概要
鉄板鐔付鉄刀は、古墳時代後期から7世紀にかけて圧倒的多数を占めたとみられる大刀。多くは木製の柄に鉄製板鐔と金属製鎺がつき、鐔と鎺以外には金属装具を持たない鉄刀である。装飾付大刀と比較して研究は遅れているものの、研究者の間では日本刀の源流として重視されている。
鐔は円形や倒卵形で、装飾を持たない無窓鐔、透窓を持つ有窓鐔、銀象嵌を施す象嵌装鐔などが知られる。装飾付大刀で用いられた象嵌鐔が6世紀後半に大型化して独自に発展すると板鐔単独で用いられるようになり、装飾付大刀以外の刀剣にも用いられた。7世紀後半頃から象嵌鐔は見られらなくなるが、その後も板鐔は使用され続けて奈良時代以降の鐔へと引き継がれる。