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概要編集

近代日本文学を代表する傑作の一つと見なされているだけでなく、海外でも評価が高い作品である。

1962年(昭和37年)6月8日に新潮社より刊行され、翌年1963年1月23日、第14回(1962年度)読売文学賞を受賞。1964年(昭和39年)には、作者自身の脚本により勅使河原宏監督で映画化された。1968年(昭和43年)1月18日にはフランスで1967年度最優秀外国文学賞を受賞した。


モデルになった舞台が存在する作品でもある。場所は山形県酒田市の庄内砂丘沿いにあった浜中(現在は防砂林が植林)という集落で、この一帯は非常に風が強く、飛び砂によって屋根の雪下ろしならぬ砂下ろしが欠かせなかった、砂の被害を防ぐため食事中に親が傘を差していたほどの場所であった。その記事を読んだ安部が『砂の女』の着想を得、現地を取材している。なお現在、浜中地区は三百年余りの年月を経て防風林が完成し、国内有数のメロン産地になっている。


あらすじ編集

不条理な日々から遠ざかるため昆虫採集に出た教師が、海辺の村落で砂穴に埋もれゆく一軒家に閉じ込められる。そこには一人の女が住み、男を穴にひきとめようとする。逃れたい男と、巣ごもりする女。やがて男は、流動する砂の閉塞のなかで、新たな生き方を見つける。

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