概要
元は日本発祥。1955年、東芝が自動式電気釜「ER-4」(=RC-6K)を販売、1960年、台湾企業の大同公司がこれをモデルとした台湾仕様を国内市場に投入。
台湾仕様では、
- 蒸し料理用パーツの追加(水を貯める底の電熱器板、しゃもじ、内鍋蓋、外鍋蓋の4つが標準装備。)
- 釜の内釜を2分割から3分割に増加(これは日本と台湾で家庭料理の差異を見込んで、台湾では白米と別のおかず用の釜を増やす用途)
- 省電力型(当時の台湾の家庭用電力は日本より小さい5-10アンペアだった)
- 温度設定の上限を摂氏230度に設定(日本は摂氏180度)
と変更。
当時は国内同業他社が30社程度あったが、大同は米国の中華民国資金援助と東芝の技術援助により金属加工技術を向上させ、他社を出し抜くことに成功。
その後、ガス式炊飯器・電子炊飯器・IC設計を使用したハイテク化・IH式が登場したが家庭用として「大同電鍋」のシェアは変わらなかった。
21世紀になると訪台した日本人が現地で購入していく事例も増え、大同公司は2015年から日本語のウェブサイト開設とともに自社販売を開始。現在では日本人の愛好家も増えている。
構造上シンプルで壊れにくいのが特徴だが、
- 上下2層のうち上層部の釜を4分割したモデル
- 圧力鍋タイプ
- 給水せずに食材に含まれる水分を調理に利用する無水鍋
も発売している。