薙切仙左衛門

なきりせんざえもん

薙切仙左衛門とは、『食戟のソーマ』の登場人物。

概要

CV:銀河万丈

遠月茶寮料理學園総帥で、薙切えりな・アリスの祖父。長い髭を伸ばし、右目に大きな傷跡のある威圧的な外見の老人。日本料理界を牛耳る存在で、学園内では「食の魔王」と呼ばれ恐れられている。

かつての教え子である堂島銀と同様、日常的な鍛錬を怠っていない為に、老齢とは思えないほどの逞しい体つきの持ち主で、優れた料理を食した際に上半身を露わにするおはだけでその肉体を見ることが出来る。ちなみに下着は一色慧と同じく褌派である。

また、威圧的な外見に反して、堂島程ではないが割とノリも良く、ハンバーガー対決ではスッポン肉のハンバーガーを食べた結果、スッポン怪獣と戦うウルトラマン（どちらかといえば、ウルトラマンキングに近い）のリアクションを演じ、我に返った際は「思わず陶酔してしまったか」と漏らしている。

主義

「遠月に弱者は要らぬ」をモットーとし、入学式のスピーチで「諸君の99%は1%の玉を磨くための捨て石である」と公言して憚らない、徹底した少数精鋭主義者。

しかし決して家柄や人間性で生徒を差別することはなく、あくまで「実力があれば誰でも成り上がれる」という、究極の公平的なスタンスである。

その為、えりなが取り仕切った遠月学園高等部の編入試験を陰から見ていた際には、彼女が完全に私情を挟む形で入学を認めなかった幸平創真に対し、その料理を後で食し実力を認めた結果、正式に高等部へ編入させて、審査員にすら嫌われた美作昴に対しても公平さを崩していない。

ただ、彼のそうした方針は「腕前と結果が全て」という歪んだ弱肉強食主義を学内に根付かせ、強い権力を持った上級者が気に入らない相手を理不尽に追い込んだり、あるいは成長する前の生徒を私情で潰すなど、過激な政策がまかり通るようにもなってしまった。

仙左衛門自身は良く悪くも純粋な「切磋琢磨」を尊び、このような料理人の域を超えた蛮行に是正的ではなかったが、彼の見ていない所では順調に腐敗が進むなど、自身の主義が学園内で正常に作用し行き届いているかには関心が薄かった。

それが本気で改善を考え始める様になったのは、後述の10年前からである。

失権

遠月の卒業生で義理の息子、そしてえりなの実父である薙切薊に対しては、当初こそ実力を認め娘婿として薙切の一族に迎え入れていたのだが、えりなに対して行った虐待まがいの洗脳教育を知って激怒。悪びれない彼に孫を任せた事を「最大の失敗」として追放処分にし、遠月内における彼に関する記録も全て抹消した。

しかしそれから約10年後、突如薊が姿を現し、更にはこれまでの遠月の方針そのものが大きな仇になる形で、十傑の過半数を味方につけた彼によって学園を乗っ取られてしまう事態となった。

だが総帥の地位を失った事で自由になったと、極星寮を訪れ創真に直接対面。自らが創真の入学を才波城一郎に勧めた事実や、えりなの過去や薊の危険性について教え、創真にえりなを助けて欲しいと、頭を下げてまで懇願する。

しかし創真は薙切家の事情には一定の理解は示すも、「編入試験の時に『不味い』と言われたままなので、えりなから『美味い』という言葉を聞くまでは気が済まない」と言う理由で拒否して立ち去った。だが仙左衛門は城一郎の言葉を思い返し、えりなを救えるのは創真たち『玉の世代』であると確信する。

最終的に創真やえりな達は、薊政権に打ち勝ち解体する事に成功するが、仙左衛門は一連の事態を招いた責任を取って総帥への復帰を辞退。

"自分の思想"が巡り巡って生んだ暴走を砕いてくれた「新たな世代」に遠月を託すべきと考え、新たな総帥を引き受けた孫の補佐として余生を歩み出した。

余談

仙左衛門役の銀河万丈は、アニメ版のナレーションも兼任している。

関連タグ

遠月茶寮料理學園　薙切えりな　薙切アリス　薙切薊

与作(トリコ)…中の人が同じで、ジャンプのグルメ漫画に登場している点も共通。