漫画『サイボーグ009』の登場人物「グレート・ブリテン」を指すこともある。
"諜報活動に優れたイギリス人"という設定は今作のオマージュ。
概要
1962年に一作目が公開されて以来現在まで制作は続いている。
「殺しのライセンス」を持つ英国秘密諜報部員のジェームズ・ボンドがさまざまな活躍をする。
登場する各ヒロインを「ボンドガール」、ボンドが使用する改造車を「ボンドカー」、そして殆どの作品の冒頭に入る、銃口をデザインしたシーンを「ガンバレル・シークエンス」と呼ぶ。
「007 リビング・デイライツ」より。
製作は、『007』映画化のために設立されたイーオン・プロダクションズが一貫して担当。
配給は1作目からユナイテッド・アーティスツであったが、1981年にMGMに買収されてからはMGM/UAになった。
さらに2005年にソニーがMGMを買収したことにより、SPE(ソニー・ピクチャー・エンターテイメント)が配給を行い、MGMは製作に回っている。
シリーズ一覧
007 ドクター・ノオ(Dr.No)
1962年公開。記念すべき第1作目。公開時の邦題は『007は殺しの番号』。
現在では「007のテーマ」として知られるあのメインテーマが主題歌。
主演:ショーン・コネリー/主題歌:モンティ・ノーマン・オーケストラ
主な舞台:ジャマイカ・架空の孤島
007 ロシアより愛をこめて(From Russia With Love)
1963年公開。公開時の邦題は「007危機一発」。
暗号機「レクター」を巡って、ロシアを舞台に戦いが繰り広げられる。
シリーズでも特に評価と人気が高い作品。Qと、彼が作る秘密兵器も今作から盛んに登場。
PS2でもゲーム化されている。
主演:ショーン・コネリー/主題歌:マット・モンロー
主な舞台:イスタンブール・オリエント急行
007 ゴールドフィンガー(Goldfinger)
1964年公開。
大富豪ゴールドフィンガーとボンドの戦いが描かれ、ハロルド坂田演じる人気キャラ「オッド・ジョブ」が登場。
今作から、ボンドカーをはじめ、ユニークな多彩な特殊兵器が登場し始める。
主題歌が初めて大ヒットし、以降、作品自体にとどまらず主題歌も注目されるきっかけとなった。
主演:ショーン・コネリー/主題歌:シャーリー・バッシー
主な舞台:スイス・ケンタッキー
第37回アカデミー賞 音響編集賞受賞
007 サンダーボール作戦(Thunderball)
1965年公開。シリーズで最高の興行収入を記録した。
後に番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」としてリメイクされた。
主演:ショーン・コネリー/主題歌:トム・ジョーンズ
主な舞台:バハマ・海中
007は二度死ぬ(You Only Live Twice)
1967年公開。ボンドが日本で活躍する。日本が主な舞台として登場するのは今のところ本作のみ。またこれまで素顔を現さなかった宿敵ブロフェルドが初めてボンドと対面した。
主演:ショーン・コネリー/主題歌:ナンシー・シナトラ
主な舞台:東京・神戸・架空の離島
女王陛下の007(On Her Majesty's Secret Service)
1969年公開。二代目ジョージ・レーゼンビー唯一の主演作。ボンドが結婚するが…
主演:ジョージ・レーゼンビー/主題歌:ジョン・バリー・オーケストラ
主な舞台:スイス・アルプス
007 ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)
1971年公開。ショーン・コネリーが復帰、ボンドは密輸ダイヤのルートを調査する。
制作費のうち少なからぬ額がコネリーのギャラに消えた作品。コネリーの主演最終作だがあまり評価が芳しくない。
主演:ショーン・コネリー/主題歌:シャーリー・バッシー
主な舞台:アムステルダム・ラスベガス
007 死ぬのは奴らだ(Live and Let die)
1973年公開。ロジャー・ムーアが三代目ボンド役に。ポール・マッカトニーの主題歌は名曲。
ゲーム『ゴールデンアイ007』にも出演する不死身の司祭サミディや、三枚目キャラ「ペッパー保安官」が登場。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:ポール・マッカートニー&ウイングス
主な舞台:ニューヨーク・カリブ海の架空の島
007 黄金銃を持つ男(The Man With the Golden Gun)
1974年公開。ボンドが、一撃必殺の暗殺銃「黄金銃」を持つ暗殺者、スカラマンガと対決する。
ペッパー保安官が引き続き登場。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:ルル
主な舞台:マカオ・香港・タイ・東シナ海
007 私を愛したスパイ(The Spy Who Loved Me)
1977年公開。潜水艇になるボンドカーや、巨体の殺し屋ジョーズで話題を呼ぶ。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:カーリー・サイモン
主な舞台:カイロ・地中海・大西洋
007 ムーンレイカー(Moonraker)
1979年公開。遂にボンドが宇宙へ行き、宇宙ステーション上での銃撃戦などが繰り広げられる。
ジョーズが引き続き登場する。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:シャーリー・バッシー
主な舞台:カリフォルニア・ベネチア・リオ・アマゾン・宇宙
007 ユア・アイズ・オンリー(For Your Eyes Only)
