概要
北上して梅雨をもたらす梅雨前線は、北海道付近に達する頃には力が弱まっていることが多いため、「北海道には梅雨がない」といわれているが、年によっては梅雨前線の影響を受けることもあり、北海道でも長雨となる場合がある。これが「蝦夷梅雨」である。たとえ北海道であっても梅雨が来る時は来るのである。
札幌などでは、かつては5月末から6月初めにリラ冷えと呼ばれる肌寒い曇りがちな日が続く程度だったが、1990年代以降は8月の降水量が減る一方で6月後半〜7月に雨がまとまって降るようになり「北海道には梅雨がない」というのは実態に合わなくなりつつある。蝦夷梅雨とは梅雨前線の影響で起こる梅雨そのものであって、北海道に特有の気象現象でも何でもないことに留意する必要がある。
ちなみに、日本において梅雨がないといわれる地域は、北海道以外には(前線の影響を受けない)小笠原諸島などがある。