概要
順天聖母 通天聖母、陳夫人、臨水陳太后、大奶夫人、順懿夫人,陳靖姑、陳進姑
人としての名は「陳靖」で「陳靖姑」ともいう。父親は「陳昌」で母親は「葛氏」。福州(現在の福建省福州市にあたる地域)の下渡という場所で生まれた。
卓越した巫覡(ふげき、神の意図を地上に伝える宗教者)と伝えられており、道教宗派の一つ「閭山派」で祖師と仰がれる許遜(許真君)のもとに13歳の時に弟子入りした。
高位の役人・徐清叟の息子の妻のお産を祈願で成功させた事績、大干魃を覆す為の雨乞いの儀式を成功させたが自分が身ごもっていた子を失い、その経験から死後にお産を助けるとの誓願をなした事から安産の女神として知られる。
受胎を司る「註生娘娘」、産後の成長を司る「七娘媽(織姫)」と共に信仰されている。
白蛇の妖怪などの魔物を退治した伝承でも知られ、三体の猿妖を降伏させ改心させている。
福州三大聖
臨水夫人によって回心させられた三体の猿妖怪。それぞれ通天大聖、耍耍三郎、丹霞大聖といい、丹霞大聖以外は古い雑劇において、斉天大聖の兄弟として言及されている。
彼等の像はいずれも斉天大聖像と似通っており、如意棒のような棒を持ち、瓢箪や払子といった別の持物や甲冑という服装も共通している。
黒面大聖、黒大聖の別名を持つ通天大聖、白大聖の異名を持つ耍耍三郎の像はそれぞれ黒、白の体色や毛色でも表現されるが、そうした表象は斉天大聖像にも見られるバリエーションであるため像容だけでは区別は難しい。