「支配されることが何よりも嫌いだった。」
「支配されることでしか、上手く生きられなかった。」
「お前は神様信じる？」
「もちろん信じますよ！」
「…そっか」
概要
『うらみちお兄さん』の熊谷みつ夫×蛇賀池照の腐向けカップリング。
作中の幼児向け番組『ママンとトゥギャザー』に出演する「クマオくんの中の人」×同じく出演者の「うたのおにいさん」である。
職場の先輩と後輩に当たる2人で、一見接点が少なそうに見えるのだが…
原作2巻
第10話
それまでこれと言った絡みが無かった2人の、事の発端の回。
「家賃が払えない」と熊谷に集っていた兎原が、ターゲットを池照に変え、「お金貸して！」とお願いする。「いいですよ！」と兎原を疑うことなく許諾する池照。彼が自分の財布の中身を明け渡そうとした矢先…
「心配だなー本当お前なー」
「いい子なんだけどなー」
ｼｬｶｼｬｶｼｬｶｼｬｶ(SE)
すかさず池照を自分の懐へ避難させ、兎原から池照を助け出したのが熊谷である。
この時、自分より背の高い池照を座らせて、挙句頭を撫でまくっている。(ちなみに池照はこの一連の状況を理解できていない様子。)
ここから、熊谷みつ夫による池照に対する過保護劇場が始まった。
この後、『池照を保護する会 題字:熊谷』とホワイトボードに表した、先生によるイラストも描かれた。当の本人(池照)があまり話を聞いていないようで、参加者(いつもの面々)はうんざりしている様子だったが。
第11話
『ママンとクラフト』回。
ハサミの扱いが苦手な池照は、責任感の強さから、かみてるくんの演技が上手くできないことに収録中に取り乱してしまうのだが、そこで詩乃がクマオを呼ぶ。
「クマオくーん！心のケアー！！」
当たり前のようにクマオを呼ぶ詩乃も然る事乍ら、呼ばれたクマオ(熊谷)はまたしても池照の頭を撫でまくる。
「よーしよしよしよし」
「お水飲んで深呼吸しような」
「大丈夫だよ お前は今立派なカミキリムシだよ」
一度舞台裏に捌けてから戻ってきた後も、
「行ける？本当に？」
「よし行ってこい」
と、収録に送り出すギリギリまで池照を支えている。
収録後、池照が熊谷にハサミの使い方を教えて貰っている様子も見れる。
アニメ版(7話)だと2人の会話も聴ける。
(池照を励ます兎原に、熊谷が「気が散るから口を挟むな」と注意している)
第12話
『エンドレス猛暑』回。
裏道に唆されそうになる池照を止めたり、裏道に丸太に縛り付けられ、目の前でスイカ(冬瓜)割りをさせられそうになっているウサオを、池照に見せまいと目隠したりするクマオが見られる。過保護。
クマオが水鉄砲での撮影をした時は、極寒の中水着でいる池照に水が当たらないようにやり過ごすなど(加えて正面から見たら水が当たっているように見えるという計算ぶり)、至れり尽くせりである。
また、収録に疲れ果てた池照が、"おにぎりのUFOを見つけた"と言い張った時の熊谷は、「やばい 池照が冷えすぎて幻覚見てる」と、やや放置気味な対応を取るのだが、ここで熊谷が池照を下の名前で呼び捨てで呼んでいることが判明する。作中で「池照」と呼ぶのは、熊谷以外だと現状池照の姉の眩衣だけである。
第13、14話
熊池揃って風邪っぴき回。
エンドレス猛暑の撮影後、池照は風邪を引いてしまい、番組スタッフに病欠の電話を入れるのだが、その際池照の部屋が映る。
なんと、この回一貫して、池照のベッドの上にクマオのぬいぐるみ"だけ"が置いてある。
ウサオくんはいない。ウサオくんはベッドのサイドテーブルと思しき所に置いてある。何故ベッドにクマオくんだけなのか？理由は聞くまい。野暮というものだ。
13話の後半の兎原と熊谷の会話では、熊谷が池照のことに関してやけに詳しいことに「池照くんのWikiかよ お前」とまで兎原に言われてしまう始末。どうなってんのこの2人。
そして14話。
後日、今度は熊谷が風邪を引く。
電話越しの2人の会話も微笑ましい(？)のだが、裏道と兎原、熊谷が詩乃の茶番に引き気味な中、一人だけ熊谷を本気で心配している池照。
「熊谷さんが悲しまないように…できることは全力でやるべきかと…」
「俺の風邪がうつってしまったかもしれないし」
固まる一同。
別の意味で固まる読者。
裏道、兎原、詩乃の3人は、熊谷の風邪の原因が自分にあることに思い当たるフシが明確に描かれたが、池照の思い当たるフシは不明なまま。
結局熊谷の風邪の原因はわからず仕舞。
これ以上は何も言うまい。
第16、17話
みんな大好き慰安旅行回。
