概要
マレー半島南部とボルネオ島北部に跨っており、タイ、シンガポール(1965年までマレーシアだった)、ブルネイ、インドネシアと国境を接している。首都はクワラルンプール。意外と知られていないが、立憲君主制で国王がいる。15世紀にマラッカ王国が成立し交易で栄えたが、その後ポルトガルと東インド会社によって支配され、1824年にはイギリスの植民地にされる。しかし第二次世界大戦時に日本軍によって植民地から解放され、その後独立に向けて教育が行われ、戦後は再びイギリスに攻めいられるも1957年に独立した。植民地時代から天然ゴムのプランテーションやスズの採掘など、特定の農産物や鉱物生産に頼るモノカルチャー経済が長らく続いていたが、4代首相のマハティールによる日本や韓国を手本にした「ルックイースト」政策をとったことにより、工業化と経済成長の2つを達成させた。また、マラッカ海峡はソマリア沖と並び海賊多発地帯として有名である。
国旗
月と星はイスラム教のシンボル。赤白青の色はかつての植民地のイギリスから、紅白の14本の線は独立時の州の数を表している。
国家形態
選挙で変わる国王
マレーシアでは王国の中では珍しく、選挙で国王が変わる国である。一般的に国王は世襲で変わるが、マレーシアの場合、13州の内9州にいる首長であるスルタンから投票で選ばれ、5年の任期で内閣の補佐を受け行政を行う。
日本との関係
東南アジア諸国は基本的には親日であるが、マレーシアは親日が特に強い国で、「世界一の親日国」の一つといわれるほどである。
マレー半島に上陸した日本軍は、長らく現地住民に圧政を敷いてきたイギリスを駆逐し、彼らを解放した。このことから日本軍は、彼らから“解放軍”と呼ばれ歓迎され、現地のマレー人たちは日本軍の作戦に積極的に協力し、支援していた。
一方で、中国系移民(華僑)は母国である中国が日本と交戦状態にあったため、日本軍を敵とみなし抗日ゲリラを組織するなどの抵抗を続けた。現在でも当時の対日感情が影響しており、民族によって対日感情が大きく違っている。
それにつけこんだ戦後日本の反日マスコミは、僅か30%に足らない中国系移民の対日感情を、マレーシアの総意であるかのように報じている。
マレーシア政府の元上院議員ラジャー・ダト・ノンチック氏は、日本軍が東南アジアで悪行を働いたという中国や韓国の主張を信じ込んだ日本人教師に、それについて追及された際について、
「先日、この国に来られた日本のある学校の教師は、“日本軍はマレー人を虐殺したにちがいない。その事実を調べに来たのだ”と言っていました。私は驚きました。“日本軍はマレー人を一人も殺していません”と私は答えてやりました。日本軍が殺したのは、戦闘で戦った英軍や、その英軍に協力した中国系の坑日ゲリラだけでした。そして日本の将兵も血を流しました。どうしてこのように今の日本人は、自分たちの父や兄たちが遺した正しい遺産を見ようとしないで、悪いことばかりしていたような先入観を持つようになってしまったのでしょう。これは本当に残念なことです。」
と語っている。