「お久しぶりでございますわ、あにうえ。しばらくお顔を見ませんでしたけれど、お元気でございましたか?」
※この記事は物語の根幹を担うキャラクターを扱っているため、ネタバレを多分に含みます。未読者は閲覧注意でお願いします。
概要
鎌池和馬の小説、未踏召喚://ブラッドサインのメインヒロインにして、最強の召喚物(マテリアル)
正式名称は『穢れなき真実の剣持つ「白き」女王《iu・nu・fb・a・wuh・ei・kx・eu・pl・vjz》』。
善性の塊、聖なる象徴、光輝の擬人化。様々な呼称で呼ばれ崇められる、最高次元存在。
容姿的には、宝石のような黒い瞳腰まで届く銀髪の長いツインテールに、露出の多いウエディングドレスのような衣装を身にまとう美少女。
彼女について特筆すべきは、最強。とにかく最強ということ。我々が通常「神」と呼ぶ存在にあたる『神格級』・・・を雑魚扱いできる『未踏級』・・・を更に雑魚扱いできる『未踏級』の頂点。他の未踏級も大概人智を越えた存在のはずなのだが、彼女の手にかかるとワンパンされてしまう。
全鎌池作品をもってしてもぶっちぎりの最強であり、よく引き合いにされる全宇宙を自由自在に破壊創造できるオティヌスを雑魚扱いできるといえばイメージしやすいだろうか?
主人公、城山恭介を「あにうえ」と呼び偏愛しているが、彼も実質人類最強といえる存在にもかかわらず、ほとんどオモチャ扱いである。というか、彼の心を折り、自分に依存させるために世界を丸ごと利用しているとさえいえる。そのため恭介がやっとの思いで解決した事件の黒幕が彼女だったということさえザラ。
たとえ敵でも極力殺さないように努め、基本余裕の姿勢を崩さない恭介をしても、彼女を前にするとその余裕がなくなり、露骨に口調が荒くなり、敵愾心がむき出しになってしまう。
どころか、物語が進むほど、彼の中の女王の恐怖が増してゆき、突然現れる女王の顔を見ただけで絶望し、後々トラウマでむせび泣くほどであり、恭介と共に読者の心をへし折ってくる。
恭介曰く一元的な『悪』ではないらしく、『悪』ならば正せばいいだけという彼の定石が一切通用しない。白という色が表すとおり一応は純粋な存在であるらしい(それゆえ余計に始末に負えないが)。
そんな彼女の地雷もまた当然あにうえ(恭介)であり、興味が無すぎて一周回って寛容になっているのか、恭介が絡まなければ部外者にいきなり危害を加えるようなことはしないものの、自分を勝手に崇拝して呼び出しただけの不届き者や、あにうえとの会話を邪魔する輩には一切の容赦が無い。
「あァ?何の権利でわたくしとあにうえの間に割って入ってんだテメェは!!!???」
過去に地下施設『箱庭』において、女王と交流していた幼き恭介に『メリー・アン』と名付けられた。これは、『白き女王=アリス』という役割から彼女を解放するために恭介が「もう誰も殺さないで」という約束と共に与えたのだが、結果としてその約束が果たされることはなかった。
後に既存のあらゆる方法をもってしても倒せない事が判明した白き女王をそれでも倒すため、恭介が造りだした新たな未踏級『ただ一つの目的を貫徹する色彩なき童女《aie・a・oio・ei・ueo・ioa・e・uai・ee》』との戦闘を経て、心境が変化。自らの戦装束『真実の剣』が暴走したことを期に『人間を知る旅』に出る。協力者・信楽真沙美らの後押しもあり、マグカップをプレゼントして和解を果たそうとするも、過去に家族を手にかけられた事実を持つ恭介に通じるはずもなく決裂。そのまま最終決戦が始まってしまう。
「「ぶっっっ殺すッッッ!!!!!!」」
死闘の末、自らを犠牲にする戦略に出たため、本来ならば死亡していたはずの恭介を自らの血を与えることで生きながらえさせ、逆に黒幕として登場した『叡智』との戦いを経て完全に和解。自らの過去の過ちを全てではないながらも精算し、その後は召喚師から魔術師へと変貌した恭介の傍らで彼と共に今日も戦い続ける。
余談
「あにーうえー?例の自己昇格用の教化書物『原典』、パラ見させていただきましたがなかなかの出来栄えでございますわね☆どうでしょう、何かしら適当にタイトルつけて小説家に成り切ろうにでもアップしてみては?ええそうですわね、例えば『未踏召喚://ブラッドサイン』とかはいかがでございましょう。目指せ三兆PV☆」
・・・という台詞があるのだが、『白き女王』が自身との決戦時、恭介が自分を神格級にするために用意した『原典』をして、『未踏召喚://ブラッドサイン』と名付け、小説扱いすることを提案しているが、するとこの物語は・・・?
ちなみに最終刊の裏表紙は『未踏召喚://ブラッドサイン』第一巻である。
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不思議の国のアリス/鏡の国のアリス・・・作中にも登場する元ネタ作品。『白き女王』とは、『鏡の国のアリス』においての主人公アリスの役割を指す。