概要
第一作から固有グラフィックのNPCとして登場し、『2』からPCに昇格。
史実における後の江戸幕府初代将軍・徳川家康をモチーフにしたキャラクター。後世の「鳴かぬなら、鳴くまで待とう 不如帰」の句に倣い、あらゆる苦境を辛抱強く耐え忍ぶ人物として描かれている。シリーズを通し、ストーリー当初は今川家の配下の武将として登場するも、旧友・織田信長が桶狭間の戦いにて当主・今川義元を討ち破って以降は独立。信長に協力し、東国からの他勢力を抑えつつ、織田軍の一武将として彼らの戦いに参加するようになる。
なおナンバリング5作目『戦国無双5』以降、登場キャラクターたちの設定が再構築され、家康についても全体的に年齢が引き下げられ、多くの変更が加えられた。以降は『戦国無双4』までと、『5』以降で分けて記載する。
戦国無双〜戦国無双4
身長 | 170cm→168cm(2~) |
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設定年齢 | |
武器 | 槍(初代/NPC)→筒槍(2~) |
声優 | 中田譲治 |
無双奥義・奥義皆伝の文字 | 『将』『統』 |
肩書 | 天下泰平の祖 |
東国の大名・徳川家の当主。
今川家を滅ぼし、独立の道を示した織田信長の恩義に応えようと同盟を結ぶも、信長の苛烈さや、後の武田家との三方ヶ原の戦いでの大敗で多くの忠臣を失った経験から、いつしか自らを主導に「泰平の世」の実現を志すようになる。以後は織田、豊臣と与する勢力を変えながら自身が台頭する機会を窺い、秀吉の死後に勃発した石田三成との関ヶ原の戦いに勝利し、後に200年続く江戸幕府の礎を築いた。
看板キャラクターである真田幸村と対立関係にある立ち位置から、ファンの間では事実上のラスボスと認識されるキャラクターでもある(もっとも本作のシステム上、彼やその味方勢力のキャラ視点での物語も展開されるので幸村のほうがラスボスになることもあるが)。
しかし、その為かゲーム中でも悪印象の目立つ描写が多く、敵対する事になる多くの武将からも結構辛辣な言葉をぶつけられる事が多い。
更には史実での悪印象に加え、『2』にて幸村が同じく敵対する直江兼続や三成とも熱き友情を結ぶ形で正義の同盟を組み、ファンからの絶賛を受ける事になった結果、それらと敵対する家康はゲーム内だけでなく、リアルでも「悪の権化」として屈指の嫌われキャラになってしまっており(史実で悪人の印象が強い信長や秀吉よりも更に下)、公式サイトにおける人気投票も最下位に近い状態になっている。
おまけに徳川方の武将達のストーリーでも、あまり良い所を見せるシーンが少ない等、仮にも後に「太平の世を築く偉人」でありながら、総じて扱いはあまり良いとは言えない(下手すると、息子の秀忠の方が「未熟ながらも次期将軍に相応しい器へと成長するキャラクター」として人気を集めている)。
ただし、それでも自身の傘下に入る武将達からは、いかなる罪を背負ってでも天下泰平の世を築くその信念を理解され、強く慕われている。
人物
容姿
恰幅の良い体格に短い手足のずんぐりとした体形の中年男性で、作中の男性陣の中でも特に低身長である。『1』では顔がまさしく狸そのものといった感じのあんまりな顔立ちだったが『2』にてPC昇格した際に渋味のあるダンディな顔に大幅変更された。
しかし熊髭を生やし恰幅の良い体型など、狸っぽいところは変わらず。本人も狸と呼ばれることには多少なり難色を示しており、本編外の会話イベントなどでもそういった話題を避けている節がある。また『2』以降のイベントやムービーでは兜を外した姿も登場しており、月代の銀杏髷を結っている。
細部の違いはあるものの、シリーズを通して服装は銀色の重装甲の鎧と、槍のような長い突起の付いた豪奢な兜を着用している。また、鎧の上に陣羽織もしくはマントを羽織っており、背面や甲冑の各所には徳川家の象徴である「葵紋」が施されている。
なお、『1』ではNPC扱いであるためか、『2』以降の衣装に比べると比較的地味な装いとなっている。胴巻きには亀の甲羅のような模様が彫り込まれており、苦悩に耐えながらも最後は地道な努力を実らせて大成した生涯を童話『うさぎとかめ』に重ねてのものと推測される。
