さあ――ごっこ遊びをしましょう
プロフィール
概要
TYPE-MOON発売のビジュアルノベルゲーム『魔法使いの夜』の登場人物のひとり。
蒼崎青子の友人にして共犯者、魔術における先生にして相棒。蒼崎橙子とは旧知の仲、青子とは一年の同居生活。基本的に人間嫌いで、青子とは立場上仕方なく関わりを持ったに過ぎないが、いつの間にか唯一の友人になっていた。静希草十郎のことも当初は快く思っていなかったが、物語の後半ではだいぶ打ち解けている。
時計塔における植物科の創立者である魔法使い「ユミナ」の直系に当たる魔女。
当人そのものは魔術協会に未所属。
人物
細い手足と陽の光を知らぬ白い肌、憂いがちな趣きの、美しい人形のような少女。
人間的な表情が乏しく、魔術師としての生き方を絶対としている。日常生活はあくまで『正体を隠して魔術を行う』のが魔女としてのあり方だから続けているに過ぎない。古より伝わりし魔女としての教えと誇りが彼女にとっての絶対不可侵のルールであるため、人間らしさを臭わせる道徳や感情は不要としている。
平均的な高校に通っていた青子とは違い、お嬢様学校に通っている。なお三人目の同居人は青子と同じ学校に通っており、それについては本人もよくわからない感情があるらしい。
自制心は強いが無感情でもない。何かを言おうとしてそれが意味のない話だと気付くと、すぐに口を閉ざしてしまい、恥ずかしそうに俯く。青子によると、その姿を見れば彼女の父も、その名前がふさわしいと思えるだろうとの事。
一見してクールなように見えて、実態は青子以上の激情家。その最たるものは使い魔への扱いであり、悪意のないミスで壊してしまった場合は一週間程度の無言の抗議で済むが、悪意をもって破壊したのならば、どんな言い訳があろうと報復する。
生まれる前から魔女であることを義務付けられていたため、十六歳にして魔術師として完成している。童話をモチーフにした呪術、薬学を得意とするワンダーランド系の魔女。
魔女の家系に当たる母と久遠寺の名を持つ父の間に、イギリスにて産まれる。後に一家はとある事情から日本へ渡り幼少期の彼女は幸せな家庭にいたが、間もなく母が他界、父とは没交渉気味。その後、自分の所有物に執着するようになり、久遠寺の別荘から外に出たがらない。
人間的にも性能的にも達観者なので一番強いが、在り方としては一番弱い。孤独で束縛され、頑なに誇りを守る、時代に取り残された少女。青子は年を取るがアリスは年を取れない。割と病んデレで自傷系。お城に自ら閉じ込められたお姫様。永遠の令嬢。最後の鳥。
魔法使いの夜から十年後は、青子との別れ際の遣り取りで思うところがあり、頻度は低いが旅行をするようになっている。他にも、草十郎とも年に一度は久遠寺邸で会う約束もしているらしい。
また、2014年頃になってもなお最新のIT機器を嫌っているらしく、ハワイでバカンス中の青子が連絡が取れないと漏らしている。
時計塔といった魔術組織には所属していないが、そこで使われる魔術には興味津々らしい。
能力
童話の怪物(プロイキッシャー)と呼ばれる、童話をモチーフにした使い魔を使役する人形師。
青子の様に魔弾を飛ばしたりするような直接戦闘のスキルは無く、彼女の戦闘は専らプロイキッシャー達を用いて行われる。その魔術系統は母から受け継いだ他に例のないものであり、「魔法以上に魔法に近い」とまで称される。
奈須きのこ曰く
- 「型月伝奇では反則的な魔術系統」
- 「魔法と魔術の関係とかほとんどブチ壊し」
- 「本気でワールドメイキング可能な領域にいる」
とのこと。
プロイを受け継いだ魔女は自分の代で、先代から遺されたそれを自分用にチューンナップするとされている。有珠が使役するプロイは2系統あり、マザーグース系のもの、先代である母がハマった結果生まれたルイス・キャロル系のものがある。
