概要
1904年に出版された、イギリスの小説。兵法書も兼ねている。作者はイギリス陸軍大尉のアーネスト・ダンロップ・スウィントン。
舞台となるボーア戦争は実際の出来事だが、作中で生じる戦闘は架空のものとなっている。
現代でいうループものを取り上げた作品として有名である。
主人公である少尉が部隊を指揮しボーア軍との戦闘に臨むのだが、何かしらの失敗によって部隊は壊滅し敗北してしまう。するとそこでループし、教訓を得た上で再び任務に臨む…という繰り返しになっている。
このトライアンドエラーが兵法書の体をとっており、また主人公はループによって少しずつ知識をつけてゆく点から後知恵深慮少尉と呼ばれている。
「愚者の渡し」とは作中に登場する浅瀬の名前。
ボーア軍が向かっているため、援軍が来るまでこの浅瀬を防衛するのが少尉の部隊の任務である。
最初の方は、防御措置を明日に先送りしたせいで全滅、夜に灯をともしていたり大きな音を立てていたために全滅など「そのくらい誰でもわかるだろ」といった初歩的なミスを繰り返していたが、ループを繰り返すにつれて次第に生半可な想定では切り抜けられないような状況が現れるようになり、少尉も成長してゆく。
日本語に翻訳されている他、舞台を日本軍に置き換えたゲーム版なども存在する。