月華国奇医伝
げっかこくきいでん
ASUKAで連載されている漫画作品。
月刊Asuka時代の2018年3月号から連載を開始した。
作者はひむか透留(pixivアカウント)。
医術を主題にした中華風ファンタジー。
単行本はKADOKAWAのあすかコミックスDXから発売されている。
2023年11月時点で既刊11巻。
異国の血を引く天才医術師の少女胡葉は、皇太子の景雲とその供時英を、その身分を知らないままに治療して救う。
それは王都で主流である薬や祈祷とは全く違う、縫合手術による外科的な治療であった。
景雲は胡葉とその助手シングダムを連れ王都に戻り、渦巻く陰謀に立ち向かっていく。
- 郝胡葉(かく こよう)
西海の果てにある「西胡」の血を引く少女。15歳。
大抵のものは一度見ただけで覚えられる驚異的な記憶力を持つ。
医術知識には長けるが、人間性にやや問題あり。
極度の筋肉好き。
- シングダム・セーンサク
月華国の南にあった亡国「南金」出身の青年。通称「シン」。
褐色肌で、左頬にアザがある。
胡葉の助手を務める。
- 白景雲(はく けいうん)
月華国の第一皇太子。
母を毒殺した犯人と、それが病死として扱われた理由を追う。
- 柳時英(りゅう しえい)
景雲の近侍、護衛武官。従兄でもある。
彼が幼い頃から仕えている。
- 鄧天祐(とう てんゆう)
スリをしていた少年。
胡葉に小鈴の命を助けられ、以来彼女の家の下働きとなる。
- 鄧小鈴(とう しょうりん)
天祐の妹。肺炎で命が危うかったところを胡葉に救われた。
後に食事係を務めるようになる。
- 岳世南(がく せなん)
商人。
ノアとは旧知の仲で、胡葉に協力的。
- 薛祐甫(せつ ゆうほ)
鍛冶職人見習い。
ひょろひょろで臆病な性格だが、観察眼と器用さに長ける。
- 白子儀(はく しぎ)
月華国三十二代皇帝。
- 蘆貴妃(ろきひ)
皇帝の寵愛を受ける貴妃。
息子の游を次期皇帝にすべく、邪魔になる景雲の命を狙う。
- 白游(はく ゆう)
第三皇子。蘆貴妃の実子。景雲を慕っている。
やや世間知らず。
- 崔伯姫(さい はくき)
月華国の皇后。
昔からあまり感情を出すタイプではなかったが、雨嘉が亡くなってからは特にその傾向が強まった。
- 柳雨嘉(りゅう うか)
景雲の実母。徳妃。
景雲の目の前で毒殺されたが、皇帝の判断により病死として扱われた。
- 氾子墨(はん しぼく)
刑部侍郎。切れ者で人望も厚い。
- 芳琳(ほうりん)
子墨の娘。胡葉の治療を経て、シンのことが気になり始める。
- 姜文洙(きょう ぶんしゅ)
太師。どの派閥にも属さない中立。
好々爺風の老人だが、宮廷でも随一の知識量の持ち主。
- 郝ノア(かく-)
胡葉の父親。王都の南西、蘭州に住んでいる。
西胡出身の医術師。
- 郝麗月(かく れいげつ)
胡葉の母親。薬師。
- 天声(てんせい)
輪教の神司長。本名は「汪尚真」(おう しょうしん)。
胡葉と偶然出会い、興味を持つ。
- 月華国(げっかこく)
王都「華陵」と、7つの州「杏」「菫」「梅」「薔」「李」「蘭」「蓮」からなる国。
太陽の神「光帝」と、月の女神「月季」によって誕生したとされる。
医学はまだまだ未発達で、病や怪我に対する治療法は薬師の薬湯がメイン。
- 輪教(りんきょう)
生・死・転生を司る三姉妹の女神を信仰する宗教。
「神々の力」にて治療を行い、病と死からの救済を中心に台頭する。
元々は片田舎の小さな宗教だったが、ここ15年ほどで急速に信者を増やし、民衆の間はもちろん宮廷でも力を強めている。
景雲は「信仰自体は悪いとは言わない」としつつ、その影響力の強さを警戒している。