雑賀孫市

さいかまごいち

戦国時代〜安土桃山時代の紀伊の武将。鈴木孫一こと鈴木重秀の別名として膾炙している。

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目次 [非表示]

1 概要

2 雑賀孫市なる人物

3 フィクションにおける雑賀孫市

3.1 小説・映画・アニメ

3.2 NHK大河ドラマ

3.3 ゲーム

3.4 女性の孫市

4 関連タグ

雑賀孫市とは、戦国時代から江戸時代初期に活躍した武将。

一般には『雑賀孫一』や『鈴木孫一』と表記する場合もある。

概要

紀伊国（和歌山県）の地侍集団「雑賀衆」の棟梁。鉄砲戦術を得意とし、傭兵集団を率いて各地を転戦した。

浄土真宗本願寺勢力（一向一揆）と織田信長とが戦った「石山合戦」では、石山本願寺の求めに応じ、精巧な鉄砲戦術で、大いに織田側を苦しめた。

本能寺の変後は豊臣秀吉について紀州攻めに従い、小牧・長久手の戦いでは徳川家康の側に付いた。

関ヶ原の戦いでは西軍として戦ったと言われ、合戦後は浪人を経て徳川頼房に仕えたといわれている。

雑賀孫市なる人物

雑賀孫一という人物は、非常に不明な点が多い人物として知られている。

そもそも「雑賀孫市」自体が通称であり、本当の名は鈴木孫一(すずき　まごいち)とされている。

また、モデルとなったといわれている人物は複数存在している。

最も有名なのが鈴木重秀・鈴木重朝の2代である。重秀は顕如・信長・秀吉に仕え石山合戦での活躍が有名な孫市、重朝は秀吉死後は豊臣秀頼・伊達政宗・徳川頼房に仕え伏見城攻防戦では鳥居元忠を討ったことでも知られる孫市である。この2人は明らかに別人なのだが、江戸時代頃には既に判別がつかなくなっていたようである。

また重秀の父として軍記物に登場する鈴木重意、墓碑にのみ名前が残る平井義兼という人物もいる。重意と義兼を重秀と同一人物と考える見方もあるが、石山合戦後の彼らの事蹟を考えると別人と考える方が妥当である。ちなみに義兼(兄)は平井孫市郎を称し重秀(弟)は孫一と署名した書状がある。

さらには近年は義兼や中嶋孫太郎(彼も重意の子とされる)がモデルとされる鈴木重兼なる人物が考え出されるなど、いかにも謎の多い人物らしい。「雑賀衆」自体、当時の資料が非常に少ないため、はっきりした所は未だに良く分かっていない。

ただ、孫市なる人物が活躍した年月はかなりの開きがあることや水戸藩士となった鈴木家当主は代々「孫一(孫市)」を襲名したという資料もある為、複数人いる見方が有力となってきた。水戸鈴木家当主は重朝の子の重次の代より公的に「雑賀孫市」を名乗ったが、これは雑賀衆が秀吉により壊滅した40年も後の話であり江戸幕府三代将軍徳川家光の時代である。

フィクションにおける雑賀孫市

小説・映画・アニメ

尻啖え孫市

司馬遼太郎の執筆した小説の主人公として登場。ただし諱は史実で孫市を称した人物につけられた事のない「重幸」。作者の司馬遼太郎曰く「当時の雑賀者の性格を一人に集約して創造した人物」。

性格は天衣無縫で傾いた言動を好み、如何なる権威や権力にも屈せず束縛されることを何よりも嫌う快男児。

映画では萬屋錦之介が孫市、萬屋の実弟の中村嘉葎雄が秀吉、勝新太郎が信長を演じた。

信長の忍び

CV:津田健次郎

金髪に釣り目の男性。常にアーミールックで『家庭教師ヒットマンREBORN!』のコロネロに似ている。

金勘定にうるさく、小銭ですら追いかけ水の中に飛び込むほどケチ。落とした金の音だけで金額が分かる。銃の腕、用兵術共に一級であるが、雇用主であっても仕事に口を出す相手には毅然と反駁する。

一向宗門徒で石山本願寺の顕如に協力するが、賽銭泥棒をやらかしている。

NHK 大河ドラマ

国盗り物語(1973年)

演：林隆三

秀吉からお市を自分の妻にするという条件で「金ヶ崎の退き口」では秀吉に協力するも、約束を反故にされたため信長包囲網に加わり織田家に立ちはだかった。

どうする家康(2023年)

鳥居元忠と千代を撃った人物が雑賀鉢の兜を被っていたことや史実から鈴木重朝ではと推測された。

ゲーム

信長の野望シリーズ

群雄伝で初登場。政治力を除けば能力は非常に高い。

鬼武者シリーズ

CV：咲野俊介

『鬼武者2』から登場する味方キャラクターの一人。

幻魔王・信長の雑賀襲撃計画を知り、戦の貯えとする金を求めて今庄の金山町を訪れていた所で主人公・柳生十兵衛と出会う。

性格は合理主義であり冷静。ぶっきらぼうに見えるが情に厚い男気溢れる面もあり、十兵衛から受けた恩を命がけで返そうとするシーンもある。

同じくプレイヤーキャラである安国寺恵瓊とは価値観と性格の違いから事あるごとに対立する。

他の仲間同様、品物交換などで親交を深めることで一時的にPCとして使用することが可能になる。

読書家で書物などが喜ばれやすい他、知識欲が旺盛なため、日本の古典だけでなく西洋の技術・文化にまで興味を示しており、黒ビールまで嗜んでいる。

例によって使用武器は銃火器。接近戦では匕首を使用することも。

遠距離からの戦い方に長けており、他のキャラとはプレイ性能で一線を隔す。

鬼武者2のヒロインである小谷のお邑を除き、同じく十兵衛の仲間の恵瓊や風魔小太郎がルートによっては死亡するのに対し、孫市には死亡ルートが無く、孫市と信頼度が高いルートではラスボスである信長の前哨戦の相手であるギンガムファッツ極と戦う十兵衛の前に現れ、織田軍との戦いに備え開発した新兵器『国崩し』で一撃で葬るなど仲間の中でもかなり優遇されている(ただし、この場合経験値となる魂を戦闘後に貰えない)。

後の『新鬼武者』に登場するお初は彼から直々に銃使いとしてのノウハウをつけられている。