概要
安倍晋三首相が、平成25年(2013)1月の所信表明演説で述べた外交上の基本方針。
周辺諸国(主に中国・韓国)との二国間関係だけでなく、世界全体を広く見渡して、『自由』『民主主義』『基本的人権』『法の支配』といった基本的価値に立脚した、戦略的な外交を展開していくことである。
その方針通り、安倍首相は就任からわずか2年弱で、戦後の歴代総理で最多となる50ヶ国もの国々を訪問し、各国の首脳と非常に友好的な関係を築いた。
特にASEANとは、『価値観外交』の基本方針のもと、経済や安全保障での存在感が高まるASEANとの連携を重視し、安倍晋三総理は就任後の僅か1ヵ月以内に、自身のベトナム、タイ、インドネシア訪問を始め、麻生太郎副総理のミャンマー訪問など、閣僚がASEAN主要国を次々と訪問した。
そうして『自由』『民主主義』『基本的人権』『法の支配』など普遍的価値の実現と、経済連携ネットワークを通じた繁栄を目指し、日本はASEANの対等なパートナーとして共に歩んでいく旨のメッセージを各国首脳に伝達した上、2013年1月18日には、訪問先のインドネシアにおいて、『対ASEAN外交5原則』を発表した。
対ASEAN外交5原則
- 自由,民主主義,基本的人権等の普遍的価値の定着及び拡大に向けて、ASEAN諸国と共に努力していく。
- 「力」でなく「法」が支配する、自由で開かれた海洋は「公共財」であり、これをASEAN諸国と共に全力で守る。米国のアジア重視を歓迎する。
- 様々な経済連携のネットワークを通じて、モノ、カネ、ヒト、サービスなど貿易及び投資の流れを一層進め、日本経済の再生につなげ、ASEAN諸国と共に繁栄する。
- アジアの多様な文化、伝統を共に守り、育てていく。
- 未来を担う若い世代の交流を更に活発に行い、相互理解を促進する。