概要
ロボットであるドラえもんが主人公であり、ロボットの登場も普通だったシリーズの中で、ロボット技術とその文明が進んだ末の未来を批判的に描いた作品となっている。しかも、ストーリーの大半で作品の要であるドラえもんが不在でのび太たち4人がひみつ道具なしで奮闘する異色の作品でもある。
ストーリー
のび太の父・野比のび助が寝ぼけてテレビから海もスキーも楽しめると言うブリキンホテルに予約し、春休みの予定がなかったのび太は大喜び。しかし、あれはパパの夢であるとわかって落ち込むが、突如そのホテルからトランクが届き、開けてみると門が現れて、ドラえもんとともにくぐった先はブリキン島だった。
島で遊ぶのび太のわがままに呆れるドラえもんだが、突然ドラえもんは何者かによって連れ去られてしまう。理由がわからず一人家に帰ったのび太だったが、後日ジャイアンやスネ夫、しずかちゃんとともに島に再び訪れるが、今度は島が動き出し飛び上がり出した。島の正体はチャモチャ星から来たロケットで、島の主であるサピオ・ブリーキンからロボットに支配された故郷の星を救ってほしいと頼まれる。ドラえもんをチャモチャ星のロボットに連れ去られ、ドラえもがいないまま4人はサピオに協力し、チャモチャ星とドラえもんを救う冒険に旅立つ。そして、ドラえもんとチャモチャ星を救う鍵を握るのがブリキンホテルの大迷宮であった。
キャラクター
サピオ・ブリーキン / サピオ・ガリオン(映画版)(CV.皆口裕子)
チャモチャ星人の少年。ロボットに乗っ取られたチャモチャ星を救うため、頼れる仲間を探して地球に辿り着いた。前向きで諦めない少年だが、ロボット依存社会で生きてきた一人であるた自力では歩けないほど体力が弱まっていて、カプセルの生活を余儀なくされている。ロボットに対しては不信感を多く持っている。
ブリキン(CV.大木民夫)
ブリキンホテル支配人を担当するロボット。サピオが頼れるロボットの一体。
タップ(CV.鈴木みえ)
ブリキンホテルに仕えるウサギ型ロボット。口の中にかなりの量のモノを詰め込むことができる。
ピエロ(CV.堀内賢雄)
ブリキンホテルに仕えるピエロ型ロボット。荷物運びや芸を担う。
ガリオン・ブリーキン侯爵(CV.屋良有作)
サピオの父で科学者。ロボット依存社会の危険性に気付きブリキン島のラビリンスで対抗策を研究していた。
ガリオン夫人(CV.佐久間レイ)
サピオの母。
アンラック王(CV.中庸助)
チャモチャ星の国王。ロボット社会に何の疑問も持たず、ナポギストラーに頼り切っていた。
今作のラスボス。ネームモデルはナポレオン、チンギス・ハン、ヒトラー。体の大半がコンピューターでできた発明家のロボットで、人間に楽な生活をさせるために作られたが、密かにロボットの人間支配を企み、イメコンを発明して人間を貧弱にしようと計画し、革命を起こし独裁者になった。自己中心的で神経質な計算高い腹黒い性格で、人間を見下す一方油断ならない厄介な存在として警戒していた。
ネジリン将軍(CV.加藤治)
ロボット軍を指揮する将軍で、ナポギストラーの忠実な部下だが、一方でナポギストラーの神経質なことに苦慮している。年寄り=旧式であるためすぐにネジが解けて動けなくなってしまう。
隊長(CV.緒方賢一)
ネジリン将軍の部下で、軍隊を仕切る部隊長。ドラえもんをサピオの仲間と判断して捕らえた。
サンタクロース(CV.中庸助)
サンタのロボット。チャモチャ星にもクリスマスの文化があるらしい。人間達が捕まった事で子供もいなくなった事で絶望していたが、北極で遭難したジャイアン達を救い、ブリキンホテルでのび太達にであった事で希望を取り戻し、大量のおもちゃをプレゼントした。ドラえもんはひみつ道具でそのおもちゃを改造してロボット軍に奇襲をかけた。
キーワード
チャモチャ星
地球と似た人間の種族が暮らす、地球以上の高度な技術を要する文明を築いた。とくにロボット技術は進んでおり、多様な面でロボットに任せて依存したが、逆に肉体の弱体化を招いてしまい、ロボットの反乱によってロボットが支配する星に変わってしまった。
ラビリンス
サピオの先祖が趣味で作ったブリキンホテルの名物迷路。その中にサピオの父であるガリオン・ブリーキン侯爵がコンピュータウイルスを隠した。入り口のデザインがトラウマに成る程怖い。
イメコン
「イメージコントローラー」の略。ナポギストラーの最大の発明で、人間が考えるだけでロボットにその意思が伝わって、一瞬でロボット操作ができ、人間は指一本動かすことなく生活できるようになった。しかし、これはナポギストラーが人間を貧弱にして容易く人間を支配できる計画のため生み出したものだった。このイメコンはその後もナポギストラーを中心にロボットたちのネットワークとして使われていたが、これを逆手にとってブリーキン侯爵はコンピューターウィルスを拡散させようとした。
現実世界でもイメコンのように人間が考えただけで機械を操作する研究はされている。
コンピュータウイルス
チャモチャ星を救う希望。感染したロボットは「いとまき」を合唱し、最後は壊れる。
カプセル
チャモチャ星人たちが使う乗り物。貧弱になった彼らはこれに乗って移動し、あらゆるところにも移動でき、手の代わりにアームを使ってものを取ることもでき、手足をほとんど使うことなく生活できる。ナポギストラーが人間が弱体化した時のために発明したものだったが、さらに肉体を弱体化させるためのものでもあった。
関連タグ
フレッシュプリキュア 管理国家ラビリンス・・・・人間を幸福にするためのコンピュータが堕落した人間に失望して支配下に置くという点では似ている。
第四惑星の悪夢・・・・内容がかなりそっくりである。