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CV:中村悠一 / 小林由美子(少年時)

概要

遠月学園第79期卒業生。

フランスパリにあるフランス料理店「SHINO'S」のオーナーシェフ。

遠月学園に在籍していた頃は十傑評議会第一席の座に君臨し、数々の料理コンテストで優秀な成績を修め、学園を第一席で卒業してすぐにフランスへ渡ると、六年の修行を経て自分の店をオープンさせ、フランス料理の発展に大きく貢献した料理人に贈られるプルスポール勲章(架空の勲章)を日本人で初めて受賞するなど、確かな腕と実績を持つ料理人。それまで肉料理偏重だったフランス料理界において、野菜を中心とした料理で旋風を巻き起こしたことから、「レギュムの魔術師」と呼ばれている(レギュム:フランス語で「野菜」)。

同期で当時の十傑評議会第二席であった水原冬美にはライバル視されており、今でも自身に対して辛辣な言動が多い。一年後輩である乾日向子には学生時代からよく弄られたりからかわれたりしているが、その度にどついたりアイアンクローをかましたりして制裁を加えている。

初登場は15話。高等部の新入生合宿のゲスト講師として招かれたOB・OGの1人で、紹介の場で柑橘系の香料が入った整髪料を使用していた学生にいきなり退学宣告をした。

しかし、それは飽くまで「柑橘系の香料が料理の匂いを霞ませる」という理由によるもので、「作る人間がダサいと料理に色気がなくなる」とオシャレその物に関しては肯定的(無香料の整髪料を薦めている)。ちなみに、その際大勢いた生徒の中で離れた位置にいたにもかかわらずその生徒を嗅ぎ分けるという驚異的な嗅覚を見せている。

性格

良くいえば真面目だが悪くいえば融通の利かない頑固者で非常にプライドの高く、料理人として高いプロ意識を持ち、料理に関しては自他ともに厳しい人物。

ただし当初は厳格な性格がマイナスの方向で表れており、非情な言動ばかり目立っていた(下記参照)。

なお、九州の農村出身で、東京の二号店での母親との会話では方言丸出しだった。

自身が料理人を目指したきっかけは小学校の入学祝に家族とフランス料理店へ食べに行ったことであり、「自分がフランス料理人になれば母親を喜ばせられる」という一途な想いであった(このことは誰にも明かさず別の話題ではぐらしていたが)。

これは後に自身を師匠と慕う創真とは同じく、上流家庭の生徒が多い遠月学園の中では稀な庶民の出であることが判明しているが、彼の場合幸平創真とは違い実家は料理世界とは無縁であるため、彼が如何にゼロから第一席へと勝ち上がってきたのかその執念と実力は相当なものである。

鬼試験官として

宿泊研修編にて、上述の通り整髪料の香りを理由としてのクビを皮切りに、「〇〇できなければ即退学」遠月イズムを遺憾なく発揮。生徒たちを「下っ端」「ガキ共」呼ばわりして、初日の課題で30人以上もの生徒を退学処分にし、自分に意見する者に対しては、顔芸とともにぶち切れるなど凄まじい凶暴さを顕わにしていた。

合宿二日目午前に自分の店のメニューの一つ「九種の野菜のテリーヌ」を作る課題を生徒たちに課したが、四宮は敢えて大量の不合格者を出す為に、傷んだカリフラワーをわざと大量に混ぜるという、明らかにやり過ぎなトラップを仕掛けていた(本人曰く「目利きが出来ない奴や鈍臭い奴を全員根こそぎクビにする為」)。

それをワインビネガーで補った田所恵に対し、「下っ端の分際で自分のルセット(レシピ)に手を加えた」という理由で退学を宣告する。しかし、恵の柔軟な対応を全く評価しない傲慢さと、カリフラワーの悪辣な仕掛けを平然と行う自己中心性が創真の逆鱗に触れて恵の退学撤回を賭けた食戟へと発展する。

改心

その後、食戟は堂島銀の計らいにより、遠月学園の卒業生3人を審査員として極秘で行われる事になる。当初は食戟を申し込んだ張本人である創真が四宮と戦うつもりだったのだが、「遠月学園では己の力のみで道を切り開かなければならない」という堂島の主張により、恵がメインシェフ、創真はレシピへの口出しが許されないサポート役のみという条件で戦う羽目になってしまう。

