おあがりよ
概要
大衆食堂「食事処 ゆきひら」の跡取り息子。
遠月学園高等部1年生(第92期生)。極星寮303号室の寮生。身長171cm。体重57kg。
中学校卒業後は、進学せず本格的に料理の修業をすべく、自宅の食堂で働くつもりだったが、父であり食事処『ゆきひら』の店主の幸平城一郎を超えるための修行として名門料理学校である『遠月茶寮料理學園』に編入する。編入試験では、試験官を任された薙切えりなとの悶着から、わざと不合格扱いにされてしまうが、その後試験で作った料理をこっそり食べた理事長に不合格を取り消されて入学を果たす。
編入後は中学生時代から着用している学ランをそのまま使い回しており、他の生徒が着用しているブレザーは着ていない。
セレブや一流シェフの子息ばかりが集まり、ただでさえエリート意識が強過ぎる学園において、庶民家庭出身でただ一人の編入生である上に、入学式において『厨房に立ったことのないやつには負ける気がしない』という旨の発言をしたことにより、学園内では身の程知らずで思いあがった人物として嫌悪され、最初の授業でいきなり嫌がらせを受けるなど、たびたび困難に遭遇するも、その都度自らの料理の腕と独創的発想で乗り越えていく。
性格
マイペースで飄々としているが料理に対する情熱と自信は人一倍。特に父の店への侮蔑や庶民・大衆向け料理への侮辱には激しい怒りを見せ、料理を以って相手を心身ともにコテンパンに叩きのめす。しかし自分の店を「ちっちゃい定食屋」、学園のスタンスを「食の上流階級」と評するなど、世間的な目線でものを見る冷静さも持つ。
『厨房に立ったことがないやつに料理では負けない』『店を背負って厨房に立つことに比べたら(誰かとの)料理対決なんか全然苦じゃない』といった言葉から分かるように、料理は発想力と経験が重要という考えの持ち主で、そのスタンスは食材の高級さを重要視する学園内の風潮に正面から対立するものとなっており、最初の食戟でスーパーの安物食品を使った際には、激しいブーイングを受けてしまっている。そんな中でも全くぶれずに飄々とした態度を保ち、調理しながら相手を挑発するほどの余裕を見せる度胸も持ち合わせる。
物語開始当初は「父に料理で勝ち、『ゆきひら』の看板を背負う料理人になる」事のみを目的とするあまり、父がどんな世界で生きてきたかあまり興味を持たず、遠月学園への入学にも消極的だったが、学園で過ごす中でさまざまな料理人と出会い、父の過去や生きてきた世界を垣間見ることで、それまでの自分を打ち破るべく技術的・精神的に成長していく。
自分の作った料理を出すときは「おあがりよ」、評価されたり完食された時は「お粗末(御粗末)!」と言うのが口癖。
後述のように微妙に感性がズレている面があり、時折何か良からぬことをひらめくと不気味な笑みを浮かべることがある。
料理
得意なジャンルは「大衆料理」。
3歳の頃から料理の修業を積み、12年間近く父と一緒に実際に厨房に立っていた経験から料理の腕に関しては申し分ない。
父に初めて料理勝負を挑んだのが小学6年生のとき。それから一度も勝てず、中学校卒業直前(物語開始時点)までに489回もの敗北を重ねている。宿泊合宿直後に父と再会して勝負を挑まれ、現在の戦績は0勝490敗。
父からは「これといって料理の才能を持たない」とともに、「他人の優れた才能に屈する感性が欠如している」と評される。それゆえ、それまでに積んだ経験を活かし、どんな状況にも屈さず思考し抜くことを最大の武器とし、その場にある食材から要望の料理を創り出す工夫と発想力を発揮する。また、父から伝授された外国の調理技術を自らの大衆向け料理に利用したり、悩んでいるときには他人の手を借りることも厭わず、時には対戦相手の発想さえ参考にし、自分なりのアレンジを加える柔軟性を見せる。
始めから完成されたレシピを再現するのではなく、思わぬ失敗からただのレシピを超えた成功を学ぶことが大事だと考えているが、ゲソとピーナッツバターを合わせるなど、どう考えても不味いものを組み合わせて試食するなど若干感性がズレている様な面も見られ、さらにはそんな不味いとわかっているゲテモノ料理を他人にまで食べさせたがる父譲りの悪癖を持つ。
読み切り版
読み切り版では微妙に外見のキャラクターデザインが異なっており、黒髪で甚平を着ている。また年齢は連載版より1歳上の16歳で、体格や顔つきが多少精悍な印象を受ける外見であった。
子供っぽい印象の連載版に対して、えりなの料理を「つまらん」と断言するなど老成した厳し目な物言いをする。
関連タグ
幸平城一郎:父親で超える壁
堂島銀:父親と同期で頂点の景色を知る人物
四宮小次郎:先輩⇒師匠
薙切えりな:何かと縁がある
貞塚ナオ:出会わせるな危険
タクミ・アルディーニ:同じ大衆食堂の跡取り息子で現場を知ってる料理人