概要
JR西日本の路線のひとつで、博多駅と山陽新幹線博多総合車両所隣接の博多南駅(福岡県春日市)の間を結ぶ。本来この路線は博多総合車両所への回送線(現在は九州新幹線の本線)であったが、沿線住民(特に福岡県筑紫郡那珂川町民)の要望により1990年から営業を開始した。
営業上在来線ではあるが、全列車特急列車扱いのため普通運賃のほかに特急料金100円を加算している(博多~博多南間は普通運賃200円+特急料金100円の合計300円)。なお、博多南線開業により那珂川町中心部から博多駅までの所要時間が大幅に短縮され、博多南駅周辺の宅地化が進んだ。(開業前はバスで約1時間かかった。また、天神へはバスを利用して西鉄天神大牟田線の大橋駅での乗り換えが必要だった)。なお、在来線として運行されているが、法令上は新幹線と同様の扱いをうけており、開業当初から新幹線に関する特例法(無断侵入禁止など)が適用される(後にほぼ九州新幹線の路線となっている上、そもそもが新幹線の回送用として車庫まで開通していたものを転用したので、元々開業前から適用されてはいたのだが)。
2011年3月の九州新幹線開業後、ダイヤが大幅に削減されるかが懸念されたが、休日2本のみ削減でほぼ現状維持のまま現在に至る。
今までは「こだま」などのモノクラス車両の列車しか走ってなかった博多南線であったが、九州新幹線開業後、「さくら」・「みずほ」用のN700系7000・8000番台も運用に入ったためグリーン車(グリーン席)に乗車可能に。この場合はグリーン席用の料金が追加される。
なお、日本一安く乗れる新幹線として紹介されることもあるが、実際は上越新幹線の越後湯沢-ガーラ湯沢間が普通運賃140円+特急料金100円の合計240円で乗れるのでこちらが最安値である。ただし、通常営業(ガーラ湯沢は冬季のみ営業)のとしては博多南線が安い。またガーラ湯沢は首都圏からのスキー客がメインで、鉄道マニアの乗り潰し以外ではこの区間だけ乗る乗客が少ないのに対し、博多南線は博多までの地元の利用客層がメインであることが大きく違う。
新幹線の駅間で一番短い区間は東北新幹線の東京-上野間(3.6キロ)で、これと東海道新幹線の東京-品川間(6.8キロ)も博多南線(8.5キロ)より短いのだが、特急料金はどちらも自由席利用で860円となる。
使用車両
博多南駅のホームの有効長の関係で8両編成の車両(700系7000番台・500系7000番台・N700系7000・8000番台)が使用されており、ほとんどが博多駅到着後、そのままひかりレールスターやこだまなどに列車名を変更して出発する。博多南線内は列車愛称なしの『特急』として運行。
かつては既に引退した0系や100系の8両編成以下の編成が使用されていたが、同じく引退済の300系は最後まで16両編成固定のままだったので、博多南線の営業用としては走行していない。
基本的にJR西日本の車両のみで運行しており、九州の車両はダイヤ乱れ等の突発事以外では運転されず、東海の車両はすべて16両であることから、博多南線の運行に入れない(車庫自体には入庫はする)。