概要
「鮭をくわえた木彫りの熊」はおもに北海道で製造される木製の郷土民芸品で、当地を代表する土産物として日本全国で知られている。
基本的なデザインは、四つんばいになったヒグマが鮭を咥えたものであるが、現在では様々なデザインがある。
なお、初期の物は鮭を咥えていない。
かつては北海道旅行の土産の定番であったが、今はその座を明け渡している。これはテレビの上に置き物として置くことが多かったが、薄型テレビが主流になって置けなくなったからである。
発祥
1924年、尾張徳川家の当主であった徳川義親は、前年にスイスのベルン旅行で買い求めた「木彫りの熊」を、旧尾張藩士たちが入植した農場「徳川農場」が立地する八雲町の農民たちの冬期の収入源として副業に奨励した。
このアイデアが当たって、「木彫りの熊」は八雲町に留まらず北海道の名産品として広く認知されるようになっていった。
八雲町の木彫り熊の歴史と文化を顕彰する「木彫熊北海道発祥記念碑」は、八雲町公民館敷地内の徳川義親侯の胸像に隣接して建立されている。