それらの中でも別格とされるのが「初代」マインスターの魔女から受け継がれ、全員が同じ歴史(かち)を持つとされる3つの奇跡、グレートスリー(三大プロイ)である。
人間が使役する神秘としては規格外に強大であり、例えばその1つにあたる橋の巨人(テムズトロル)は特別な能力を持たない代わりにその巨体、強度、出力はトップランクであり、千年以上も昔に詠唱され今も機能し続ける魔術である。神秘はより強い神秘に敗北する以上、現代の魔術師では太刀打ちできないとされる。
この千年クラスの神秘とは、他のTYPE-MOON作品でも“奇跡の具現”である第七聖典やライダーのペガサス、神造兵装の最果てにて輝ける槍くらいしか該当するものが明言されていない希少な神秘である。
そして三大プロイがすべて同じ価値を持つという事は、同時にマインスターの魔女は最上級の宝具レベルの使い魔を単身で3体も従えている事を意味するのである。
(第十一章『狼の話 A Wolf’s Tale』では橋の巨人の解説の際、“神秘=歴史”として扱われている)
一方でプロイキッシャーには元となった伝承や童話に即した使用・発動条件があり、さらに文明圏では著しく威力を削がれてしまう。蒼崎青子との戦いでも舞台となった遊園地には川がないため直接制圧に向いたテムズトロルを呼び出せず、代わりにフラットスナークを解き放っている。
なお、このプロイたちは魔術世界的にも稀有な技術であるが、子孫に継承可能なため「封印指定」にはならない。
魔術協会に公開して権利と利益を得るといった有珠曰く「低俗な事」はしていない上、マインスターの血に縛られているため仮に公開したとしても有珠にしか扱えない。
加えて継承の他、新たに創り出す事もできるが、考えなしに増やすと領域が十全に管理・制御できる呪力の容量を超えかねない為、実用性に乏しい試作品は定期的に解体処理している。
なお、容量を超していない時点でも多数のプロイを保管している久遠寺邸はそれ自体が一つの巨大な神秘と化しており、分かりやすい外見的な変化こそないものの屋敷はおろか久遠寺邸が建てられた山である白犬塚すら、魔力の流れや多寡を測ることさえ不可能な魔境となっている。
プロイキッシャーはどれも『伝承防御』と呼ばれる特殊な防御を持ち、近代兵器にとって相性は最悪。蒼崎青子曰く「秩序の共有、意思の疎通ができていないから」、「童話の怪物にとって、彼らの世界に存在しないもの、意味が分からないモノは、触れるコトなく霧散する」のであり、通じるのは同じ神秘を帯びた魔力だけ、元となった童話に基づく弱点を突かないと倒せない。
『Fate/Grand Order』第2部においてこれは現実、人理に寄り添わない絶界。妖精たちが持つとされる空想を具現化した心象世界であるということが明らかにされた。
彼女の左目自体もプロイキッシャーを兼ねた「魅了」の魔眼となっており、力を発揮すると瞳孔が鮮紅に光る。
更に全身には膨大な量の魔術刻印が刻まれており、その範囲は全身はおろか骨格、内臓にいたるまで。刻印がオートで治癒魔術を行使するため、仮に内臓がえぐられる様な大怪我を負っても再生することができる。
敵意や恐怖心、偶然や自然を動力とした殺害行為にはどんな状態でも蘇生してしまう不死性を有するが、唯一愛情による殺傷には発揮されない模様。
三咲市の森に拠点を張っていた口裂け男達のもとに踏み込んだ時には、第五仮説要素の異常と周囲の時空連続体に齟齬が観測されている。
この時空連続体についての詳細は不明だが、蒼銀のフラグメンツで沙条愛歌は現在に至るまでの人理定礎を「SF映画のように言うなら、時空の連続体」と表現し、事件簿に登場した黄金姫の根源へと連なる域にある◼️は『あらゆる時空連続体が、その整然たる緊密さを奪われたかに見えた』とされるほどの効果を周囲にもたらし、FGOではゼウスの神核に同期した「時空連続体結晶」なるものが登場している。
