概要
「リアルアカウント」第二部にて登場するデスゲーム参加者の一人。
ダウナーな雰囲気を漂わせる黒髪痩躯の青年で、暗く淀んだ瞳と、間延びした喋り方が特徴。猫背気味で常に裸足。一人称は「ボク」。
自殺サイト「黒い水槽」を運営している。ゲーム開始以前から、サイト利用者を「自殺のおてつだい」として殺害(いわゆる自殺幇助を)していたらしい。
「リア生ゲーム」からの登場のため、「リアルフォロワー診断」や「悪いいね!ゲーム」での攻略法は描かれていないが、「リア生ゲーム」ではパートナーをナイフで拷問してその苦悶する様を配信する、「鎮静かまってちゃん」ではかまってちゃんの中の人の自我を破壊する等の非人道的な行動が目立つ。
また、絶望した人間の顔を撮影することを趣味としており、「既読スルー撲滅運動」では「しゅ〜りょ〜」スタンプを奪って削除することで複数人を同時に絶望させたあげく、その様子を大喜びで連写していた。
向井ユウマを「からっぽ」であり自分の同類であると認識し、彼の絶望の表情を撮影することに執着している。
どこからともなく取り出した生肉を頬張っていることが多い(本人曰く「生肉しか食べられない」「焼いた肉を食べると吐いちゃう」)。ちなみに甘いものは苦手な模様。
第2部第5ゲーム以降のネタバレ注意!!
ミズキが絶望した人間の顔を集めるようになったのは、絵本作家であった母・蔵科リツコの自殺がきっかけだった。母の最後の作品である「ぜつぼうのくに」という絵本を信じたミズキは、母にもう一度会うため、絶望した人間だけが迎え入れられ幸せに暮らせるという「ぜつぼうのくに」へいく“通行料”として、絶望した人間の顔の写真が必要だと考え、以来13年をその収集に費やしていた。
しかし、「大炎上祭」でユウマの本性を明かしたことがきっかけとなり、逆に覚醒したユウマによって絵本の真の結末は「ぜつぼうのくに」なんてない、「ぜつぼう」の中から「きぼう」を見つけて生きていくという前向きなものであり、書籍に隠されたQRコードを読み込むことで本当の内容が読めるようになっていることを突きつけられ、自身が絶望することとなった。
この時、ユウマから今までの仕返しも兼ねて精神攻撃と頬への殴打を受けたことによって、ユウマをおかあさんに代わって自分を支配してくれる絶対的強者と認識して懐き、彼についていくようになった。
上記のことからもわかるとおり、精神的に幼い部分を多く残しており、また依存心が非常に強い。
「大炎上祭」以降はユウマに依存し、彼のためならば自分の傷を抉るような行動も厭わない。
また、「死ぬときはユウマ君に殺されたい」「形も残らないくらいグチャグチャに惨殺されたい」と望むようになっている。
ゲーム終了後は、ユウマの元の身体(死体)を自宅に持ち帰り、花とともに飾っている。
「腐っていくのを眺めたい」と言っていたが、半年が経ってもきれいなままであったことから、防腐処理を施した模様。
後に、ゲーム終了後に何度もユウマのアパートを訪ねていたが、追い返されていたことが発覚している。その理由は、ひたすらに支配を望むミズキに対し、ユウマがそういった関係性を受け入れられないと考えたため。
第3部以降のネタバレ注意!!
