概要
第一作目から登場するプレイアブルキャラクターの一人。
武田家の当主であり真田幸村の主君。幸村含む家臣たちからは「お館様(おやかたさま)」と呼ばれている。
どの作品においてもにおいてストーリーにそれほど差異はなく、天下に自身の「王道」を敷くために上洛を目指し、川中島での宿敵・上杉謙信との戦いや、徳川家康との三方ヶ原の戦いなどが描かれている。その後の展開はタイトルによって異なり、『1』と『Chronicle2nd』においては三方原にて服部半蔵の凶刃により亡き者にされてしまう展開も。『2』では病没を偽り川中島での織田信長との闘いで相手を油断させる奇策を講じた。それ以外では概ね史実における病没に倣ってか、自身の死期を悟った発言や、軍略に焦りをみせる場面も。
「甲斐の虎」という物々しい異名とは裏腹にお茶目な性格をしており、気取った台詞の直後に「なんちゃってな」とおちゃらけてみせたり、豪快に笑い飛ばしたりなどコミカルな姿が目立つ一方、謙信に対して「全力で叩き潰してやる」と凄んでみせたり、三方ヶ原の戦いでは徳川軍を徹底して追い詰めるなど、立ち塞がる者には容赦をしない非情さを垣間見せる。『Chronicle2nd』ではそれまでに描かれていなかった同盟破棄による今川領への侵攻及びそれに伴った嫡男の廃嫡といった史実における黒い面も描かれている。
容姿
ライバルの謙信と比較すると低身長でガッシリとした体格。3以降は丸みが強調され恰幅のいい体格になっている。作品ごとで衣装のデザインは異なるが、共通してシンボルカラーは赤。大きな二本角のついた乱髪兜と、それと一体化した仮面で素顔を覆い隠している。服装は概ね中世期の大鎧と僧衣を合わせたデザインで統一されている。
また『戦国無双』でのみなまはげをモチーフにした特別衣装を着用可能。ちなみにこの衣装のままある実機ムービーを見ると、グラフィックの隙間からお館様の貧しい頭皮を拝むことが可能。
戦闘スタイル
武器は「風林火山」の文字が刻まれた軍配。
謙信の式神同様に、武器に闘気を宿して通常よりも攻撃範囲を広めて攻撃する。チャージ攻撃では風林火山を意識してか、それぞれのエフェクトの付与した攻撃技の他、シリーズを重ねるごとにウェスタンラリアット・ジャイアントスイングのようなプロレス技も使うようになっている。
因みにこの武器グラフィックは同社の『決戦Ⅲ』でも流用されており、ムービーシーンで本作の信玄や勝頼がこの軍配を奮っている姿が登場している。
人間関係
家臣はシリーズを重ねるごとに増えており、第一作目では前述の真田幸村と彼の従者であるくのいちの二人が家臣として登場している。史実において幸村が信玄に仕えたという記録はない(そもそも幸村の出生と信玄の没年までの期間は非常に短期である)が、真田家がもともと武田譜代の家臣の一族だった経緯が反映されているものとおもわれる。勇猛な武士である幸村と、潜入に長けたくのいちをそれぞれ、自身の軍略の要として重宝している。誠実な幸村も敬意を持って接しているが、くのいちとは彼女の性分もあってか若干くだけた口調での会話が多い。
『2』以降は、俗説で信玄から軍略を学んだとされる島左近も家臣の一人として登場している。やはりくだけた会話が目立ち、左近から痛い指摘をされて大笑いして誤魔化す場面も見られた。『3』では、信玄の軍略の前に次々と倒れる徳川軍の将たちを憐れむ左近に対し、自身の軍略に劣らぬ彼らの「絆」の強さを指し示し、左近にそれを両立させることが寛容であると諭した。
『4』からは幸村の兄・信之も参戦し、人間関係の延長として、新主人公というべき地位にある真田信之の師も務めることになり、彼に軍略でも人生観でも大きな影響を与えることとなった。
それは、当主であり、長兄でもあるという両者の共通した立場故であろう。
弟である信繁(幸村の本来の名の由来である)の存在が、本作ではあらゆる意味で弟たる幸村の存在に影を落としている、真田兄弟との関わりがより強調された。
『真田丸』にて遂に近習・真田昌幸も参戦し、続く後継者・武田勝頼にプレイアブルキャラクター化し、史実通りに関係でも完成した。
上杉謙信とは、川中島で幾度も刃を交える宿敵同士であるが、タイトルによっては最終的に和解し、酒を酌み交わしたり共に天下を治めたりなど決して険悪ではない様子。また、徳川家康も本編でこそ非常に畏怖しているが、番外タイトルなどではお互い過去に家臣を失った苦い経験を共有する場面もみられた。
『無双OROCHI』では強大な敵遠呂智や後世まで名を残す三国志の英傑達相手に分が悪いと思ったのか、ライバル上杉謙信と手を組んでおり、多くのステージで一緒に登場する。
また虎の異名繋がりで孫堅、軍略家繋がりで諸葛亮、司馬懿と親交がある。
関連タグ
武田信玄(史実)