『無双OROCHI魔王再臨』ではこの『1』での衣装で戦うことができるが、顔は『2』以降のままである。
基本的に中年期の姿で描かれているが、『戦国無双真田丸』では老年期の姿も登場。
髪や髭、眉毛が全て白髪になり、ボリュームが増した髭など、より貫禄が増した姿となった。
性格
基本的には温厚で、家臣に対しても心配りをみせる仁君であり、その信頼関係は非常に篤い。
一方で、前述の三方ヶ原での大敗以降は、忍耐強さや計算高さもみせるようになり、時勢を読みながら他家との友好を交わしつつ、己の名を天下に広めるために利用するなどしている。
そのためか、徳川家と敵対関係のキャラクター視点のストーリーではまさに「狸親父」の渾名通り、本心の読めない食えない人物として映ることも。
家康自身も、自らのやり方に「不義」がある事を内心自覚し、人知れず苦悩する事も少なからずあり、真田幸村、直江兼続、石田三成といった若者達が、義の志によって戦う生き様にも。一定の理解を持っている。
しかし、「人の営み」、「平穏な生活」、「小さな幸せ」から「ふとした笑顔」といった「義」よりもずっと大切な物を重んじている家康にとって、彼等の義の名の下によって起こされる戦はそれらを人々から奪い踏みにじるものである為、断固として認めない意志を貫こうとしている。
そういった意味では、「民の幸せ」を重視する家康と「武士としての志」を重視する彼等3人とは、根本から分かり合えない間柄といえる。
戦闘スタイル
武器は大筒と槍が合体した「筒槍」。
刃の付け根部分が開閉式の蓋になっており、その下にある砲口から砲弾を射出する(おそらく関ヶ原の戦いで小早川軍を大筒で威嚇した逸話に由来)。他にも火炎放射や極太レーザーも搭載されており、その多機能ぶりからファンの間では戦国オーパーツもしくはガンランスなどと通称される。そのハイテクっぷりには『無双OROCHI』で共演した月英も感嘆しきりであった。
戦闘では、その武器性能から攻撃のバリエーションに富み、遠近共に強力なダメージを与えられる他、防御力も高く、比較的扱いやすい万能タイプ。ただし脚は遅いので、移動距離のある任務や城内戦など馬に乗れない戦場などではその弊害を受けることも少なくない。
人間関係
本多忠勝やその娘の稲姫、服部半蔵、井伊直政といった家臣達との結束は堅く、彼らと共に戦国の世を闘い抜いていく。ただ、単に彼らに頼るばかりではなく、平時にはそれぞれ悩みを抱える若輩の家臣に自ら歩み寄り、彼らの言葉に耳を傾けときには助言を与えるなどの心配りを見せている。
家臣以外では、人質から解放してくれた織田信長や、同じく天下泰平を夢見て切磋琢磨した羽柴秀吉と友情を交わしている。
信長にはその恩から、今川滅亡後は東国の守備を請け負いつつ、ときには彼らの助勢に駆り出されることになる。秀吉とは、そうした信長配下の戦場で共闘する中で親交を深め、共に天下泰平の志を掲げる友となる。結果的に、後に家康は秀吉の築いた豊臣家を滅ぼすことになってしまうが、秀吉が病没した際は彼の死を純粋に悲嘆している。
また、今川義元に対しては人質として身をおくことになった恨みを持ちつつ、戦術家の師として敬意も抱いている。『4』では、桶狭間の直前に「当主とは、時には心を偽らなければならない」と説かれ、自身にその覚悟があるかと問われる場面があった。
さらに『3』や『Empires』の会話イベントでは、昨今取り上げられている一説にならってか、明智光秀とも友好的な関係を築いている。
『戦国無双真田丸』では、真田父子の生涯に渡る大敵として立ちはだかる。
本作の主人公は真田家なので過去作以上に狸親父な描写が増えているが、その分出番は真田勢に次ぐ程多く、存在感は大きい。とくに昌幸とは、彼が武田家家臣であった頃から続く因縁で、お互いに腹の読み合い探り合いを繰り返してきた宿敵関係である一方、お互いの思想について決して相容れないにしろ一定の理解を示す描写も見られる。
また、真田信之のことは聡明な人物として当初から気に入っており、敵として相まみえた彼に自ら稲姫との婚姻を勧めるなどしている。婚姻後も強く信頼し重用しており、同時に彼が時世により実の家族と戦う心痛を労る言葉もかけている。この為、信之からもまた家康を天下太平の世を築いてくれる人物として期待され、慕われている。
