風とは、天地を巡る流れる力。その風に乗り、打ち出される拳こそ、風儀拳なり。
プロフィール
今州城の城下町にある六羨茶屋の看板娘。修行のために街中へ降りてきたという山育ちの道士で、一人称は貧道(ひんどう)、原語版では小道(シャオタオ)。英語版では「Jianxin」と表記され、原語版での発音は「ジェンシン」に近い。
人柄はとことん穏やかでありながら、決めた事は決して譲らず粘り強い。日本版では口調や演技のニュアンスもあって、どことなく中性的な雰囲気を纏っている。
劇中では偶然保護した老人のために、彼が探しているという孫の行方を追って城外へ向かうべく城門の衛兵と交渉していた折に漂泊者や秧秧と行き合い、漂泊者が与えられている最高レベルの通行権限に相乗りする形で連れ出してもらう。
探し人がいると思しき夜帰の前線基地では、終わりの見えない戦争の実態を目の当たりにして気圧されたり、自身の見識の狭さを痛感しながらも、探し当てた孫の「夜帰軍の助けになりたい」という思いと向き合う様子が描かれる。
物心もつかない内に何らかの理由で家族と離別しており、森の中でどうにか食い繋いでいたところへ通りかかった十陵師匠に導かれ、山中の道観(道教寺院)で育った。修行の傍らで生活に必要な技能も一通り身に着けており、決して要領がよい方ではないものの、一心不乱で勤勉。
街中での経験が浅い内は客との取引で騙される事もあったようだが、不正に対しては懇々と道理を説き、相手が音を上げるまでお説教し続けるタイプ。
清廉で無垢、世間知らずとあって若干危なっかしいところもあり、上述した漂泊者との初対面時には、漂泊者が城外へ連れていく代わりに暗に対価を要求する選択肢を取ると、二つ返事で手持ちの携帯食や有り金、大切にしている髪飾りまで預けようとする一幕がある。
眼前の物事を直向きに突き詰める気質と、道観での精神修養の賜物か、他者を周波数で認識している散華には「金色の魂の持ち主」とさえ評されるが、コンテンツ「深層夢境」で言及された鑑心の見る夢は“空白”にも喩えられ、その一端を垣間見た漂泊者にも空恐ろしさを感じさせるもの。戦闘不能時に口にする台詞も、どこか達観や悟りを感じさせる。
茶屋の向かいにある拳法道場を営む淵武とは手合わせの経験があり、互いの実力を称え合う間柄。また、熾霞ともよく組み手をしているらしく、強さを追求する姿勢に共感を覚えている。
ストーリー中のとあるカットでは夜帰の負傷兵を2人同時に担いで搬送している姿も見られるなど、膂力は人並み以上。
デバイスの操作にはまだ慣れていないようで、急に立体映像が出力されると小さく悲鳴を上げて身構えるほか、戦闘中の音骸召喚時にも動作を確かめているような台詞がある。
師匠に連れられて初めて山を下りた際にクーポンという存在に魅了され、専用の収納ホルダーに雑多なそれらを集めているが、彼女にとってはある種の“親切さ”の象徴であり、特に使用条件などは気にしていない。
冗談のように立派なアホ毛で草笛よろしく音を奏でるという謎の特技を持つ。
明鏡止水
共鳴能力が覚醒してから3年ほど。これといったきっかけもなく能力が発現した自然型の共鳴者で、10以上の共鳴源とのゆるやかな同調を示しており、心身ともに極めて安定している事から定期検診やメンタルケアは不要と診断されている。また、共鳴による身体的な変化は特に無いらしく、アホ毛は自前のものと思われる。
道観で鍛え上げた太極拳に加えて風儀拳の使い手で、打ち出す拳の速度は測定した時点で秒速340mを記録し、さらに成長の余地あり。
“戦闘狂”とまでは言わずとも、強敵相手の腕試しには基本的に前のめりで、痛打をもらうと「お見事」と称賛を口にする。
共鳴回路は蓄積した気を巡らせる事でシールドを張りつつ、同時に回復を行うという継戦能力に秀でたもので、この効果は交代したメンバーにも引き継がれるため、臨時の回復役としても編成を支えてくれる。