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概要編集

1996年にケイエスエスから発売されたパーソナルコンピュータ(PC-9801版)ロールプレイングゲーム。『竜機伝承』シリーズの1作目。


1997年3月にボイスが追加された「竜機伝承プラス」、1997年12月にPlaystation版「竜機伝承〜DRAGOON〜」が発売されている。また、1作目はOVA化やノベライズ化されるなど、マイナーながら人気があった作品。2作目『竜機伝承2』と3作目『竜機伝承3 〜黄昏に導かれし者たち〜』も発売されている。


ファンタジーとSFが融合した世界観で、未来からやって来た者たちによりもたらされた機械技術によって起きる争いに、主人公セディが巻き込まれていくストーリー。


小説版ではゲームの第二部からの話が描かれている。ゲーム未登場のキャラも多数登場し(役どころが少し変わっているキャラもいるが)、唐突なストーリー展開が多かったゲーム本編の世界観や設定を理解するうえでの解説書的な役割を果たしている。




ストーリー編集

セディは軍事国家・ガルバード帝国の兵士に追われていた記憶喪失のミュウを助け、彼女の故郷を探す旅に出る。それが自身と世界の運命を変えることになると知らずに…。



登場人物編集

セディー・キャリバー

CV:石田彰

本作の主人公。北の辺境ノーストンで育った純朴な少年。ミュウを助けたことがきっかけで、ミュウの故郷を探す旅に出る。騎士団の団長を務めたこともある父親によって小さい頃から剣術を鍛えられており、剣の実力は高い。一途なのだが、それゆえにマリアの気持ちを素直に受け入れられないなど、融通がきかない頑固者。


ミュウ

CV:國府田マリ子

ガルバード帝国に追われていた少女。紫色の髪を伸ばした儚げな風貌をしている。名前以外の記憶をすべて失っており、それを取り戻すためにセディと冒険の旅に出ることになる。フォース系の力を使うなど、謎めいた神秘的な少女。正体はガブリエル博士がマリアの細胞を元に作った機械人形。マリアとそっくりなのはそのためである。マリアの共鳴魔法の力を受け継いでいるため、蒼い月と共鳴する道具(ドラグーンを操作する端末)として利用される。小説版では、ミュウは意志を持たない機械人形であることが明かされ、セディと一緒に行動していたミュウの性格や心はマリアのものだった。エンディングでは、遺伝子を同じくするマリアと融合することで一人の人間となった。


マリア

CV:島涼香

第一部終了時に重傷を負ったセディを助けた少女。その後、3年間セディと同棲していたが、記憶を取り戻したセディが旅立つのを見送った。実はガブリエル博士の娘で未来から来た人間という重要人物なのだが、ゲーム版では尺の都合でマリアについてはその後会話の中で語られる程度だった。栗色の髪を伸ばし、おっとりした雰囲気を漂わせている。

小説版ではヒロイン。ゲーム版では描かれなかったミュウとの関係について描かれている。強く念じた相手を強化する共鳴魔法の才能があり、その力でセディの戦いを支えた。実はセディと旅をしていたミュウの心は遠くにいたマリアと共感したものであり(セディがミュウと行動を共にしていた期間、マリアは魂が抜けたような状態だった)、ミュウ=マリアだったことが明かされる。ミュウが自分の細胞から作られた機械人形で自分の分身であると知ったマリアはミュウと共鳴して融合し、ミュウでありマリアでもある新しい一人の人間になった。


ガブリエル

マーシュと共にガルバード帝国に協力する科学者。正体は未来から来た人間で、機械技術が進歩しすぎたゆえに世界が滅亡した時代からやって来た。そのため未来を変えるべく、マーシュの意見に賛同して、世界を滅ぼすための道具として機械人形のミュウを作り上げた。このことからミュウにとっては父親にあたる人物。

ゲーム版では娘マリアの安全と引き換えにマーシュに手を貸していて、ミュウに対しても実の娘のように大事に思っていて、ガルバード帝国で会ったときには「よくもこんな危険なところにミュウを連れてきてくれたな」とミュウを結果的に危険にさらしたことを怒ったり、「どうか誰もいないところに連れて行ってくれ」とセディにミュウを利用されないようにどこかへ連れていくように頼んでいた。

小説版ではエリアという妻が登場する。小説版ではマーシュの思想に賛同しており、そのためにミュウをドラグーンの制御装置として作り出して利用していたが、ミュウのことは一応大事にしていたようで(出て行った妻と娘の代わりとしてだが)、エリアとマリアの訴えに心揺らいだ描写を見せていた。


エリア

小説版のみ登場。マリアの母親。薬師をしながらマリアを女手一つで育てた。マリアと共にセディを介抱して助けた後、セディを自分の家に住まわせて面倒をみるなど、包容力あふれる女性。正体はガブリエルの妻で、未来からやって来た人間。しかし、過ちを繰り返させないために人類を早々に滅ぼそうとするマーシュの考えには反対していて、マーシュに賛同したガブリエルが娘のマリアの細胞を実験に使ってミュウを作ったときは激怒して、マリアを連れてガブリエルの元を去った。科学者としても優秀で、さらに飛行艇の操縦も難なくこなすなど、いわゆるチートキャラ。


ミリイ・キャリバー

CV:宮村優子

セディの妹。年齢は12才。好奇心旺盛で感情豊かな少女。回復魔法を使うことができる。第一部ではお転婆な性格だったが、第二部では淑やかな性格に成長し、回復魔法を使ってレジスタンスを癒す姿から「天使」と呼ばれて慕われている。


