解説
日本の自衛隊で採用されている拳銃で、主に海外ではP9とも呼ばれている。
自衛隊創設期より、アメリカ軍から供与・貸与されていた11.4mm拳銃の後継銃として、1982年に制式採用され、スイスのSIG社および、当時その傘下であったドイツのザウエル&ゾーン社が開発したSIGP220を、新中央工業(現:ミネベア)がライセンスを取得し、生産・調達されている。
P220そのままで製造しているわけではなく、.45ACP仕様も想定したフレームはシングルスタック(マガジン内で弾が一列に並んでいること)と言えども日本人の手には握りにくいとしてグリップパネル形状は変更されている。
使用している弾薬は、9x19mmパラベラム弾(自衛隊での名称は9mm普通弾)であり、ハーグ陸戦条約に準拠している軍事用のフルメタルジャケット弾に分類される。
弾頭の先端はラウンドノーズではなく平たい形状になっており、普通弾以外にも、空包やフランジブル弾(銅、スズなどの粉体金属を押し固めた砕けやすい弾丸)も使用されている。
スライドには「9mm拳銃」の文字とシリアルナンバー、各自衛隊を示すマーク(自衛隊武器マーク)が刻印されている。
ちなみにライセンス取得当時の構造で製造しているため、改良が行なわれた現在のモデルとは構造が異なる部分がある。
特に目立つ部分はマガジンキャッチ部分で、9mm拳銃や90年代以前のP220はグリップ下部にマガジンキャッチがあり、マガジン底部を押さえる構造となっていたが、現在のモデルはP220等と同様にグリップ左側面トリガーガード根元付近にマガジンキャッチボタンがあり、マガジン側面の切り欠きとかみ合って保持する構造となっている。
各マーク
陸上自衛隊:桜にW(Wはweapon(武器)の頭文字)
海上自衛隊:桜に錨にW
航空自衛隊:桜に翼びW