセイバーのマスターで綾香の姉。
彼女の狂気性はイシュタルを彷彿とさせるため、紳士的なプロトギルでも流石に嫌悪している。
前回の聖杯戦争のアーチャークラスとライダークラスのサーヴァント。
『Prototype』の最終決戦で彼らと戦うことになる。アーラシュはマイルームボイスでセイバーに綾香のことを聞いていたり、『FGO』の2023年水着イベントではオジマンディアスが綾香の名を口にしている為、恐らく二人はプロトギルのことも知っている可能性があるが、真相は不明。
その他
『staynight』のアーチャー。彼の紳士的な部分、面倒見の良さという名のオカン属性と二刀流の剣で戦う要素はプロトギルから引き継がれた。
同じCVのキャラ
『Grand Order』で実装された同じアーチャークラスのサーヴァント。好みの相手を口説く要素はプロトギルと似ているが、こちらはかなりのちゃらんぽらんな性格をした羊飼い。
『Grand Order』で実装された沖田オルタの喋る刀。
煉獄もかなりの世話焼きなのでそこら辺は、声だけでなくプロトギルによく似ている。
余談
ギルガメッシュの元となったキャラクターで、性格や設定が引き継がれているが人物的な印象はかなり異なっている。常に高い所から物を言って偉そうに振る舞う我(オレ)様属性の『stay night』のギルガメッシュに対し、『Prototype』のギルガメッシュは同じく偉そうでも、「口煩く世話好き」という所謂オカン属性を持っており、この属性は双剣を使った戦闘スタイルと共に赤い外套のアーチャーに引き継がれているが、どちらかと言うと反転したセイバーに近しいらしい。
そして、プロトギルの言い回しは、傲慢な部分はあるが明朗で赤セイバーに近い。
「終末剣エンキ」は普段、双剣の状態で黄金の鎧の両肩部分に取り付けられており、ウサギの耳に見える事ため奈須氏から「ラビットアーマー」と呼ばれている。
双剣を組み合わせて弓に変形するというギミックもケレン味たっぷりで、奈須氏の80~90年代伝奇小説への深い愛情が込められている。
『Prototype』冒頭のアーチャーとセイバーが地下鉄のホームで対峙する伝奇風のシーンは、奈須氏が上京した際に地下鉄の駅を見て発想を得たとのこと。