1981年公開。ミサイル誘導装置を追い、ボンドが華麗なアクションを展開する。
『ダイアモンドは永遠に』以来久しぶりに登場したブロフェルドが、完全なギャグキャラにされてしまう。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:シーナ・イーストン
主な舞台:ギリシャ
007 オクトパシー(Octopussy)
1984年公開。殺された009の任務を引き継ぎ、ボンドがインドで大活躍。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:リタ・クーリッジ
主な舞台:インド・東ドイツ
007 美しき獲物たち(A View To A Kill)
1985年公開。デュラン・デュランの主題歌が全米No.1の大ヒット。
ムーアボンド最終作。このとき主演の彼は57歳とシリーズ史上最高齢。ボンドガール役の女優の母親よりも年上だった。
主演:ロジャー・ムーア/主題歌:デュラン・デュラン
007 リビング・デイライツ(The Living Daylights)
1987年公開。四代目ティモシー・ダルトン初主演。野生的でハードな雰囲気を持ち、もっとも『007』らしい作品と評価されている。
主演:ティモシー・ダルトン/主題歌:a-ha
007 消されたライセンス(Licence to Kill)
1989年公開。殺された00エージェントの復讐のためにボンドが麻薬王と対決する。
冷戦終結により東西間でのスパイ活動という背景がなくなり、今作以後、シリーズが大きな転換点を迎えることになった。
また権利問題で揉め事が起こり次作製作までの期間が延びるなど、作品内容以外にもいろいろと変化が起こってしまった。
主演:ティモシー・ダルトン/主題歌:クラディス・ナイト
007 ゴールデンアイ(Goldeneye)
1995年公開。五代目ピアース・ブロスナン初主演。
任務に失敗した末に祖国を裏切った006とボンドが対決する。
今作を原作としたN64のゲームも世界的ヒットを記録。ゲーム史上に残る名作として名高い。
主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:ティナ・ターナー
007 トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)
1997年公開。マスメディアのためだけに戦争を起こそうとするメディア王とボンドが対決を繰り広げる。
主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:シェリル・クロウ
007 ワールド・イズ・ノット・イナフ(The World is Not Enough)
1999年公開。ボンドが石油王の娘の警護にあたるが、シリーズ初の異様な展開に。
第2作以降Qを演じてきたデズモンド・リュウェリンの最終出演作。
主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:ガービッジ
007 ダイ・アナザー・デイ(Die Another Day)
2002年公開。通算20作目。ボンドが北朝鮮の韓国侵攻を阻止に向かう。
主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:マドンナ
007 カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)
2006年公開。六代目のダニエル・クレイグと同時に、大胆に設定をリセットした新生シリーズ第1作。
若きボンドはカジノで高額の掛け金のポーカー対決を開始する。
主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:クリス・コーネル
007 慰めの報酬(Quantum of Solace)
2008年公開。カジノ・ロワイヤルの直接的続編。
ストーリーが二作にまたがったのは初めて。
主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:アリシア・キーズ&ジャック・ホワイト
007 スカイフォール(Skyfall)
2012年公開。工作員の情報が収められたハードディスクが奪われ、ボンドはディスクを取り戻すべく追跡する。
007シリーズ誕生50周年記念作。新Qが登場。さらにワルサーPPK、アストンマーチンDB5(ゴールドフィンガーに登場したのと同型)といった懐かしの愛用ガジェットが登場する。
主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:アデル
第85回アカデミー賞 音響編集賞 歌曲賞受賞
予告編
番外編
ネバーセイ・ネバーアゲイン(Never Say Never Again)
1983年公開。原作の映画化権に関するゴタゴタの末、ワーナー・ブラザーズによって再び映画化された『サンダーボール作戦』。上記シリーズとは殆ど繋がりがないといってよい。
12年ぶりにショーン・コネリーがボンド役に復帰している。
幸福と栄光(Happy and Glorious)
2012年ロンドンオリンピックの開会式で披露された短編。ダニー・ボイル監督。
ダニエル・クレイグ演じるボンドが、開会式会場までエリザベス2世をエスコートするという、『女王陛下の007』を地で行く内容。
エリザベス2世本人が出演し、女王の執務室内部も映るという異例のサプライズであり、最後には会場上空からボンドと女王がパラシュート降下するという、クレイグボンドらしからぬぶっ飛んだ結末を迎えた。