スピードを落とすことは罪悪だ。走るために、俺のすべてはあるのだから。
加速する走を目の当たりにし、清瀬は恍惚となった。
あの走りを見てくれ。走るために生まれた存在のうつくしさを。
概要
同じ大学の1年生と4年生で、陸上部の選手同士かつ同じ寮の住人でもある。アニメ版では走のほうが2センチ背が高い。
互いの呼び方は清瀬が「走」(アニメ版は序盤のみ「蔵原」)、走が最初だけ「清瀬さん」で、すぐに「ハイジさん」に変わる。二人称は清瀬がほぼ「きみ」(アニメ版は主に「おまえ」)、走が「あんた」や稀に「あなた」。
清瀬は、盗みを犯して逃げている最中にもかかわらず、一糸乱れず疾駆する走の姿にたちまち虜となる。流れ星を求めて空を仰いだ夜に見つけた走を、清瀬はのちに流星にたとえ、星が流れていくのをただ眺めるだけでは飽き足らなかった。その結果、数時間後の走は、清瀬の向かいの部屋で清瀬の毛布に包まれながら清瀬への警戒心も和らいですやすや眠り、翌日からは朝晩清瀬の手料理を振る舞われる生活を送り始めた。
清瀬は走に罪を償わせようとはせず、居場所がないことを聞き出した上で、彼の素性に気づいていないふりをして自分のもとへ誘った。その後、助けた理由を尋ねられたり、過去を気に病まれたりした際には、嘘を吐くことで走の意に沿う返答を与え、望み通りの結果を手繰り寄せた。
元来それほど他人を注視せずにいた走だったが、自分の胸ぐらを掴んで叱りつけている最中に清瀬が倒れてからは、こまめに清瀬の様子に気を配るようになる。ある時は清瀬の脚を心配するあまり、彼をベッドに押し倒して有無を言わさず素肌を暴こうとさえした。
ふたりの交流は仲間(飼い犬含む)たちからも、「走が来てからハイジは嬉しそう」「あいつらの間には友情や愛情が確かにある」と見守られている。