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シロ(暗殺教室)の編集履歴

2016-03-30 22:23:21 バージョン

シロ(暗殺教室)

しろ

「暗殺教室」の登場人物。

CV:竹内良太

実写版キャスト:成宮寛貴(第1作では直接的に顔出しするシーンはない)


概要

白い和服を着込み、白頭巾で顔を隠した謎の人物で、殺せんせー最大の宿敵。

堀部イトナの保護者を名乗り、イトナと共にE組の暗殺に参加した。

口調は理知的で穏やかだが、カルマによる「他人全てが『当たればラッキー』の使い捨ての駒」という人物評に違わず、寺坂竜馬を騙した上で他の生徒を巻き添えにした暗殺作戦を決行したり、殺せんせーに三度目の敗北を喫したイトナをあっさり切り捨てたりするなど本性は冷酷非情なエゴイストそのもの。また「結果さえ出れば自分の手で殺さなくともよい」とも発言している。

イトナには殺せんせーと同じ触手を移植したり、生徒達も知らない殺せんせーの弱点を知っていて、その動きを鈍らせる光線銃を携帯しているなど、様々な情報やテクノロジーを何処からか入手している。自身の隠し持つテクノロジーだけでなく、E組の暗殺の成果さえ応用して暗殺計画を練る柔軟な思考を持ち、幾度となく殺せんせーを死の際まで追い詰めた。

殺せんせーには激しい憎悪を見せており、何かしら因縁があるようだが・・・






以下ネタバレ注意

(以下は、16巻分以降の内容に関連しているため、閲覧注意)


























































本名は柳沢誇太郎(やなぎさわ こたろう)

かつて数千人を殺した実績から『死神』という通称で知られた人間であった殺せんせーを現在の触手の化け物へと変えた張本人である。

その素顔はパーマのかかった黒髪とキツネのようなツリ目で、左目は機械製の義眼をはめている隻眼の男性。対せんせー繊維でできた白頭巾で顔を隠していたのは殺せんせーに正体を知られないための工作であり、「シロ」としての声色もその一環として生まれた作り声である。茅野カエデ雪村あかり)が自らの正体を明かした末に殺せんせーに一騎打ちを仕掛けてきた一件を機に殺せんせーのモノローグで苗字が触れられ、過去編にて本名と本職が科学者であることが正式に明言される。

ちなみに16巻のおまけページの情報では、誕生日は12月10日で、現年齢が34歳であることも判明している。


元々柳沢はバイオ企業を営む一族の御曹司として生まれ、国を超えた非公式研究組織の日本支部(本部はアメリカ)の研究主任を任されている優秀な科学者であった(そのため、現在の姿になる以前より防衛省ともコネがあった)。この時でも、表向きは穏やかで丁寧なそぶりを見せつつも、本性は傲岸不遜で周りに当たり散らすことも珍しくなかった。

また、茅野カエデの姉・雪村あぐりの婚約者でもあった。カエデ(あかり)に対して「唯一の兄」と発言したのはこのためで、血が繋がっているわけではない。

婚約者とは言っても、研究成果を報告しに行った大学で、あぐりを見初めた後に彼女の実家である製薬会社の経営が破綻したことから共々「買った」という認識であり、

彼女を見初めた理由も「自分に足りない『情熱』を取り入れられるかもしれない」という理由であったため愛情があるわけではなく柳沢から見れば彼女も『死神』同様の「死んでも誰も文句を言わないモルモット」に過ぎず、裏では日常的に辛く当たっている(実際、柳沢はあぐり以外にも複数の女性と関係を持っており、彼女に対して一切愛情がないことがハッキリと分かる)。

あかり本人は仕事での経験で培った観察眼からその横暴な本性を見抜いており、はっきり表には出さないが彼のことを嫌っていた。


彼が考案した生物細胞を利用して反物質を作製する理論が組織によって認められ実験が行われることになり、弟子の裏切りで捕縛された『死神』を実験素材として入手したところから、彼と殺せんせーの因縁は始まった。

大量殺人犯であるため死刑が確実で、明晰な頭脳に強靭な肉体を持ち、戸籍も無いため死んでも文句を言われない存在である『死神』は、彼が行おうとする非人道的人体実験のサンプルには最適だった。柳沢は囚われの身でありながら余裕を失わない『死神』にいら立ちつつも、「死んでも誰も文句を言わないモルモット」のあぐりを利用して『死神』を監視しつつ、彼への人体実験を開始する。

そしてその結果、見事に反物質細胞の作製に成功した。計算上牛サイズの反物質生物が20頭入れば一国の電力が賄えてしまうという夢の研究は、『死神』はその影響で徐々に人ならぬ姿に変貌してしまったが、結果だけ見れば柳沢の計画は大成功を収めたかに見えた。


