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M-V

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みゅーふぁいぶ

ISAS(後にJAXA傘下に統合)が運用していた固体燃料ロケットの名称。現在では「はやぶさ」を打ち上げたロケットとしても知られる。

解説

M-3SIIロケットの後継として1990年より開発が始まり、1997年に1号機が打ち上げられた全段固体ロケットの名称であり、歴代の固体燃料ロケットであるミューシリーズロケットの6代目となる。2006年に運用が終了するまで、惑星探査機や、科学観測衛星の打ち上げに活躍した。

全備重量にして約139tと、世界最大級の固体燃料ロケットである点と、打ち上げる衛星ごとにセミオーダーメイドともいえるカスタマイズを行うことで全段固体ロケットとしては高い打ち上げ能力を誇った点が特徴である。

しかしその反面固体ロケットが本来持っている低コスト・高い即応性という利点を損なっていた点が考慮され、後継のイプシロンロケットではこの二点に注力して開発が行われている。

射場

歴代のミューシリーズ同様、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。「斜め打ち上げ」もミューシリーズを引き継いでいる。

打ち上げ実績

計画中止になった2号機と9号機を除き、全部で7回打ち上げられ6回成功している。

機体打ち上げ日時衛星名結果
1号機1997/02/12 13:50はるか (MUSES-B)成功
2号機-LUNAR-ALUNAR-A計画中止により打ち上げられず
3号機1998/07/04 03:12のぞみ (PLANET-B)成功
4号機2000/02/10 10:30ASTRO-E1段目のノズル破損により軌道投入に失敗。衛星は「ひりゅう」と名付けられる予定だった。
5号機2003/05/09 13:29はやぶさ (MUSES-C)成功
6号機2005/07/10 12:30すざく (ASTRO-EII)成功
8号機2006/02/22 06:28あかり (ASTRO-F)成功
7号機2006/09/23 06:36ひので (SOLAR-B)成功
9号機-(2010年予定)あかつき (PLANET-C)打ち上げ時期延期により中止。

後継機

2013年、後継機となるイプシロンロケットが打ち上げられた。詳細については該当記事を参照のこと。

実機展示

ISASの相模原キャンパスに打ち上げが中止となった2号機が実機展示されている(ただし、第一段は6号機に転用されたためこの箇所は同じく打ち上げられなかった9号機のものであり、フェアリングは実機では野外展示に向かないコルクを使っていたため展示用のレプリカ。)。

なお、第二段は退役後に燃焼試験に使われており、その痕跡がノズル部分に残っている。

余談

あかつきも当初はM-Vロケット9号機で打ち上げられる予定であったが、打ち上げが2007年から2010年に変更になったことにより、M-Vロケットの運用が中止されたためH-IIAロケットでの打ち上げに変更された。M-Vでの打ち上げの場合は打ち上げの約1年後に一度地球スイングバイを行ってから金星へ向かう軌道へ投入される計画であった。

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