概要
本能「イドの解放」とは、東方地霊殿に登場する古明地こいしのスペルカードである。
ピンク色のハート弾がこいしから放たれる。
この後の抑制「スーパーエゴ」と対になるスペルカードである。
「イド」
「イド」(id)とはラテン語で「本能」を意味している。
また、フロイトなどによる心理学(精神分析)の用語としても有名。この場合は「エス」(es)とも。
こいしのスペルカードは心理学や哲学の用語や概念に取材したものも多く、本スペルカードもその性質も持つ。上記のように本スペルカードの後には抑制「スーパーエゴ」があり、「スーパーエゴ」は心理学の用語である(後述)。
こちらの用法における「イド」は、人間の持つ本能、あるいは本能的エネルギーの源泉として定義付けられ、人間を種々の快楽に方向づけるものである。
通常は、人間精神における理性による制御体系である「超自我」(スーパーエゴ。内在化した社会的価値や良心の体系で自我の監視役、検閲者)に抑制されている。
フロイトは、人間の精神には快楽原則に基づくイドの強烈なエネルギーとそれを押さえこもうとするスーパーエゴの相克関係があり、さらにその両者を調整し、外に出しても問題ないレベルに整えるものとしてのエゴ(自我)がある、との人間精神における三要素のモデルを提唱した。
ここにあって「イドの解放」は、本能に向かうエネルギーの無制限の解放を意味し、抑圧されたあらゆる本能行動へ向かう情動の解放を意味する。
スーパーエゴやエゴ(意識)の検閲・制御を受けない状態であり、快の追及と不快の回避をストレートに行う人間精神の状態といえるだろう。
なお、一般に「エゴ」や「エゴイズム」(一般的には自己中心、利己的という意味で使われる)と呼ばれているそれは厳密には「イド」による影響が強く出ているので心理学的には誤用と言えよう。
恐らく「エゴ(自我)」の言葉の意味する部分を勘違いしたまま一般に広まってしまい、そのまま定着したのだろう。
関連タグ
ウツロイド(神経毒に人間のイドを解放させ、本能の赴くまま行動させてしまうという効果がある)