結果として創真の抜群のサポートを受けながらも実力差は如何ともし難く、恵と創真は0-3で完敗。「当然の帰結」と勝ち誇り、立ち去ろうとする四宮だったが、ここで堂島が恵・創真ペアに票を投じる。堂島の意図が分からず彼の行動に異を唱えるも、「お前……今、停滞しているな?」と指摘された四宮は激しく取り乱した。

四宮は元々口は悪いながらも心根は優しい人物(日向子への強烈なツッコミは相変わらず)だったのだが、渡仏してわずか6年で自分の店を開くという成功を収めたために、年若い日本人である彼の活躍を妬んだ現地人スタッフから勝手に味を変えられるなどの嫌がらせに遭う。その結果味が安定しない店として評判と経営は悪化の一途を辿り、周囲の人間が信じられなくなっていった四宮は、勝手に味を変えたスタッフを追い出し、スタッフの意見にも耳を貸さずレシピ通りを徹底させ自分だけで味を追求するようになる。

普通なら余計泥沼に嵌りそうなものだが、皮肉なことに四宮には突出した才能があったために自分の力だけでこの窮地を脱し、オーナーシェフとしての器が完成する前に念願のプルスポール勲章を「取ってしまう」。学生時代からの目標を達成してしまった彼は次の目標を見つけられないまま、料理人として成長出来ずに停滞してしまった。

事実、四宮が恵との食戟の時に出した料理は店の看板料理ではなかった。これは審査員の面々が看板料理を食べたら、今現在の自分が停滞していることがバレてしまうためである。堂島はそれを見抜いており、単に恵に助け舟を出すだけではなく、四宮に新たな成長を促すために、この食戟を承認したのであった。

そして、堂島から恵の料理を食べるよう薦められた四宮は、諸々の稚拙さを指摘しながらも、心に染みるものを感じる。己の過去に思いを馳せ、恵の料理の中に「母の愛」を感じた彼は、食べる側への配慮に溢れたその温かさに一筋の涙を流した。

堂島に「恵が持っているものが、今のお前にとって必要なもの」と諭された四宮は、自分を停滞させていたのは周りを省みなくなっていた自分自身であったことを痛感し、それを教えてくれた恵に票を投じた。その直後に日向子が恵たちに票を入れた上で勝負を預かったため、恵たちの処遇は改めて四宮に委ねられることになり、四宮は二人の退学を取り下げ、恵にぶっきらぼうながらも激励の言葉をかけている。

合宿終了後、「自分の店を三ツ星レストランにする」という新たな目標を胸にフランスへと戻っていった。

この際創真と恵をスカウトしようとするが、なんとしても恵がほしかった日向子に止められ、その後恵を持ち帰ろうとする日向子を縄で縛って止めている。

その後

東京に二号店として「SHINO'S TOKYO」を出店することになるが、プレオープン前の彼の店になんと創真が授業の一環としてスタジエール(研修)にやって来る。

最初は不敵な笑みを浮かべていた創真だったが、すぐに自分とスタッフ達の実力の違い(と四宮の相変わらずの厳しさ)を思い知らされる事になった。しかし、へこたれている暇は無いと奮起し、スタッフ達も驚くべき速度で吸収と成長を続け、あっと言う間に忙しい店を支えられるだけの力を得た。

この話の途中で四宮が何故フランス料理のシェフを目指したのかが明らかにされると同時に、創真が四宮を「師匠」と呼ぶようになる(四宮本人は嫌がっていたが)。

最終的には(「俺ならこうする」ということで多少創真に改善点を指摘、教育した)四宮の二号店に新しいメニューとして創真の料理が加わったのであった。

堂島の要請で薙切薊率いる十傑評議会との連帯食戟に挑むこととなった創真達の目の前に現れた四宮。堂島の注文はかつて退学を命令した恵に特訓を課す事だった。相変わらずの扱きぶりだが、恵はなんとか食らいつく。そんな完全ランダムな連帯食戟において野菜中心の郷土料理だとそれ以外がテーマ食材だと対処しづらい事から四宮はこれを克服するためバターの乳化に使われる技法『モンテ・オ・ブール』を伝授する。恵はいつしかコーチと慕うようになり、そんな恵に対して「SHINO'S TOKYO」の店員や創真の指導と比べ「鈍間」と認識しながらも「鈍間だが、間抜けじゃない」と評した。

ジャンプ+にて彼が主人公のスピンオフが連載されている。

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