バス停に着くなり、池照は裏道に自分の着て来た謎の犬のTシャツを自慢する。そのデザインの可愛くなさに絶句する裏道だったが、遅れて熊谷もやって来る。
「すんません 遅くなりました 走って来たら暑いっすね！」
「それは局所的に流行ってんの？」
そこには、池照が着ているTシャツと全く同じTシャツを着ている熊谷がいた。(熊谷曰く、「なんか池照がくれたから」らしい。)
裏道に嬉しそうにTシャツを自慢する割に、実際にそのTシャツは皆の知らないところで熊谷にプレゼントしていた池照なのであった。
時は進んで、宿の宴会場。
酒が苦手な池照が、番組のP(風呂出)に飲酒を強要させられそうになってしまう。そんな時だった。
「あ！UFO！」
熊谷が突然割り込み、明後日の方向に指を差し、風呂出の気を逸らしたところで、
すかさず池照が持たされていたビールを飲み干し、自分と池照の席を入れ替え風呂出の隣の席に座り、風呂出の酒の対応を買って出たのだ。
その咄嗟の出来事に池照は理解が追いつかない様子でぽかんとしていたが、ぽかんとしているのは読者も同じであった。もしかして
そもそも原作では熊谷がどこから池照の元に来たのかが定かでは無かったが、アニメ版では池照の隣りの席に座っていたことが判明。
その後、風呂出は酒の強い熊谷に酔い潰されている。(その時の熊谷と池照の会話も可愛い。)
少し時間が経ち、池照がお手洗いの帰りに詩乃たち女子部屋の下ネタど直球なゲームの会話が聴こえてしまい、笑いを堪え震えながら宴会場に戻ってきた時には、真っ先に熊谷が声をかけていた。
「どうした？撃たれた？」
怒涛の熊池はまだ続く。
いろいろあって裏道&熊谷vs兎原&池照のチーム編成で卓球のダブルスをすることになり、卓球初心者の池照に優しくラリーをする熊谷であったが、急にスパルタになり本格的に卓球の指導を始める。
「足開いて、膝の力抜いて」
………卓球のフォームの指導ですからね。
そこから池照の演技に対する責任感を刺激するかのように、「卓球選手の引退試合を演じるつもりで」と最後に一言添える。その一言にスイッチが入った池照は、持ち前のポテンシャルで見事なまでのラリーを熊谷と繰り広げることになる。
(裏道と兎原は若干引き気味でその様子を見ていた。)
以上が慰安旅行でのおおまかな熊池のやり取りだが、アニメ版(6話)での最初の温泉のシーンでは、何故か裏道と兎原、熊谷と池照とで岩風呂の岩で分断されていた。意識するなという方が無理な話である。
第18話(過去編)
メインは裏道、兎原、熊谷の出会いの話なのだが、熊谷は裏道と出会う前に、既に池照と出会っている。
当時まだ高校生だった池照が、ハンカチを落としたことに気づかず通り過ぎようとして、偶然近くにいた大学生の熊谷が、ハンカチを拾って渡してあげた。
「あの、ハンカチ落としましたよ」
「あ！すみません！…あの、今って何時ですか？」
当時からアナログ時計が読めない池照に熊谷が時間を尋ねられたので教えてあげると、池照はお礼を言いその場を去って行った。
それを見送った熊谷が一言。
「腕時計してるくせに…変なヤツ」もしかして
今でこそ池照には何かと甘い熊谷が、当時は"変なヤツ"認定止まりなところが、新鮮味がある。
あの出会いから今の2人の関係に至るまでの詳細は未だに作中では明かされていないため、今後描かれて欲しい反面、想像の余地を持たせたままでもいさせて欲しいところもある。
原作3巻
第19話
2人の会話はラストの1コマのみ。
冒頭で宗教勧誘をされたことを受けた裏道が、兎原に「神様を信じるか」と問いかける。
その会話を聞いて熊谷が、池照にも同じ質問を投げかける。
「お前は神様信じる？」
すると池照は、「もちろん信じますよ！」と返答。キラキラした池照の笑顔に熊谷は「…そっか」とだけ返す。
第24話
クリスマス間近、収録終わりにある子供にサンタの話を持ちかけられている裏道の会話を聞いてしまった池照が、裏道に勢い良く話しかける。"裏道の家に来ていたサンタと、自分の家に来たサンタは同一人物なのでは"と。
幼少期、自分の欲しいものではなく、音楽関係の物をサンタさんからプレゼントしてもらったお陰で、今こうして裏道達と『ママンとトゥギャザー』をやれている と嬉しそうに語る池照に、裏道が「いけてるお兄さん…まさかまだ…サンタ信じて…」と、禁断の言葉を口にしようとした瞬間、
「シッ！！」
どこからともなく、口元に人差し指を添えた熊谷が登場し、裏道の言葉を遮った。状況を理解していない池照を余所に、そのまま何事も無かったかのように退場。
彼の頭には、池照専用のセンサーの類でも設置されているのだろうか。
