概要
ジンバブエの公用通貨にして、世界最悪のハイパーインフレ通貨。
まさに『ケツを拭く紙にもなりゃしねぇってのによぉ!』状態である。なんと3回ものデノミが行われ、最終的に10^25分の1まで価値が下落した。
2009年1月には100兆ジンバブエドル紙幣が発行されたが、同年4月12日にはジンバブエドル自体の発行が停止された。
要するに、現在では商取引に使用できない。コレクターズアイテム(古銭)としての価値以外は存在しない。
現在の通貨について
現在ジンバブエ国内では米ドルなどの外貨が用いられており、ジンバブエドルを用いる人はいないとか。
なお現在ジンバブエで使える外国通貨はUSドルのほか、ユーロ、イギリスポンド、南アフリカランド、ボツワナプラ、中国人民元、インドルピー、オーストラリアドル、そして我ら日本円である。
余談
ちなみに、第一次世界大戦後のドイツも敗戦後の多額の賠償や経済制裁による影響で1922-1923年の期間に激しいインフレを起し、100兆マルク札が発行される程までになったが、インフレ収束を目指してレンテンマルクという通貨を発行してデノミを行い、インフレは奇跡的に収束した。
このインフレの収束は、“レンテンマルクの奇跡”と呼ばれる。この際の交換レートは1兆(10^12):1であった。
同様のハイパーインフレを起した通貨には、
- ユーゴスラビアのディナール(динар / dinar)(ハイパーインフレ期間:1990年-1994年)、
- ハンガリーのペンゲー(pengő)(ペンゴーとも読む。ハイパーインフレ期間:1945年-1946年)
などがある。
関連動画
関連リンク
関連タグ
ペンゲー:史上最高額である1垓紙幣を出したハンガリーのかつての通貨。
銭:第二次大戦後の経済混乱期ハイパーインフレを起こす寸前に実施された日本のデノミで廃止された通貨単位。