ところが、これまで着実に成果を出しつつあった自らの研究成果をひっくり返す出来事が起きてしまう。月に設置した無人実験室の中で『死神』の反物質細胞を移植されたマウスによって月の大半が消し飛んだのである。柳沢を含めた研究チームは『死神』を反物質生物へと変えることに成功したが、細胞分裂の減少、つまり細胞の老化が起こった際に何が起こるかを懸念していた。そのための実験として万が一何が起きても大丈夫なように遠く離れた月の無人施設で寿命の短いマウスを用いて老化を検証していたのだが、マウスから飛び出した反物質生成サイクルが月の物質を連鎖的に反物質に変えて大爆発を起こす。不安は研究チームの予想を超えた最悪の形で的中してしまったわけである。(つまり、月の蒸発事件の犯人が殺せんせーであるとは言うが本人が直接破壊したわけではない。あくまで間接的な原因だとも言えるが、結局は反物質細胞を用いた実験を行った柳沢自身が最大の責任者であろう)。

事故を受けて『死神』の反物質細胞の爆裂で地球が滅ぶ危険性から彼を爆発前に殺処分しようと米国の本部に連絡を取るが、あぐりを通してそのことを当人に知られることになり、激しく動揺した『死神』の暴走を招いてしまう。


柳沢は彼の残酷な行く末を見かねたあぐりから救いを求められるが、そのことで自分の実験が結局モルモットの手中にあったこと、さらに自分のものだと思っていたあぐりが『死神』に心を奪われていたという(プライドの高い彼からすれば到底認められない)衝撃の事実を突きつけられる。

逆上した柳沢はあぐりを散々殴りつけた後、『死神』を抹殺すべく多数の警備員や研究員を率いて彼を始末しようと動くも、結局は触手による並外れた能力および『死神』の元来の暗殺技術には太刀打ちできず、遂には部下が全員殺害され、自身の左目も彼の攻撃を受けて潰されてしまう。このときのケガこそが左目に義眼をはめることになった原因である。

そして、柳沢が『死神』を抹殺すべく開発した防御装置の誤作動により、あぐりも死んでしまう。


『死神』は、自身の暴走で完全に廃墟と化した実験施設より逃げ出し、あぐりが自身の胸の中で死に際に遺した言葉を心に秘め、3-Eのクラス担任『殺せんせー』となった。

柳沢の方も覆面を被り、自分の目的を果たすためだけに声を変えてまで彼を追い、あの手この手で殺そうとし、死に際のあぐりに寄り添う殺せんせーを目撃し、彼が姉を殺した犯人だと誤認したカエデ(あかり)に対しても触手による心身への影響を気に掛ける素振をしながら、せんせー殺害の道具として間接的に利用しようとする始末であった(とは言え、先述の理由もあり、あかり自身は柳沢の協力を自ら拒否していた)。

なお、あかりには「シロ」としての初対面の時点で正体を見抜かれており、柳沢も触手の事実を知った上で彼女を(あくまで自分の暗殺のための手足として)「イトナ以上の怪物」「殺し屋としての素質はクラス内でもダントツ」と評していたが、渚が捨て身の戦法を取り、彼女の殺意を氷解させてからは、イトナ同様すぐさまあかりを切り捨てた。

そして今度は「二代目」と呼ばれる謎の黒コートの人物を使って、殺せんせー(死神)を殺すことを画策している。


つまり、月が破壊され、殺せんせーが今の姿になり、カエデ(あかり)が復讐に身を投じ、ひいては暗殺教室が始まる原因をつくりだした全ての元凶である。


これまでの経緯でもわかるように、殺せんせーに対する執着心は、決して地球を救いたいからではなく、自身の研究とプライドを傷つけられたことへの逆恨みによるものである


名前の由来は、殿中で吉良上野介を暗殺しようとした浅野長矩をその日のうちに切腹処分とした柳沢吉保からだと考えられる。なお、彼は忠臣蔵など赤穂浪士関連の作品において事件の黒幕とされていることが多い。


なお、実写版第1作の時点ではネタバレなどに配慮してか、シロを演じた役者の正体が伏せられていたが、2015年の12月になってニュース番組で続編に関するニュースが報道される過程で、正式に柳沢の演者が発表された際に、初めてその正体が成宮寛貴であることが明らかになった


関連タグ

暗殺教室 堀部イトナ 殺せんせー マッドサイエンティスト エゴイスト 自己中

だいたいこいつのせい 全ての元凶 黒幕 真犯人 吐き気を催す邪悪(アニメ・マンガ系)

茅野カエデ 雪村あぐり










末路

(ネタバレ注意! 2016年2月以降の展開・および実写版の続編やアニメ第2期のネタバレあり)













ただ愚直に目標に向かって没頭する…その目を見て俺は思った…そうだ 俺にはこの目が欠けている


…会社も女も “買い” かもな ああいう “熱” を俺の中に取りこめば俺の欠点を埋める栄養になるかもしれない


…だが俺は全てを失った 屈辱的な誤算の果てに…名誉も、女も

全ての元凶は初代死神 おまえだった


烏間とE組に敗北した二代目と出会った柳沢は彼に殺せんせーが『死神』であることを伝え、共に殺せんせーこと『死神』を殺すために滾る憎悪と無二の才能を研ぎ澄ますことになる。