これらと同種だと仮定した場合、一瞬で彼女の魔力に覆われた森限定とはいえ人理定礎が歪められていた可能性がある。
後に明かされた内容によれば、大本が初代マインスターのユミナであるため、実質有珠を含めたユミナの子孫たちもまたほとんど魔法使いと同じとされる。
魔術世界のルールすら捻じ曲げる反則じみた魔術は、その空想を第五真説要素(真エーテル)によって現実から保護し、実現する。上記の考察通り、有珠がプロイキッシャーを発動中は、もはやその場が神代の空間と化している。
一方、上記の様に直接的な戦闘能力を持たない魔術師のためか、肉体的・筋力的なスペックは無いに等しい運動音痴。
自転車にも乗れず、水泳、鉄棒などもてんで苦手。学校の体育では座ってるだけだとか。
『童話の怪物』一覧
プロイキッシャーには元ネタの童話にちなんだ名がつけられているが、命名したのは(一部の例外を除き)メイ・リデル・アーシェロット。
これは有珠がもともとプロイに名前を付けずに強さや思い入れ順の番号で呼んでおり、しかもその番号は日によって変わるため、かつておめかしの為に六番のプロイを借りようとしたリデルに対してその日の気分で六番だったプロイ(後のゴブリンフロン)を貸し出してしまうという大事故が発生したのが原因である。
リデルによってプロイが命名された直後は「そんな変換間違えのような名前より、その日の気分で分けた方が楽でいい」と有珠は思っていたが、命名以降はプロイを間違えることがなくなったという。
- 夜の饗宴(ディドル・ディドル)
材料 | 猫目石と硝子 |
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本体 | 鈴 |
原価 | 草十郎の給料2ヶ月分 |
効果 | 童話詠唱が成立される余地をつくる。既にある場合、効果を2倍にする |
撃退法 | 夜は防げないが、文明の光に弱い。駅前では使用不可 |
青猫の鈴であり、夜を助長させるプロイキッシャー。一度使うと壊れるが、量産可能。これを地面に沈ませることで、有珠の魔術──童話詠唱が確かな意味を持つようになる。
なお、詠唱にHigh diddle diddleとあるが、誤表記ではなくこれで正しいらしい。
有珠曰く、番号呼びの場合は「一番はディドルが鉄板」とのこと。
- フラットスナーク
名称 | 月の油 |
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材料 | 神代にいたとされる、遊牧神のお腹の贅肉(脂肪分)を絞ったもの、という触れ込み |
本体 | 油 |
顕現時 | 夜を皮膜にして浮かぶ油。霧と雲で姿を隠している |
弱点 | 火に弱い |
魔術世界において至宝と称され、1つの王国より稀少と値付けられた至高の幻想(クラウン・ファンタズム)。第一(はじまり)より別たれた、この世でもっとも大きな虚構。
三大プロイの一角であり、棄てられたモノ、忘れられたモノを童話的に蘇らせる。召喚されるのがオフィス街であればビルの窓ガラスに恐竜の影絵を映す程度の力しか持たないが、作中では廃遊園地に召喚されたため、非常に相性が良かった。遊園地のアトラクション、マスコット、果てはバーガーショップなどの建物すらを残らずクリーチャー化し、あらゆる道理を捻じ曲げ、遊園地そのものの規模すら拡大した。
スナーク本体も『氷の城』という巨大な氷塊を生み出し、遊園地ごと圧し潰せるだけの力を持つ。
ただし原作の絵本における主題が『触れられぬもの』である関係上、防御力は低いもしくは皆無であるため、この怪物との戦いは正面からのタイマンではなく千を超えるクリーチャーから逃げ回りながら何処にいるのかわからない、正体が何なのかさえ不明のスナークを探すことがメインとなる。
プロイの中でも特に正体不明であり、様々な俗称を持つ。かつてマインスターの魔女に敗れた魔術師達曰く、「不可解の島」「五次元平面」。
