真田兄弟
さなだきょうだい
それぞれ真田昌幸の長男、次男として誕生。
乱世に生を享けた兄弟は武将として活躍し、最終的に敵対して各々の役割を全うした。
なお『幸村』の名は後世の創作で、生前の実名は『信繁』であったとされるが、ここでは幸村表記で統一する。
主家滅亡
史実の詳細な事跡については、真田信之、真田信繁各項目を参照のこと。
主家である甲斐武田家の滅亡から真田家は常に滅亡の危機に立たされていたが、父・昌幸は巧みな外交・軍事手腕を発揮、これを切り抜けた。若年ながら信幸は父の片腕として北条・徳川の大軍を寡兵で幾度も打ち破る活躍を見せ、幸村は臣従先の上杉、豊臣に人質として出向いた。
北条攻めの折には父兄弟が揃って小田原征伐に従軍した。これが幸村の初陣とも伝えられる。
真田家は豊臣政権下で徳川の寄騎大名となり、所領を安堵された。和睦の印として、徳川家康は重臣本多忠勝の娘・稲姫(小松姫)を信幸に嫁がせた。一方、大谷吉継は主君・豊臣秀吉の命により自身の娘を幸村に娶らせている。このことが後に兄弟の立場を違える要因となる。
別離
秀吉死後の慶長5年(1600年)に五大老筆頭・徳川家康が同じく五大老の一人であった会津の上杉景勝討伐の兵を起こすと、留守中に五奉行の石田三成らが挙兵して関ヶ原の戦いに至る。信幸は東軍、昌幸と幸村は西軍に属し、ここに兄弟は袂を分かった。(犬伏の別れ)
第二次上田合戦
徳川秀忠軍は中山道から関ヶ原を目指すが、途中、真田昌幸が防衛する上田城の攻略に難航する。幸村も遊撃部隊を率いて撹乱し、真田軍は秀忠軍約38000の兵力を信濃に釘付けすることに成功した。しかし関ヶ原本戦で三成率いる西軍は大崩れとなり、東軍の勝利に終わる。
昌幸と幸村は敗軍の将として切腹を命じられるところを、信幸の必死の助命嘆願により死罪を免れ、九度山へ流罪となった。
この時信幸は父・弟との決別の証に、諱を『信之』へと改めている。
慶長16年(1611年)、幸村は九度山の真田庵にて昌幸の最期を看取った。
大坂の役
慶長19年(1614年)、方広寺鐘銘事件をきっかけに徳川氏と豊臣氏の関係が悪化、大名の加勢が期待できない豊臣家は浪人を集める策を採った。幸村もまた大坂方の誘いを受け、監視の目を逃れて大坂城へと入城し、再度兄と立場を違えた。
冬の陣にて幸村は真田丸を築き、幕府方の部隊に大打撃を与えることに成功し、その武名を轟かせた。
なお、徳川方についた兄に遠慮し、大坂の役において幸村は軍旗に六文銭を使用していない。
そして夏の陣、幸村は家康を討死寸前まで追い詰めた末に敗走、戦死したが、信之の忠節により真田家は一切の処罰を受けなかった。
その後も数々の苦境に立たされながらも、信之は真田家存続にその生涯を捧げた。
現存する手紙や逸話等から、互いに厚い信頼を寄せていた仲の良い兄弟であったことが窺い知れる。
両者が家督や所領を巡って争った事跡は皆無であり、敵対した後も常に互いの身を案じ、各々の役割を果たしながらも衝突を避け、守ろうとした。
小松姫も、蟄居中の昌幸・幸村親子に対し、自費からの仕送りを欠かさなかったという。
若年より一流の戦術家として活躍した信之は名君として善政を敷き、明治まで続く松代藩の基盤を築き上げた。
一方で長らく人質として過ごした幸村は大坂の陣で父や兄に劣らぬ活躍を見せ、真田の武名を後世まで伝えさせた。
ともに父の才気を存分に受け継いだ傑物の兄弟といえる。
・犬伏の別れの後、信幸は徳川秀忠軍と合流し、幸村が守る戸石城攻略を命じられる。しかし交戦を望まない信幸は弟と話をつけ、幸村は兄からの開城要請に応じて父のいる上田城へ撤退した。
この時、「真田同士で争えば士気が上がらず、より時間を稼げたものを」と叱責した昌幸に対し、「兄上と矛を交えるのは本意ではなく、真田が潰し合えばそれこそ秀忠の思う壺です」と返したという。諸将に戦功を与えたい秀忠は信幸に戸石城での待機を命じ、かくて真田同士の消耗は避けられた。
・大坂城内でも真田兄弟の存在は話題になっていたようで、病床の信之の代理として出陣した真田信吉・信政(信之長男・次男)らに対し、木村重成は幸村の心中を察し、彼らを鉄砲で狙わないように自分の隊に命じたという。
・信幸は西軍に与した父と弟の助命を嘆願したが、両名に散々煮え湯を飲まされていた家康・秀忠親子は強硬に死罪を主張した。これに対して義父忠勝は家康に対し「お聞き入れくだされなければ、それがしが殿と一戦仕る」と啖呵を切り、家康を唖然とさせたという。信之に対する忠勝の信頼の厚さが窺えるエピソード。
戦国無双
ゲーム戦国無双シリーズにおける看板武将として幸村が第一作目より参戦。詳細は真田幸村(戦国無双)参照のこと。
その後『戦国無双4』に信之が無双武将として正式参戦し、真田兄弟が揃い踏みとなった。
(その他の真田一族については真田家の記事を参照。)
戦国BASARA
ゲーム戦国BASARAシリーズにおける看板武将の伊達政宗のライバルキャラとして幸村が第一作目より参戦。
その後、10年以上の長い年月を経て番外編である「戦国BASARA 真田幸村伝」にて兄の信之が登場した。
(昌幸を加えた場合については真田家の記事を参照。)
関連記事
親記事
子記事
兄弟記事
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見る- 背徳の愛
背徳の愛を捧げよう
