概要
「死」に付きまとわれ、「死」を招いてしまう死神気質の美少年立花美樹と、双子の兄弟で探偵気質の立花真樹が巻き起こすサスペンスミステリー。サスペンス色が濃いものの、大まかに見ればヒューマン要素が多い。時事経済や風刺ネタも多く盛り込まれている。
また、作者自身もアクアリストの心得があり、作中で美樹が披露するアクアリウムや魚に関する知識やトリビアなどは、全て自前である。
あらすじ
有名代議士の息子で、魚マニアで引きこもりの立花美樹は人の「死」を招いてしまう気質故に「死神(タナトス)」の異名を持っている。
その双子の兄弟である立花真樹は、彼の世話をしつつ彼が招く「死」の糸口を探す探偵気質。
そんな双子の護衛を務める警視庁捜査一課の刑事高槻彰彦は、今日も今日とて事件に巻き込まれるのであった・・・・・・
登場人物紹介
立花美樹(たちばな よしき)
※イラスト向かって右
本作の主人公その1。17歳。短髪の黒髪にゴス服、丁寧語で話す。
女の子に間違えられるほどの美少年で、実際に男からソッチ目的で狙われた事が何度かある。
一度町を出歩こうものなら目の前で事故や自殺は当たり前、入った店が強盗に襲われるのも日常茶飯事、関わった人物がなんらかの形で「死亡」も数知れずという歩く死亡フラグ人間。
その為小学生の頃から重度の引きこもりで精神疾患を患い、精神病院の常連にして半分薬中状態。
また、それに反比例する魚マニアでもあり、閉館時間間際まで水族館に入り浸り、家中に水槽を置いて高級魚 (主に亜熱帯系や深海魚系) を飼っている。
立花真樹(たちばな まさき)
※イラスト向かって左
本作の主人公その2。美樹の双子の弟。私立高校生にして探偵。兄の事は「ミキちゃん」と呼ぶ。
美樹とは正反対に少し長めの髪を茶髪に染め、流行の服を着こなし、ぶっきらぼうな言動が目立つ今どきの高校生。
長年美樹の「死」を引き寄せてしまう気質に関わってきた為か、死に関してはかなりあっけらかんとしている社会派。双子なので見た目を入れ換えれば見分けがつかず、二人の違いは真樹のほうが少し背が高く、煙草アレルギーであること。美樹が招いた「死」の事件に隠された糸口を探す探偵気質。
美樹の事は嫌々言いつつも世話を焼いているので、家族としては大事にしている模様。
警察サイド
高槻彰彦(たかつき あきひこ)
※イラスト向かって右
警視庁捜査一課の刑事にして立花兄弟の護衛 (という名の死体を数えるための八人目の”人柱„) 。だが、前任者たちのなかでもわりと長くもっている方らしい。長身であるがやや童顔。体つきはパッと見そうとわからないが鍛えられている。
真樹同様美樹の「体質」の余波を食らいまくっており、何が起こっても常に最悪の斜め上を想定しているという。その為美樹の近くでは防弾チョッキに拳銃、射撃対策に鞄に鉄版を仕込み、無人島ではサバイバル装備、有毒ガス用のゴーグルと小型の酸素ボンベ、最近ではホームセンターで買った手斧も用意している。また、その数々の経験から美樹に近づく相手には警戒心が高くなっている。
湊俊介(みなと しゅんすけ)
※イラスト向かって左
高槻の上司で東大法学部出の警察官僚。階級は警視正であり参事官。細身の身体に眼鏡をかけ整った容姿で、若作りしているが高槻より十歳以上年上である。海外文学やミステリなどに詳しく、よく英語やドイツ語でそれらを呟く事がある。趣味は読書で、純文学からロマン、はたまたラノベまで読み漁る。
また、警視庁一の美形と言われ、記者会見によく出る。死神(タナトス)の管理職としては"二人目"。
よく関わることになる真樹や高槻には嫌われているが、軽い毒舌やなんだかんだ言いつつ放って置けない性格は真樹とは似ているところがある。
初心者でも分かるTHANATOSシリーズ
関連イラスト
既刊
『パラダイス・クローズド』(第37回メフィスト賞受賞)
『まごころを、君に』
『フォークの先、希望の後』
『リッターあたりの致死量は』
『赤の女王の名の元に』
『空を飛ぶための三つの動機』
『立花美樹の反逆』
『溺れる犬は棒で叩け』