「素晴らしいよ二代目 人生とは思わぬ所で師に巡り会う 俺も君も奴によって教えられた 殺意以上に…人の情熱を呼び起こすものはないと」


「行こう二代目 我々の受験日は3月だ 恩師を殺して生徒の成長を証明しよう」


そして3月の暗殺期日。


防衛省や世界中の政府組織による共同作戦で触手細胞を消滅させるビームで全周囲を覆った「地の盾」とゾウガメ型触手生物によるエネルギー充電から放たれる触手細胞だけを消滅させる衛星ビーム兵器「天の矛」で殺せんせーが消滅する直前、柳沢は遂に触手細胞で異形の化け物に変わり果てた二代目と共に殺せんせーを閉じ込めている裏山の旧校舎へと向かい、殺せんせーの遺体を手に入れることを目論む政府により一瞬だけ地の盾の一部分が解除され中に乗り込む。


寿命が減る代わりに基本性能を殺せんせーの二倍に強化され、爆発の危険性もない二代目の圧倒的なパワーで殺せんせーを襲わせる姿に、茅野から自分は安全なところで他人ばかり傷つける傲慢さを批難されるが、今度ばかりは柳沢も本気だった。

二代目を強化するだけでなく自分にも全身に少しずつ触手細胞を埋め込んで、人間としての姿は保ちつつも殺せんせーたちに準じるパワーを手に入れていたのだ(シロとしての全身を隠したローブの理由の一因もこの処置の最中の身体を隠すためだと思われる)。

「俺に死の覚悟がないと…そう思うかね? 命などもうどうでもいい 俺から全てを奪ったおまえさえ…殺せれば」


触手細胞によるパワーに加えて身体に仕込んだ武器、そしてどこまでも激しい憎悪のパワー(ビッチ先生曰く愛を巡って産まれた殺意)で二代目と共に襲いかかるが、徐々に対応していく殺せんせーからは「だが柳沢 君は出て行け ここは生徒が育つための場所だ 君に立ち入る資格はない!!!」と命をかけた殺意も軽くあしらわれてしまい、柳沢は殺せんせーの教師としての責任感を利用して「E組を庇わせる」という手段で殺せんせーを圧倒して散々に痛めつける段階に行動をシフトする。


殺せんせーを守るために二代目に立ちはだかった茅野を二代目の手に掛けさせ、その倒れ行く様を自身を裏切った「モルモット」のあぐりに例えて悪態をつきながらせせら笑った。これにより、殺せんせーがフルパワーを解放し黒く染まる。


これ自体は柳沢の目論見通りであり、殺意の黒に染まった触手細胞が殺せんせーの本性でありこの一年間の偽善を剥ぎ取り否定させたとして満足し、逃げるE組に目もくれず殺せんせーを二代目のフルパワーで殺し復讐を完成させようとするが、何と殺せんせーが解放しようとするフルパワーとは、彼が狙っていたド怒りの黒ではなかった

次々と色を変える殺せんせーが「…教え子よ せめて安らかな…卒業を」という二代目に対する言葉と思い共に放った「怒りではない」究極の全力と純白の光によるエネルギー砲に二代目が飲み込まれ、その余波で柳沢が吹き飛ばされた。

単に衝撃波に巻き込まれただけでビームが直撃してない柳沢は触手細胞で強化された強靭な体もあってダメージは無かったのだが、自らが開発・設置させた「地の盾」に激突し、重要器官も含め全身に埋め込んだ触手細胞が溶かされた状態で上空に投げ出されてしまう。


「この俺が…こんな…ついでの雑魚みたいなやられ方…」

「嫌だぁあーーーーーーーー!!!!!」


無残な最期を遂げた……かのように思われていたが、何とか一命は取りとめた模様である。


しかし、全身に埋め込んだ触手細胞が強制的に溶かされた上に高所から落下したダメージの影響は大きく、もはや看護師などの力を借りなければ何もできない状態になってしまった。

更に彼の一連の研究はエネルギーとしても兵器としても制御不可能との観点から「実用に値せず」という烙印を押されてしまう。


プライドの高い彼にとっては雑魚のような最期を遂げるよりも自分が命を賭けた研究が世界から否定されるのを傍観するしかなく、自死することさえできないという状況の方がよほど屈辱的と言えるだろう。彼の行ってきた一連の行動は死んで償えるようなものではなかったということかもしれない。

渚はその柳沢の無残な行く末を見ながら、彼がこれからは「人間は誰かの助けを借りなきゃ生きられない」ものだということに気づくこと、そして、溶かされずに済んだその優秀な頭脳を「人のため」にも使ってくれることを望むのだった。


ちなみに、実写版でのキャストである成宮氏はインタビューの中で(こうした本編での末路を踏まえていたのか)柳沢のことを「頭が良いあまり、曲がった方向へ行ってしまった悲しいキャラクター」と評している。

実際原作中でも「全ての勝負に勝ってあらゆる敵を蹴落としてきた」(157話)という記述があり、下手に中途半端ではなくかなりの万能の天才であったことが伺えるが、その万能さが裏返って54話で殺せんせーが語っていたような「負ける経験の重要性」を理解せずに成長してしまったせいで、却って取り返しがつかなくなってしまったということだろう。

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