息子・徳川秀忠については、彼の高慢な性格に頭を悩ませ、ときには強い論調で叱責することもあったが、信之との親交を深めて以降は幕府の後継者たる風格を見せるようになり、信頼するようになる。
『無双OROCHIシリーズ』では風魔小太郎にパシられたり、遠呂智に従わざるを得なくなったりもするが、それでも耐える。そして最後には勝利を掴む。また、「良き家臣を持つ仁君」である劉備との交流もある。
JRAとのコラボ『ダービー無双』では名馬トウカイテイオーに騎乗し参戦。「関ヶ原ダービー」ではPCとして吉継のキングカメハメハ、三成のメジロマックイーンを抑え勝利するが、隠しコンテンツ「開国ダービー」ではクロフネを駆るアメリカ海軍代将に敗れ、徳川軍全員で彼のお願いを聞く羽目になった。
戦国無双5
三河を治める小大名の嫡子。
今川家の人質として駿河に向かう道中、織田家の嫡男・織田信長の軍に捕らわれる。その際、信長の芯の強さに憧れ「兄上」と呼び慕うようになり、織田家の盟友として共に戦うことに。
人物
三英傑の青年時代へ舞台設定の変更にともない、キャラクター像が大きく一新。本作ではなんとおかっぱ頭の美少年の姿になっており、これまで(それこそ第一作目)の家康とは真逆の姿に驚かされたファンも多かったであろう(因みに同じく大幅に若返った信長や秀吉は、性格はともあれ、凡そ旧来の姿をそのまま若返らせたような印象)。おそらくは桶狭間以降の徳川家康というより、今川家に属していた頃の松平元康や幼名の竹千代のイメージなのだろう(ちなみに桶狭間の戦いの頃、家康は17歳)。
衣装も、これまでのガチガチの重装備から一般的な具足姿に変更。白い襟巻きを首元に巻き、葵紋のバッジのようなもので留めている。
一応よく見ると目鼻立ち等に旧来の顔の面影が見える上、設定画の中には年齢を重ねて4までの姿に近づいていく過程の顔立ちも描かれている。ナンバリングを重ねるにつれて徐々に成長していくのはお市や伊達政宗などの前例があるうえ、彼を主人公とした大河ドラマの放送も予定されているため、今後の外伝や次回作でより成長した姿が見られる可能性もあり、またこれまでの不人気キャラクターとしての印象も変わると思われる。
戦闘スタイル
使用武器は二刀。
一回の攻撃が2連攻撃となっており、まるで舞うかのようにX字の斬撃を連続で繰り出しコンボが繋ぎやすい。
同じ使用者として山中鹿介がいる。
武将閃技は「虎爪烈破」。左右の袈裟斬り+サマーソルトで*型の斬撃を前方に飛ばす。
無双奥義は、竜巻を起こしながら上昇し、最後に二刀を揃えて力強い兜割りを繰り出すもので、皆伝では着地後に追撃で二刀を左右に払って横一文字の斬撃を放つ。
これまでの攻撃・防御特化型からスピーディーなアクションとコンボ重視となり、アクション面でも別人のようになった。…それでも戦闘中の専用台詞が「急がず着実に…」となっているのが何処かシュールである。
人間関係
上述通り、キャラクター構成の一新により、前作から引き続いて家臣を務めるキャラクターは本多忠勝、服部半蔵の2名のみとなり、また彼らもまた人物像の変更により関係性もだいぶ変わっている。
忠勝は、本作では家康とは対照的な荒々しく血気盛んな青年となっており、家臣というよりは齢の近い友人といった間柄。家康のことを幼名の「竹千代」と呼び、ときには遠慮のない物言いで背中を押している。しかし、家臣としての自覚もあり、家康に対するこうした態度もゆくゆくは改めなければいけないと感じている。
半蔵は、家康や忠勝とは逆に史実の服部正成に寄せて渋みのある姿になると共に、家中での立場も「伊賀忍団出身の家老」となり、家康のことも「若」と呼んでいる。心身共に未熟な二人にときに苦言を漏らすこともあるが、その忠義は変わらず、方針の立案やアドバイスで支えている。
新キャラクターである瀬名は、義元の姪で徳川を傘下に加える上で家康の妻となった人物。義元から溺愛された影響か、プライドが高く我儘な所もあるが、家康への愛情は深く、夫の胸中を理解し献身的に支えている。
関連イラスト
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