隣のお姉さんが好き
となりのおねえさんがすき
藤近小梅のラブコメ漫画。秋田書店・Web漫画連載サイト「マンガクロス」にて連載(2021/8/25~2023/10/4)。作者は先行作品の『好きめが』に倣ってか「ねが好き」という略称を使っているとのこと。
2023年12月発売の第4巻をもって完結。
pixivコミックでは約1年遅れで掲載中。
紹介
隣家に暮らす3歳年上の心愛を好きになった佑は、映画が好きな彼女にオススメを教えてもらうという建前で、毎週水曜日に二人で映画を観るという約束を取りつける。数々の名作映画も未熟な感受性で消化不良を起こしつつ、近くて遠い心愛への憧れを募らせる佑。
勢い余って告白しても本気にしてもらえず、本気を伝えても「一時の思い違い」と諭され、受け取ってすらもらえない恋心と向き合いながら、佑は次第に自分の不躾な態度と、相手を知ることの喜びに目を向けていく……。
登場人物
次原 佑(つぎはら たすく)
「 心愛さんも電柱にぶつかったりするんですね 」
次男で末っ子の中学2年生。バスケ部。初期案ではめがね男子だった模様。
特に関心を持っていなかったはずの心愛に最近になって好意を抱き、部活が休みになる毎週水曜日に、心愛の部屋での映画鑑賞会にお呼ばれするようになった。
常に真面目くさった顔をしており、自分はモテると思っている程度には自信家で、本質的に陽キャ。ユーモアに欠け他者の機微に疎く、無神経なことを口走ってから直前の言動を省みる場面も多い。映画鑑賞をダシにしているという不純さには自覚があるため、せめて心愛の期待を裏切らないよう鑑賞会には本人なりに真面目に取り組んでいる。
心愛の「ミステリアス」な一面に理想や憧れを抱いていた節もあり、当初は距離感も考慮せず無策な告白を繰り返すなど押しの一手だったが、一進一退を繰り広げる中で彼女のめんどくさくてネガティブな人柄に触れ、徐々に対等な人間として尊重するようになっていく。目下のところは告白のやり直しに向けて情緒と語彙を勉強中。
星野 心愛(ほしの しあ)
「 たーくんは私を過大評価しすぎてるな~ 」
アメリカ人の父を持つハーフの美人。金髪碧眼。
隣家の次原家とは幼い頃から家族ぐるみで付き合っており、弟分のような佑を「たーくん」呼びで可愛がっている気さくなお姉さん。自室で佑と二人きりになっても特に気にしない一方で、「自分をわかっていない」からこそ伝えられる好意をどこか冷めた態度で持て余しつつ、曲がりなりにも真摯に作品に向き合おうとする彼を映画の世界に引きずり込んで“映画友達”になれたらと思っている。
父の影響で洋画に親しみ、現在は脚本家を志しているらしく、紡に講評を求めたり、「山本星子」の筆名でコンクールに応募したりと、黙々と創作に打ち込んでいる自称・根暗なオタク。自作では「人間の繋がり」を主題にしながらも、以前の経験から人間関係においてある種の“期待”を裏切ってしまうことに臆病になっており、佑をあしらう言動の裏には自己評価の低さが見え隠れしている。
次原 紡( - つむぐ)
大学生の長男。家ではだらしないところもあるが、基本的にしっかり者で気遣いのできる人格者。読書家で映画も嗜むため、心愛とは作品の話題で談笑することもある一方、彼女の複雑な内面を察し、「難しい子」と評している。佑と心愛それぞれに保護者のような視線を向けており、二人が仲良くなってきたことを喜ばしく思っているぶん、ぎくしゃくした様子を見て心配することも。家族を大事にするあまり、告白してきた彼女にフられたことがある。
次原 雫( - しずく)
高校生の長女。佑以上に自尊心を煮詰めたような女で、弟を雑に可愛がっている。泰然としたダウナーでちょっとデリカシーが無い。心愛を「しぃちゃん」と呼んでおり、家で仲良くしているぶん学校ではあまり関わらないらしい。
望月 佳乃(もちづき かの)
佑の同級生の美少女オタクで、別種の陽キャ。やや自意識過剰な佑をずけずけとこき下ろすが、図太い者どうし相性は良いようで、次原兄姉とも顔見知り。佑の「本音を隠せないやつなので話しやすい」という点には好意的。アニメ趣味が高じて劇場作品にも詳しく、佑を通じて知り合った心愛と意気投合する。
土端 景(どばた けい)
少しシャイで小心な同級生。大抵は佳乃と一緒で、誰彼構わずイケイケの彼女とは凸凹コンビ。剥き出しのナイフのような親友の物言いにはヒヤヒヤしている様子。
梨奈&うらら
心愛の友人。温厚でマイペースな梨奈、アクティブで社交的なうららと、ぼっち気質で受け身がちの心愛とはそれぞれ好対照。