たしかに、神様もサンタさんも信じている奇跡の27歳の純粋な夢を壊したくないという想いは、読者も同感である。
第26話
MHKの忘年会回。
池照のファンである局長の娘に声をかけられた池照は、「シャンパンはお好き？」と、娘にお酒を勧められるが、断り切れずシャンパンを受け取ってしまう。それと同時に、何者かが「ノンアルコールをください」とスタッフに声をかける。
困りながら娘と乾杯する池照であったが、次の瞬間、
「あ！！UFO！！」
またしてもこの男(熊谷)である。
池照と娘がUFO発言に気を取られている隙に、先程自ら頼んだノンアルのグラスと、池照が渡されたシャンパンのグラスをすり替え、またもや何事も無かったかのように退散。残された池照の頭上にはおにぎりUFOの吹き出しが。
この回の熊谷の登場はここからなので、忘年会会場に到着してから、裏道に会う前に真っ先に池照の元へ向かったという解釈になり得る。
頑なに池照のアルコールの摂取を阻止し続けるその原動力はどこから来るものなのか…
ちなみに、この後のビンゴ大会中に、セリフは無いが会話している2人も見られる。仲がよろしいこと…
原作4巻
第28話
蛇賀姉妹の喧嘩の回。
眩衣と喧嘩してしまい、家に帰りづらいと一同に相談を持ちかける池照だったが、喧嘩の内容があまりにもアレだったため、裏道、兎原、詩乃から質問責めに遭ってしまう。
そんな困りながら言葉に詰まっている池照を見て、熊谷は1人遠目から、「混乱するので一気に色々言ってあげないでください」と池照にフォローを入れる。もしかして
その後、池照は結局混乱して支離滅裂な発言を始め、詩乃と眩衣が仲が良いことを受けて、"姉を貰ってください"と詩乃にお願いし始める。(=姉を詩乃の家に泊めてください)
詩乃宅には彼氏がいるので無理だと断られると、今度は"彼氏と姉をトレードしてください"とお願い。どんどんわけがわからなくなる中、ここで唐突の一言が。
「じゃあ…じゃあ…彼氏さんをウチで預かった上で…俺が熊谷さん家に」
……なぜ熊谷？
今までの会話の流れで、熊谷は一切関わっていない。
この発言だけでも充分爆弾なのだが、更にダメ押しで熊谷がこの一言。
「俺はそれでいいですけど」
…………………。
お前がいいならもういいよ。
この後詩乃から間髪入れずに「クマオくんややこしくなるから黙って」と注意される。全くもってその通り。
第36話(過去編)
体大時代の熊谷視点から見た裏道という流れで話は進むのだが、ここでも熊谷(と裏道)は池照と出会うことになる。
当時まだ子犬だった小百合さんが、熊谷、裏道のどちらかの脚に擦り寄って来るのだが、アニメ版(12話)にて熊谷の脚であることが確認できる。
その後、後からやって来た眩衣と池照が謝りながら小百合さんを引き取り去って行くのだが、熊谷と裏道は小百合さんにすっかり癒されていた。(表情には出ていないが)
原作5巻
第38話
熊谷の弟・はち太の初登場回なのだが、初っ端から熊池をぶっ込んでくる。
番組収録前に機材トラブルに遭い、一旦解散となった現場。各々が散らばって行く中、楽屋に戻ろうとする池照に、熊谷が声をかける。
「あ 池照 楽屋戻る？」
「はい！」
「スタジオ来る時俺のスマホ持ってきといてくれる？」
「わかりました！！」
満面の笑顔で熊谷にパシられる池照。
そのままルンルンで『エンドレス猛暑』を口ずさみながら熊谷の楽屋へと向かう池照。可愛らしいことこの上ない。パシられているのに。
そのまま相も変わらずノックをせずに熊谷の楽屋に入って行く池照だが、ちょうど熊谷のスマホに着信が入っていた。その着信に反応し、すかさず熊谷のスマホを取って電話に出る池照。
(その後、人の電話に出てしまったことに後から気づき、"電話が鳴ったらすぐに対応するようにと教えられたものでつい"と謝罪している)
その電話を入れた相手が上京して来たはち太であり、局の前にいることがわかると、池照ははち太のところまで自分が迎えに行くと伝える。
兄の電話にかけたはずなのに、何故うたのお兄さんと繋がったのか不可解なはち太は、都会慣れしておらず怯えながら池照を待っていたが、池照に急に話しかけられ余計に驚いてしまう。
それから池照ははち太を局に連れて来るのだが、完全に怯えているはち太は、池照のうたのお兄さんの衣装のベストの中に潜り込んだまま局まで来たらしい。(おまけに腰に両腕を回し抱きついている。)
その後、はち太は兄の熊谷に無事引き取られて行くのだが、はち太が熊谷の弟だと知ると、池照の吹き出しのおにぎり動きがまるで"腑に落ちた"と取られるような動きをしていた。