レイン・フェアルード

CV:関俊彦

フェアルード国の王子。槍の使い手。フェアルード国自体、王族や貴族が平民と分け隔てなく接する国のため、レインも気楽に街に出て遊び歩いている。少し軟派な面もあるが、いざというときには頼りになる存在。小説版ではミレーユという妹が登場し、少々シスコンな面も見せていた。


ミレーユ

小説版のみ登場。レインの妹。王女だが純粋で好奇心旺盛。政略結婚を企むランドールによって軟禁状態にある。バブレートとは仲良しで互いに思い合っている。


リリス・マクギーニ

CV:今井由香

少年盗賊バブと組んで、ノベールの港町で盗賊稼業を営む魔法使いの女の子。困っている人を見たら放っておけない姉御肌な性格。故郷を滅ぼしたバシュアを狙っているが、実はバシュアはリリスの実の父親で、リリスの故郷が滅ぼされたのはリリスの一族が別のアサシンの一族から報復を受けて攻め滅ぼされたのが真相である。自分の誤解を知り落ち込むが、持ち前の明るさですぐに立ち直り、バシュアをパパと呼んで慕うようになった。


バブレート・ジェシル

CV:そのざきみえ

盗賊少年。リリスと共にノベールの港町で盗賊稼業を営む。幼い頃から自分の力だけで生きてきた過去が、彼にたぐいまれな盗みの技とナイフの腕を与えた。小説版ではレインの妹ミレーユと親しくなり、ランドールと政略結婚されられそうになった彼女を助けるために奮闘していた。


バシュア・グレアガルバ

CV:室園丈裕

剣技と魔法両方扱う凄腕の暗殺者。現在は、南方にある軍事国家・ガルバード帝国に雇われている。リリスから命を狙われているが、実はリリスの父親。小説版ではそのことが深く描かれていて、リリスと和解した後はドラグーンの動力部に打撃を与えることで機能停止に陥らせるなど活躍を見せ、リリスからはパパと呼ばれて慕われていた。


ランドール・ガプルアード

CV:柳沢栄治

フェアルード国の大臣。裏でガルバード帝国と通じている。小説版ではレインの妹ミレーユと政略結婚しようとするなどしていた。


アークランド

ラファールの豪商。死んだ親友の妻を愛していて、彼女を手に入れるためにガモンにそそのかされてモンスター化してしまうが、ミュウの不思議な力で人間に戻った。二部では親友の妻と再婚していたが、小説版では親友の妻とその子供を見守る立場に徹していて再婚していない。


ガモン

CV:柳沢栄治

アークランドをそそのかして操っていた魔術師。


ディン・バイアランス

CV:遠近孝一

傭兵の青年で銃の使い手。


キュイ

CV:中川亜紀子

竜の少年。アインホルン湖の湖底にある神殿に1人で住んでいたが、寂しさのあまり生贄と称して遊び相手を求めていた。パーティーに加わった後は、みんなの弟分としてミュウやシルバーニャから可愛がられている。性格は子どもっぽいが、竜だけあって戦闘では大人顔負けの実力を発揮する。小説版ではシルバーニャに懐いていて、戦闘でも力を発揮するが、種族としての耳の良さを利用したマーシュの音波兵器にかなわずあっさり倒されてしまう。


シルバーニャ・バルファルド

CV:星野千寿子

“疾風”のシルバと呼ばれる狩人の少女。さばさばした性格で面倒見がよく、キュイからも慕われている。


ジェノア・カレジナル

CV:保志総一朗

世界一の産業都市ハイラッドの大学で、機械の研究に励む青年。師であるベンディ博士とともに、研究・開発に打ち込む日々を送っていたが、あることをきっかけにセディの仲間となる。理屈っぽい性格で大雑把なリリスと言い争うことしばしば。


マール

CV:柳原みわ

運び屋をしているノームの女の子。小柄な体に似合わない大きな袋を持ち、その中にたくさんのアイテムを入れて運ぶ。小説版では登場しない。


プティル

CV:柳原みわ

旅の途中で、ミュウが謎の老人・ゲイトから譲り受けた魔獣の子供。小説版では登場しない。


ゲイト・グランパス

CV:村瀬喜一郎

ミュウにプティルを与えた謎の老人。


メル・スターダスト

CV:梶村ひろこ

星の民のリーダー。小説版では登場しない。


ドゥフト

CV:松下美由紀

ガルバード帝国の魔法使い。星の民だったが、掟に逆らって下界に出た。小説版には登場しない。


ジークハルト

CV:堀川仁

ガルバード帝国の剣士。小説版には登場しない。


マーシュ・ギアハザード

CV:伊藤健太郎

ガルバード帝国の参謀。本作の黒幕。未来から来た人間だが、いずれ人類が世界を滅ぼすことに絶望し(小説版では想いを寄せていたエリアがガブリエルと結婚したことによる葛藤や失望もあった)、機械技術を使って世界を滅ぼそうと企む。昔はガブリエルやエリアと同じ科学者だったが、実験中の事故で機械の体になってしまった。


ジェダイ

CV:保志総一郎

ガルバード帝国の若き皇帝。マーシュに利用されている。小説版では登場しない。


アルファ

CV:梶村ひろこ

ゲーム版のみに登場。マーシュに仕える謎の少女。正体はミュウ。


ルクレチア

小説版のみ登場。ラファールの女帝。気さくな性格で民からも慕われている。


フィルソレイナ

この世界で信仰されている女神。



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