概要
「孫龍」とは 「信長の忍び」に登場する雑賀衆の棟梁雑賀孫市×斎藤龍興のカップリング。2人は作中で何度も親密な様子を見せている。
孫市の初登場は野田・福島戦篇。三好三人衆と手を組んだ龍興が、傭兵として孫市を招いたことに始まる。
「おい!三人衆はこんななのか?」
「オレも最近気付いたんだよ」
とぼけた言動を繰り返す三人衆に両人苦労しながらも、織田軍を相手に共闘する。
孫市は、計算外のこと続きで不安になる龍興を「怖がることねーよ」と励まし、また龍興の方も戦況に余裕が出てくると、雑賀衆に一向宗信者が多い理由を問いかけてみるなど親しげに会話している。
「龍興!!雑賀衆の力が必要になったらいつでも呼べよ」 「銭さえ積めば俺はどこにでも駆けつけるぜ!!」
終戦後、三好を離れることに決め、旅立とうとする龍興を孫市はわざわざ見送りに来て上記の言葉を掛けた。龍興はそれに対しフッと嬉しそうに笑い返している。
この親密な関係は戦中に築かれたものと思われたが、DVDの特典漫画にて2人の出会いが描かれ、以前からの知り合いであったことが判明した。しかし、その時点での孫市は、龍興に興味を持っておらず冷たい態度を取っており、彼と交友関係を築いたのは「斎藤道三の孫」というブランドに釣られただけというドライなものだった。
龍興が朝倉家に身を置いて以降、孫市は密書で武田信玄の死を知らせるなどして彼の身を案じていた。しかし、朝倉義景の家臣として死ぬことを選んだ龍興は、利根坂の戦いにて討死してしまう。その際に浮かんだ走馬灯には、今までに出会った友人達が現れ、その中には孫市の姿もあった。
「龍興・・・死に急ぎやがって・・・」 「馬鹿が。呼べばどこでも駆けつけるって言ったじゃねえかよ・・・」
部下の岡吉正から龍興の訃報を聞いた孫市は、内に悲しみを湛えた表情で上記の台詞を口にした。
この時点で2人が単なるビジネスライクの関係性では無かったことが分かる。
その後、唯一の朝倉家の生き残りである三位殿が本能寺へ逃げ延びてくる。自身を利用しようと下心を持って近づいてきた彼女の口から出た龍興の名に孫市は微かに反応し、直後彼女に対して暴言を吐いた。
「奴は・・・友達(ダチ)だったんだ」
その後、三位殿に無礼を詫びた孫市は、越前にいた頃の龍興の話を聞かせてほしいと頼み、彼を友と思っていたことを明かした。
また、作者の重野氏は、Twitter上で「この2人はもっと掘り下げたい」と発言しており、孫市と龍興のコンビを気に入っているらしいことが窺える。