最悪低俗な道化の王様だけにプライドも高く、時には有珠の命令に従わないこともある。
材料が材料なだけに、現代での生成は不可能。
そしてこの素材が神體かそれに近いものであり、消滅する際の『御伽の国の装飾(テクスチャ)が溶けていく』という一文から権能を行使する怪物であった事が示唆されている。
- 橋の巨人(テムズトロル)
材料 | ver.によって異なる |
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本体 | 淑女のフィギュア |
顕現時サイズ、制圧力 | 召喚地域によって異なる |
弱点 | 河のない場所では呼び出せない/いかに巨大なゴーレムになろうと、本体を壊せば停止する |
三大プロイの一角。千年クラスの神秘と巨体を持ち、その起源はイギリスがローマの支配下にあった1世紀にまで遡る。
フラットスナークのような大異能こそないものの、その巨体、強度、出力のどれをとってもトップランクの性能を誇り、現代の魔術師の大部分は橋の巨人の前に敗れ去るだろうとされる。
その強大さは、蒼崎橙子をして正面からの攻略を断念せざるを得なかったほどである。
実は有珠はまだテムズをうまく扱えておらず、顕現させられるのは1段階目の『木橋の巨人』と2段階目の『石橋の巨人』のみ。3段階目と4段階目は有珠にとっても未知の領域。
これは有珠が人間の文明社会に興味がなく、心象世界にある橋が『木と石まで』だからである。もしテムズを最後まで建設できる魔女が現代にいる場合、そのテムズは『産業革命時の煤煙都市ロンドン。その異名を上回る、都市の巨人』として顕現し、奥の手を出し切った蒼崎青子でも倒しきれない、突破不可能の橋になる。
番号呼びの場合、その日の気分次第で大抵は三番か四番になる。
- 薔薇の猟犬(ワンダースナッチ)
三大プロイの一角。濃霧の怪物、マインスターの薔薇の猟犬。有珠が本気になった時のみ展開する最高・最大の『童話の怪物』であり、周囲に街や山一つを包み込む霧を展開し、霧に触れた者を無差別に行方不明にする誰も破った者がいない殺人結界。
魔法使いの夜ではこの怪物によって、地下鉄の駅で襲撃してきた30体以上の自動人形(オートマタ)の群れが一瞬で捕食された。
また本編より前の時期でも使用されたことが作中で言及されており、かつての有珠と青子の殺し合いにおいて青子に10回中100回殺される予感を抱かせた他、三咲市に侵入した外部の魔術師が使用する「シャーウッドの森」「皐月の王様(メイキング)」というどこぞの緑茶の宝具を思わせる名称の、妖精絡みの特殊な隠行法を粉砕したということが語られている。
なお、この怪物は魔法使いの夜本編よりもFGOとのコラボイベントの方がより詳細に描かれており、上記の「霧に触れたものを〜」の件も同イベント内で判明したものである。
まほよ本編でも実際に使用された描写はあるものの、その出番が一瞬だったためか他のプロイよりも印象がやや薄いため、実際に使用される様子が描かれたのはFGOが初と勘違いした人も多い。
- おしゃべり双子
材料 | カスタネットとホッチキス |
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本体 | ダイス |
うるさい方がトゥィードルダム(CV:永塚拓馬)、さわがしい方がトゥィードルディー(CV:春野杏)。
ダイスを振って出た目でカタチが変わるプロイ。「肝心要の6の目だけは出さないように」といってくるが、ズルをしないと6の目しか出ないようになっている。6の目が出たときには子豚の姿をとる。
森に拠点を張っていた敵魔術師の腕を丸呑みし、動きを拘束した。呑まれるのは腕だけにもかかわらずそれだけで全身が動かなくなる。
幻惑、魅了、強制、氷結、屍蠟、魔眼の最奥である石化、薬物から魔術といった多くの戒めを経験した口裂け男にとっても未知の経験であり、どのルールにも当てはまらない、まるでこの世のすべてと乖離していると感じさせた。
