概要
海洋冒険ものの皮を被ったロボットSFものである。
登場人物
- 秋月健太郎
主人公。海を愛する少年。怪しげな老人天馬博士との出会いをきっかけに秘密結社マフイ団との因縁に巻き込まれていく。
- 秋月満
健太郎の兄で、海上自衛隊の三等海佐。冒頭にてマフイ団sea-x隊の潜水戦艦シーウルフ号によって乗艦を沈められ片目を失う。その後最新鋭艦ゆきかぜによって再度復讐戦を挑むが相打ちとなり、2代目ゆきかぜと共に三度戦場へと身を投じる。
- 天馬博士
健太郎少年の前に現れた怪しげな老人。健太郎の父とは親しかったと語っている。
元々は人工頭脳によって完全に人間と同じように動くロボットを作ることを目指し研究を続けていたが、外部からの干渉を厭って研究成果を公表せずにいた為資金を使い果たし、そこを秘密結社マフイ団に付け込まれ利用されていた。一人息子の天馬竜作とは頭に埋め込まれた脳波送受機を使って密かに連絡を取り合っていた。
- イワン
天馬博士が開発したロボットで、外見はほぼ完ぺきに人間の子供と変わらないものとなったが、人工頭脳を積める容量が足りず、人間の言葉は理解できるが話すことはできない、命令されたことは完ぺきにこなせるが自力で考えて動くことができないなどの制約を持ってしまった。
用語
- 天馬博士のロボット/モンスターV
天馬博士がぼうず岩にて密かに制作していた巨大ロボット。空中でも自由に飛び回るだけでなく海中でも活動でき、深度500m(冷戦期の原潜並み)まで潜ることも可能。
ぼうず岩の秘密基地が崩壊した際に未完成のまま起動され脱出に使われるが、故障を起こし限界深度を超えた深海に引き込まれかけたところでジェット海流に巻き込まれ、マフイ団本拠地に流れつき捕獲されてしまう。
その後マフイ団によって全身を黒く塗られたモンスターVとして再登場。自衛隊基地を襲撃し、一度は撃退されるもジェット海流の調査にやってきた自衛艦「いそなみ」と「ずし」の前に三度現れる。最期は天馬竜作が乗っ取ったロボット3号の捨て身の攻撃で相打ちとなり、海底へ消えていった。
- ゆきかぜ
海上自衛隊の護衛艦。実在の自衛艦ゆきかぜとは無関係。潜水戦艦シーウルフ号と激戦の末相打ちとなる。その後巡洋艦クラスの大型艦、2代目ゆきかぜが登場。マフイ団と激戦を繰り広げる。
- ジェット海流
深海中を音速以上の速さで流れる海流。海流の終点には旧海軍の潜水艦を含む多くの沈船が漂着している。
マフイ団はこの海流を使い秘密裏に物資の輸送などに利用していた。
ジェット海流というアイデアや、それに関連する「沈没した漁船の冷凍室に閉じ込められ、わずかな時間で信じられない距離を漂流した男」の話は同作者の「サブマリン707」ジェット海流編に形を変えつつ流用された。
- ライナー
天馬親子によってつくられたと思われるロボット。特殊なヘルメットをかぶることで脳波を受信し、思いのままに動かすことが可能。外見は完全な球体に手足が生えた姿で、一見異様な形だが水圧や空気抵抗上有利な形状でもある。
- レギュラス
天馬博士が作り上げた最高傑作といえるロボット。磁気反発によって半永久的に飛べ、武装が施されていう描写こそないが怪力で戦車隊さえもねじ伏せ、艦砲(大艦巨砲主義が終わって久しい時代なので5~6インチ砲想定)も通用しない。