概要
正式タイトルは「村人召喚? お前は呼んでないと追い出されたので気ままに生きる」。
アルファポリスにて連載されていた小説をもとにレジーナブックスから書籍化。イラストははま氏が担当。既刊2巻。
皐アスカ氏による漫画版もアルファポリスの公式サイトにて連載されていた。全2巻。
恋愛要素ありの作品が多いレジーナでは珍しく、そういった要素が皆無のオーソドックスなファンタジー作品。
あらすじ
女子大生の如月美咲は、勇者召喚に巻き込まれ異世界のサーナリア王国にやってきてしまう。しかし、一緒に召喚された男性3人が「勇者」などの伝説の職業に対し、美咲の職業はただの「村人」であり、役に立たないと城を追い出されてしまう。
現代日本に戻るすべもないため、ならばこの世界で自由に生きようと決意した美咲はこの手のファンタジーもののお約束だからと冒険者になることに。町で知り合った新米冒険者のミュウたちと「ミサキのパーティー」を結成して冒険者稼業を始めるのだが……。
主な登場人物
ミサキのパーティー
ミサキを中心とした新人の女性冒険者たちで構成されたパーティー。ちなみにこれが正式名称として登録されている(命名はミュウ)。
- ミサキ・キサラギ/如月美咲(メイン画像中央)
主人公の女子大生。上記の経緯で城を追い出され冒険者になった。
いきなり召喚されて放り出されるというひどい目にあいながらもめげることのない前向きな性格。世話焼きな一面もあるため、仲間たちからも「お母さんみたい」と言われることも。
冒険者に登録した時点で回復魔法などが使えることが判明していたが、レベルアップするにつれチートレベルの魔法を次々と習得して勇者よりも強くなっていき、魔獣の大量発生現象《魔獣暴走(スタンピード)》による大規模戦闘で新人にもかかわらず勝利の立役者となる。そのため、実は勇者に並ぶ伝説の職業「聖女」だったのでは?と一部の者に疑念を持たれている。
国王からは謝罪の後に戻ってきてほしいと言われるも、パーティーの仲間との生活が楽しいためその気はない。
なお、職業は当初は村人だったが、『昇華』と呼ばれるクラスアップのような現象が起きた時にステータスの職業欄が白紙になり、冒険者ギルドで冒険者を職業として登録し直している。そのため、タイトルとは裏腹に村人だったのは序盤のみだったりする。
- ミュウ・アルメリア(メイン画像左から2番目)
ミサキの異世界でできた初めての友人。「身体強化」や「探知」のスキルを持ち、剣や弓など様々な武器を使えるオールラウンダー。
しっかり者だが緊張に弱く、ミサキと知り合ったのも一人で冒険者登録するのを尻込みし、ちょうどギルドを訪れたミサキに「一緒に登録してほしい」と声をかけたのがきっかけ。
- クルル・コートン(メイン画像最右)
ウルルの双子の妹。のんびり屋だがちょっと腹黒。
「錬金魔法」というレアスキルを持っており、簡単な魔道具や爆薬を作ることができる。戦闘ではスリングショットで爆薬を打ち出して戦う。
ミュウとは違い、パーティー結成から少ししてギルドからの紹介でウルルと共に加入した(漫画版ではウルルが起こした決闘騒ぎが切っ掛け)。
- ウルル・コートン(メイン画像右から2番目)
クルルの双子の姉。ハッキリ言ってアホの子。
常識外れの怪力の持ち主であり、それを生かして槍や戦斧などで(後先考えずに)強敵相手にも突っ込んでいく重戦士。奥の手として「破壊衝動」というバーサーカー化するスキルを持つ。
漫画版では実家が魔道具職人をしていることが判明している。
- アイリ・エストーラ
2巻で登場。冒険者である母セシルの元で修業中の見習い冒険者。人見知りが強いがミサキとはすぐに打ち解ける。子狐のような動物「リコ」と常に一緒にいる。
「稲妻の幻獣」というリコの能力を爆発的に高めるスキルを持ついわゆる魔獣使い。ただし、まだ子供なためか消耗が激しく短時間しか使えない。
ミサキについていきたいと母に頼み込み、「ミサキのパーティー」に預けられることになった。
転移者たち
- ケン・カトウ/加藤健(メイン画像最左)
勇者として召喚された高校生。
素質は非常に高いのだが、当初は王城で厚遇されており実戦経験がなかったため、《魔獣暴走》での戦いでは足手まといになっていた。
当初は少々生意気な面もあったが、周囲にチヤホヤされていたことで思い上がっていただけに過ぎず、根は真面目な性格であり、戦闘中にミサキと出会ったことにより自分の未熟さを思い知り反省。スキルの使い方なども教えてもらったことでちゃんと戦えるようになり、勇者に恥じない強さを身に着けだしていく。
その後は修業のために冒険者も兼任するようになる。ミサキに思いを寄せている節があるが、彼女には気付かれていない。
漫画版では城を追い出されるミサキを気に掛けるような様子を見せるなど、若干性格面が改善されている。
- カイ・コンドウ
伝説の職業の一つ「武術師範」として召喚された壮年の男性。
ウルル以上の脳筋であり、ケンとは違い《魔獣暴走》でも己を顧みずにゲーム感覚でいたため、スキルが使えないまま戦いボコボコにされた上に手柄を横取りしようとしたため、腹に据えかねたケンに醜態を暴露され、キレた国王に追放される。
2巻では町で酔っ払って暴れていたところを捕まっていたが、その時にササキがケンを逆恨みしていることを伝えた。ササキとは違い別にケンのことは恨んでいない模様。
- タクマ・ササキ
伝説の職業の一つ「賢者」として召喚された青年。
相手を見下す傲慢な性格で、コンドウと同様に《魔獣暴走》での醜態が元で追い出される。
2巻ではこのことでケンを逆恨みして復讐のために遠征中の彼やミサキを襲撃。恨みによるものか以前は使えなかった魔法が使えるようになっていたりと大幅にパワーアップしていたが、アイリに強化されたリコに張り倒されて捕縛された。
外部リンク
関連タグ
追放もの:このジャンルでは珍しく、主人公が女性で、理解者は男性と立場が逆になっている。