人間社会に毒されているため、普通の魔術が効きやすいのが欠点。
- 午睡の鏡、セカンドチケット
材料 | 古い鏡、魔女の滴 |
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本体 | 有珠の部屋の鏡/ロビーの鏡 |
顕現時 | 霧 |
効果 | 結界の作成/物理法則の緩和、曲解 |
撃退法 | 鏡を割る。 |
チェスの駒がモチーフの「名無しの森」と合わせて使う。もともとは内部に異世界を持つだけの世界卵(エンブリヲ)で、長いこと壊れていたが、蒼崎橙子と有珠の母が協力して作り直した。
役割は基本的に三咲市全体の索敵と洋館内の警備。たまに暴走して洋館内にゲートをつくり、通る人を鏡の中に招いてしまうのが難点。
三大プロイにはなれなかったものの、機能的には負けていない。
- 名無しの森
材料 | トネリコの芽 |
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本体 | チェスのコマ |
効果 | 人よけのまじない |
弱点 | 自然物・天然素材に効果はない |
「午睡の鏡」とあわせて使う。置いた位置に相当する場所の効果範囲に、『この先に用はない』という暗示がかかって人避けになる。異常を異常と気付かせない、一流の結界。
だが、静希草十郎には効果がなかった。ロビン曰く、「空気読まないヤツには通用しないってコトッスね」。
- スクラッチ・ダンプティ
材料 | オークの木と真鍮細工 |
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本体 | 手製のイースターエッグ |
顕現時 | 10倍~30倍に巨大化 |
効果 | 観察対象に向かって、所有者を称える唄を歌い続ける。唄が終わると扉が開き、観察対象を卵の中に閉じ込める |
効果Ⅱ | 唄を歌っている途中、観察対象が卵から目を離すと落下し、呪いのカケラを振りまく |
撃退法 | 唄が終わり、扉の中から手が出てきた時に目をそらす |
マザーグースの唄にある「ハンプティ・ダンプティ」をモデルにしたもの。破壊不可能であるかわりに目を離さなければ何もしてこないプロイキッシャーではあるが、乱戦時にこれほど嫌なプロイもまたない。
作中では爆弾のような炸裂とともに、被弾した者の五感を急速に奪う呪いをばら撒いた。
- シックス・スィング・チョコレイト
材料 | カカオマス、ココアバター、粉骨 |
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本体 | 収納箱 |
効果 | 24羽の使い魔を収納する。戦闘能力は皆無。三咲町を監視する鳥たちのネットワーク。不貞を働こうとするものを見つけ出す。また、魔力で錬成されたチョコレイトなので、負傷者の傷に溶けこんで応急処置をする、という汎用性もある |
撃退法 | 普通の使い魔レベルのプロイキッシャー。実は鉄砲でも倒せる。1日に10羽は電柱にぶつかって墜落死している。箱を閉じると、行動中の椋鳥はすべてチョコレイトに戻る |
有珠が偵察用に使用している使い魔・・・なのだが、時々青子がおいしく失敬している。
夜目が利かないので、夜間は活動休止している。
- ロスト・ロビン・ロンド(CV:福圓美里)
コマドリのプロイキッシャー。マザーグースの唄にある「クックロビン(誰がこまどり殺したの?)」をモデルにしたもの。事前に手元から放しておくことで、殺されそうになったときに一度に1回ずつ身代わりになる空蝉の能力を持つ。
- スクリプス・ハンプティ
材料 | 魔女の歴史 |
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本体 | なし |
