概要
「東南へ三百里(120km)行ったとこに女烝山という山がある。この山の上には草木はなかった。石膏水はこの山より流れ出て西へ向かい鬲水へと注いだ。水中には多くの薄魚がおり、この魚は一般的な鱔魚(タウナギ)のようだが、一つ目で、発する声は人が嘔吐しているような声であった。現れると大日照りが起きる」
……こんな風に解説されている化け物魚。ちなみにタウナギはウナギのような細長くヌルヌルした魚だがウナギとは遠縁で、なおかつ山海経の薄魚の挿絵もタウナギというよりは額の部分に一つ目のある鯉のような姿で描かれている。
石膏の水の中を泳ぎ、我々ヒトがえづくような声で鳴き、魚のくせに日照りの前触れという凶兆。こんな化け物だが、チョウザメを指すと考えられている。