概要
「餃子像」とは、栃木県宇都宮市の、JR宇都宮駅にある「餃子の石像」である。
現在は宇都宮駅の西口にある。
美の女神「ビーナス」が、餃子の皮に包まれたデザインとなっており、宇都宮市内で産出される「大谷石」で、彫刻で制作されている。
あらまし
それは、栃木県宇都宮市で「宇都宮餃子による町おこし」が始まった頃の、1994年:(平成六年)の事。
テレビ東京系で放映されていた山田邦子のバラエティ番組である「おまかせ!山田紹介」で、
宇都宮市とタイアップした「宇都宮餃子の宣伝」企画が行われた。
そしてその中で「宇都宮餃子を象徴するオブジェを作ろう!」という企画が持ち上がった。
こうして現代美術家の西松鉱二によってデザインされ、宇都宮市役所の商業観光課の担当職員の友人であった地元業者の手によって「無償で」制作された。そして、JR宇都宮駅の東口に置かれることになる。
とはいっても、当時の宇都宮駅東口は、ぶっちゃけなーんにもない、すこぶる殺風景な場所であり、
そんなところにこの像が無造作に「ゴンっ!!」と置かれたものだから、
事情を全く知らない地元民からは、
「これはいったいなんなんだ………?」
と訝しがられ、
市外の好事家の人たちからは「残念系の珍名所」として、じんわりと有名になっていった。
え?それは今も変わんない?
それは言っちゃあいけないよ(笑)
東口の再開発に伴い、「人通りの多い西口に移そう」ということになり、餃子像の移設作業が行われた。
そしてクレーンで逆さまに釣り上げたところ、ワイヤーが外れてしまい、像の脚が折れ台座から落下(!!)更には地面に落下した像の胴体部分も上下に真っ二つに割れてしまった。
実はこの大谷石、耐火性には優れており防火壁などで重宝されているが、その一方で柔らかい材質であり、つまりは脆い。
加工し易く、壁や蔵などに用いられてはいるが、上手く積み上げないと、地震で簡単に倒壊してしまう。
というわけで、ぶっちゃけ、石像には適さないのである。
そりゃあ壊れるよなぁ、といったところなのである(笑涙)
その後パテで修復し、なんとか西口に移転。
移転設置セレモニーには、山田邦子も駆けつけたという。
今度は、西口ペデストリアンデッキの階下に設置されていた餃子像を、デッキの上へ移設するための作業が行われた。
木枠をミシミシさせ破損させつつ、また誤って逆に設置させつつも、今度はなんとか無事に移設作業を終了させた。
そんなわけで現在、「餃子像」は、JR宇都宮駅の西口から「餃子の街・宇都宮」を見守っている。
余談
お隣の鹿沼市のJR鹿沼駅前には、餃子像に対抗して製作された「シュウマイ像」が設置されている。