効果 | 重複詠唱。魔眼のアクロスティック化 |
撃退法 | 多大な魔力を必要とするため、ディドル・ディドルが働いていないとアクロスティックはできない |
久遠寺有珠の左目にある魅了の魔眼。義眼なのではなく、左目がプロイキッシャー扱いというもの。魅了は暗示の一種であり、囚われた相手は指一本動かせないが、内臓は問題なく動くため「運動」ではなく「行動」を禁じる魔眼である。
アクロスティックとは「1つの言葉にたくさんの意味を持たせること」であり、ルイス・キャロルの提示した「鞄語」に同じ。異なる2つの意味を新しい「言葉」として生み出すルール変更。
蒼崎橙子は事前に「夜の饗宴(ディドル・ディドル)」を封じる手段を講じていたため事なきを得たが、仮にアクロスティック化もされていたらその時点で詰みだったらしい。
- スノウホワイト
材料 | 最初の過ち |
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効果 | 数分だけ粉雪が降る |
有珠が初めて作ったプロイキッシャー。失敗作であり、魔術戦には使えない。使い道はないが、記念としてとってある。ブローチの形をした砂糖細工。
- 願掛け卵(スイーツハーツ)
卵形のプディング。王冠をさかさまにして、ゆで卵をのせたような形をしている。呪いと確率変動、二心同体、願掛けによる魔力強化のプロイキッシャー。番号呼びの場合、十五番にあたる。
食べられる等の条件が満たされると発動。食した物を使用者として閉じ込めなり替わり、一定範囲を封鎖空間に変えて「ゲーム」を執り行う。
クリア条件は「使用者=偽物を暴くこと」と「ゲーム終了時間まで誰かが生き残ること」。擬態中は魔力も自己認識も模倣するため、話術や感知で突き止める事はできず、不正解または証拠不十分でも失格となるため、あてずっぽうで試す方法も不可能。
大抵は全滅するデスゲームだが、クリアすれば何人死のうとも無かった事になり、ゲーム中の記憶も消失。使用者は食べたときに願っていたことが報酬として叶い、生き残った参加者も魔力を向上させる、戦闘前の命がけな運試し。
思春期限定、女の子限定。使用条件は、片思――
- ゴブリンフロン
香水。かけると一日、悪口とスラングしか言えなくなる。
- 収納の小瓶
正式名称不明。名前を呼ばれて返事をした人間を、小さなガラス瓶の中に閉じ込める。内部は絵本の中に入ったかのようで、「空気が文字になったよう」に感じられる。中から外の声は聞こえるが、中の声は術者にしか聞こえない。
きちんとしたものとは別に、片手間に作った劣化品もある。抵抗する意思が残っていると割れるシロモノで、眠っているか、衰弱しているかしないと効果がない。また、相手に薬や魔術を使って意思を奪っている場合も、その余分な「重み」で割れてしまう。
- オンリーワン/ナンバーワン・シャイニースター
本編後に制作した新型試作品プロイの一つ。買い物帰りに偶々見かけた古いキャンディマシンを元に作った『ただ一つの』『一番の』願いを叶える玩具箱。
だが「世界でただ一人だけが抱く、全人類中最も価値のある願い」というそのコンセプトは破綻していた失敗作で、これだけでは何の効果も発揮しない。
ゆえに他の試作プロイ共々解体される所、ある土地神が盗んで融合した事で、最終的に「魔法使いたる青子を完封勝利一歩手前まで追い詰める」ほどの強大な力を持った厄災に変貌した。
ネタバレのため詳細はコチラ
外部作品
Fate/GrandOrder
コラボイベント『魔法使いの夜アフターナイト 隈乃温泉殺人事件 ~駒鳥は見た!魔法使いは二度死ぬ~』にて新規サーヴァントとして実装。時系列としては、本編より後の状態となる。
詳細は久遠寺有珠(キャスター)を参照。
関連イラスト
関連タグ
沙条綾香:型月の声優繋がり。魔術師の少女であることが共通。