ゲーム終了から半年が経過し、あらためて始まった最終フェーズプレイヤーの中にミズキも含まれていた。
この頃から口元に手をやる(指をしゃぶる)・爪を噛むという仕草を頻繁にするようになる。
「歩きスマホ迷路」では、殺人者専門の殺人鬼である斗部コトコと切りつけ合いながらルートを構築していったが、第2ゲームの時とは違い、大切に思う相手が出来たために時に死に怯え、時に仲間とじゃれ合うようになったユウマの姿を見たことによって、彼はもう「無敵の支配者ではなくなった、弱くなった」と感じるようになり、精神的に不安定になる。
続く「IDゲッター倶楽部」時には、同じグループになった「箱」によってその不安を暴きたてられた上、「弱くなったユウマより今のオレのほうがあんたに欲しい物をあげられる」と誑かされたことがきっかけとなり、狂乱状態に陥った。同時に、新しい支配を完全に受けるにはユウマを殺さなければならないと考え、その殺害に執心するようになる。
「リアアカGO」前半では、「箱」による新しい支配として大型のハンマーで腹を殴られる・首輪を嵌められた上にその鎖を天井から吊るされる、といった虐待を常に受けており、全身傷だらけの状態になっていた(なおミズキ本人は正気の状態でこの虐待を望んでおり、ユウマもそれを看破していた)。
しかし、それでも自身の“願い”である“学校”にはミズキにもいてほしい、そのためにミズキを取り戻したい、と自分のエゴであることを自覚した上で覚悟を決めたユウマと、檻の中で1対1のデスマッチを行う。一度はユウマを心停止まで追い込むも、ユウマの熱い想いとあやめのアシスト、さらに家に残してきた絵本の草稿から本当は「支配者」ではなく「仲間」を望むようになっていたことを思い出したことによって、ミズキは「箱」の支配から脱却。元通りユウマチームに戻った。
「リアアカGO」以降は、ユウマだけでなくあやめにもはっきりと懐くようになった。本人曰く「ふたりともだいすき」であり、「あやめちゃんはユウマ君の次にすき」。
また、他の参加者とも次第に打ち解けるようになっていく。
「ぜつぼう」集めをしていた過去の自分のことも「妄執に囚われていた」と認識するようになった。
一方で、ユウマ第一という姿勢自体は変化しておらず、自分自身を含めたそれ以外の者の命にほとんど関心を持たない。「匿名教室」でユウマに黒幕の疑いがかかった際には、あやめを含む全員を殺し、最後に自分を殺すことでユウマを生存させるつもりだと宣言した。
とはいえ、あやめを慕っているのも確からしく、ステージ3のユウマによって全員が脱落する流れになった時には「あやめちゃんだけでも助けられないか」と聞いたり、「匿名教室」終了後のパーティで自分の態度を謝罪したりしている。
性格・能力
性格は一言で言うと掴みどころがない。無気力で猟奇的な言動が特徴。
眠たげな顔でぼーっとしていることが多いが、その状態から何の躊躇いもなく攻撃を仕掛けてくる。戦闘時には鬼気迫る表情を見せることが多く、血やナイフを舐めるといった振る舞いも頻繁に行う。
第3部ではコトコとの何度かの交流によって、自分たちが「殺人行為を楽しいと感じてしまう同類」であることをあらためて認識し、笑みを交わしている(お互いをナイフと包丁でズタズタに斬りつけあいながら)。
一方で、懐いた相手には無邪気な笑顔を見せ、子供のように甘えることもある。
不健康な見た目に反して戦闘能力は非常に高く、作中でも一二を争うほど。
すれ違いざまに複数人を殺傷する、現役格闘家の反撃を片腕でいなす、といった芸当を披露しており、携帯している折り畳みナイフを武器として使用する。
また、自殺サイトの管理人をしていたこともあり、人の生死の境界を熟知している。作中ではこれを活かして傷の度合いや危険度を測るほか、「15分間相手をナイフで解体しつつも絶命させない」「即死はしないがものすごく痛くて大量に出血する場所だけを狙って刺す」等の悪辣な手腕を見せている。
他者を傷つけることにためらいがない上、自分の肉体のダメージに全くかまわないため、一度攻撃を始めると滅多なことでは止められない。
また、わずかな交流から相手の本心を見抜く、隠された企みを察知して先回りする等、直感や知力・洞察力も一流。
反面、精神面では幼さと危うさが目立ち、情緒は母を亡くした幼少期からあまり成長していないと思われる。
不眠症のためここ数年まともに眠っておらず、目の下に濃いクマがある。(「リアアカGO」でユウマチームに戻った直後の宿屋では、数年ぶりに熟睡できた)
左腕には無数のリストカット痕があるほか、「不謹慎ハンター24時」以降は斗部コトコによってつけられた傷痕が右頬に残った。これは医療用ポッドでも治療できないほど深く傷つけられたせいだが、ミズキ自身は死亡したコトコとの繋がりが消えなかったことをうれしく思っている。
また、左鎖骨の下に「DQNマーブル」の攻撃からユウマを守った際に出来た螺旋状の傷痕が残っている。
「SNS鬼ごっこ」以降は、一時的にユウマと繋いだ手錠の残骸を右手首に嵌めたままにしている。この手錠と短い鎖は、ミズキの命や心を何度も救うことにつながった。
同年代以下の男子を「○○君(クン)」、女子を「○○ちゃん」と呼ぶ。年上の女性は「○○おねえさん」(年上の男性は不明だが「おじさん」と呼んだことはある)。
年齢は現在のところは不明。ただし、穂村アイリや桜芽カルアを「おねえさん」と呼んでいるため、彼女たちよりは年下の模様。
母性本能をくすぐるタイプのようで、複数の「おねえさん」達からご飯をおごってもらったり家に泊めてもらったりしているらしい。が、本人は無自覚で、「何もお返ししてないのになんでだろう」と思っている。
以上のことからわかるとおり非童貞。しかし本人は「そんなにいいものじゃない」程度の認識しかない模様。