石ころ

下を向く。 生まれてからずっと。 それ以外はできなかった。 拾った石ころ。 それが変えてくれた。 下以外の方向。 そこを向けること。

　小さい頃に譲れなかったもの。大切な思い。他人にとってはどうでもいい、とるにたらない、ちんけなプライド。 　人は、それを抱いて死んでいく。譲らなかった。譲れなかったから。捨てられなかったから。全ては重りに過ぎない思い込みなのだから。 　でも！憧れてしまう！だから！見たくなる！そして！オレも私もボクも君も！掴みたくなる！探してしまう！この思い！仕舞って失くして放り捨ててしまったこの思い！ 　これが石ころだ！他人にとっては意味の無い！オレだけの大切な石ころだ！ 　これだけは…ゆずれねぇなぁあ！！！！ 　さとり「石ころ…小石…こいし…この響き…何百億年前からだろう。掴みたかった思いが溢れる…なぜだろう…」