審神者
さにわ
概要
基本的には古代神道の祭事にて神託を受け、その解釈を信者に伝える役割を持つ者を指すが、その他の宗教や霊的儀式においても同じような役職のものが「審神者」と呼ばれることもあり、降霊や降神といった霊媒の儀式において、降りてきたモノの性質を見極め、場合によってはそれを祓う役割も担うとされる。
シャーマンや祭司として一概にされることも多いが、それらと違って本来の審神者は神との間に媒体者を必要とする。神が憑依する巫女の存在を媒体とし、その巫女を介して神託を受ける。
歴史上では『魏志倭人伝』に登場する卑弥呼の側近の弟も審神者とする説がある。『古事記』では仲哀天皇が琴を弾き、神功皇后が巫女役を務め、武内宿禰が審神者を務めて神託を受けたとされる。
古くから存在する役職ではあるが、巫女などと違って存在自体がマイナーであり、そもそも「審神者」と書いて「さにわ」と読むことすら一般にはあまり知られていない。時代が下ると、神事で楽を奏でる、とくに琴を弾く者を指すようにもなった。
とはいえ創作作品の題材として使われることはしばしばあり、ファンタジー系の作品では本来の意味合いとは離れた強力な力の持ち主として描かれることもある。
『刀剣乱舞』における審神者
pixivのタグとして「審神者」が使われる場合、基本的にはこれを意味する。
ゲーム『刀剣乱舞』におけるプレイヤーキャラクターの役職であり、転じてプレイヤーたち自身を指す言葉としても使われている。
もっとも、ゲーム内で刀剣男士たちがプレイヤーを呼ぶ場合は「主(あるじ)」などの言い方をすることが殆どで、実際に「審神者」という単語が登場するのはOPムービーや「戦績(プレイヤーステータス)」画面ぐらいのものであり、普通にプレイする上ではそれほど存在感のある呼び名ではない。
しかしながらユーザー間では プレイヤーキャラクター及びプレイヤー自身を指す言葉として大いに浸透しており、「刀剣男士」と並んで刀剣乱舞を代表するキーワードとなっている。
設定
オープニングムービーによると、審神者とは眠っている物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ者。
西暦2205年、歴史の改変を目的に過去への攻撃を始めた歴史修正主義者たちを阻止すべく、時の政府に送り出された審神者なる者(プレイヤー)は、その技によって生み出された付喪神「刀剣男士」達を従え、共に過去の時代での戦いに赴く……
というところからゲームがスタートする。
BLでも乙女でもないプレイヤー次第のゲームという製作サイドの意図もあってか、年齢・性別・外見的特長などは明示されておらず、また「審神者」と呼ばれるその者が扱う技の詳細や 政府と審神者の関係、審神者とはただ一人の存在なのか否か 等々 不明な点は数多い。
と、明らかな情報は非常に限られているものの、簡素に語られた物語でありながら SF要素やファンタジー要素の織り交ぜられた設定には興味深い点も多く、盛んな考察や妄想、二次創作の題材としても賑わいつつある。
二次創作における審神者
先述の通り公式設定というものが殆ど存在しないため、pixivなどの二次創作で審神者が描かれる場合、それは基本的に各ユーザーが独自に創作したものである。
艦隊これくしょんにおける提督のように共通認識の制服なども存在しないため、、概ね和装であるということ以外、その容姿や設定はまさしく老若男女 千差万別。
人間ですらない審神者も普通に存在したりする。
もはや生物かすら疑わしい審神者も存在する。
またその創作内での審神者の立ち位置も 必ずしもプレイヤー(二次創作の作者・読者)の分身とは限らず、刀剣男士を描くための舞台装置としてモブ同然の最低限の描写しかされない場合や、逆に感情移入を全く想定していない強い個性の持ち主など様々である。
それでも一応大まかな傾向ごとに分類は存在し、それに則った専用のタグもいくつか存在する。