6月=ジューンブライド→愛を告白するでええやん というアホな考えから生まれた作品。 [夫婦(明るい)]と[BL(暗い)]の二つのシリーズで、それぞれの好きCPで書いていこうと。 6月終わる迄にキリ良く完結出来るか、無謀なチャレンジをしています。 此方は[暗い方]で、かつメインCPとして一番に書き上げた作品。 この兄弟から全ては始まりました。 最初の注意書きをお読み頂いてから作品をお楽しみ下さい。 夫婦シリーズは此方↓↓ http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3940326 背徳シリーズ二作目(正清)↓↓ http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=39429555,108文字pixiv小説作品 未来への遺産【完全版】
閲覧&ブクマありがとうございます。相変わらず真田兄弟への熱は冷めません。クロニクル3を今から全裸待機です。 そんなワケで、以前上げた同タイトルの所謂完全版と言うヤツです。加筆修正がそれなりにあります。 二人には本当に幸せになってもらいたいものです。 Song by W/I/L/L10,074文字pixiv小説作品- 月と日 幹と花
もし継国兄弟と真田兄弟が幼馴染だったら18
前作でいいね、ブックマーク、閲覧してくださった皆様、ありがとうございます。 今回は新人さんいらっしゃい&不穏の種蒔きです。いくつ芽吹くか分かりませんけど、ちょっと蒔いてみました。 多くの捏造、妄想で出来ています。知識はネットに頼りっぱなしです。付け焼き刃の知識ですので、間違いがあってもスルーしていただけると助かります。 逃げ若で真田のご先祖様が衝撃発言しましたね。真田家は鎌倉時代に海野家から分かれた+幸綱の母親が海野家の出身だそうです。 ご先祖様の強くなれた理由を知った真田の皆さん 「兄上、童貞ってなんですか?」 「さあ、知らない。綱家は知っているか?」 「へ、あ、あの、あのですね…、頼康殿ぉ」 「ははは、簡単に言えば結婚していないという事ですよ」 「うわぁ、じゃあとても強い矢沢の大叔父上は実行したのでしょうか」 「ご先祖様の言葉が本当だったら、そうかもしれない」 「まさか、してないと思いますよ。ですよねぇ頼康殿。何で目を逸らすんですかっ」 「あ、いや、俺、父上が三十歳過ぎてからの子ども……」 「えええっ!?ちょ、幸綱様っ」 「はっはっはっ、さぁてのう?」 ※矢沢頼綱・頼康親子は生年に諸説あります17,529文字pixiv小説作品 - 月と日 幹と花
もし継国兄弟と真田兄弟が幼馴染だったら20
前作でいいね、ブックマーク、閲覧してくださった皆様、ありがとうございます。 今回は縁壱がしゃべり己の力に酔った日、そして家族とのひととき。歴史的な不穏さも増してきました。 いやぁ、継国父が随分丸くなりましたな。真田さんちに乾杯! 継国父の原作で見た初期の印象が「剣の腕だけ見て跡継ぎ入れ替えるとか戦国乱世なめとんのか、この坂東武者が!」だったんですよね。家臣が一人二人しかいない端武者ならともかく、畳敷きの部屋がいくつもあるでかい屋敷に住んでるような家の当主がそれはないわぁって。正直継国さんちが、謀多きが勝ち少なきが負ける中国地方や、軍事力はもちろん政治力もないと将軍すら追放暗殺されちゃう畿内あたりにあったら、跡継ぎ入れ替えなかったんじゃないかとも思いました。 多くの捏造、妄想で出来ています。知識はネットに頼りっぱなしです。付け焼き刃の知識ですので、間違いがあってもスルーしていただけると助かります。17,929文字pixiv小説作品 - 幸村受け短編
3:【兄幸】不良幸村ネタで想像してみた
第三弾です。 最近、現パロ生き別れネタが妙にマイブームなので不良一匹狼な幸村からの兄幸っぽいです。 幸村の性格及び事情がかなり酷いので、何でも許せる方向けです…。 タイトルのセンスが欲しい←切実 短編で収めるべく一度下げて書きたい部分を加筆修正させていただきました。 素敵な表紙はお借りしました(1参照)6,305文字pixiv小説作品 - 弟傾倒症(ぶらこん)の兄ができるまで(真田兄弟)【完結】
弟傾倒症(ぶらこん)の兄ができるまで5(真田兄弟)
信之と幸村の幼少時代の捏造話。 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5162897の続き。 今回で最終話になります。少し長くなりましたが1話にまとめました。 1:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4822226 2:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4887798 3:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4946517 4:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5162897 5:この話 珍しくシリアスに突っ走っております。 オリジナルキャラやら捏造設定やら、いつも以上に好き勝手やっていますのでご注意。 書きながら自分の語彙と文章力不足に何度も頭抱える羽目になったシリーズでした。 拙い文章にここまでお付き合いくださった方々、本当にありがとうございました。 力不足で上手く表現できなかった部分も多々ありますが、ずっと自分の中にあった話だったので形にできて嬉しかったです。文章力鍛えていつかリベンジしたい…! 個人的に、信之は幸村に甘いし守ろうともするけれど、それが幸村のためになるなら存外簡単に手を離せる人なんじゃないかな、と思っています。 派生の小話(弁丸が「雪の色」に惹かれた理由とか)も脳内にあるので、機会があれば書ければなぁと。 ※ふりがな、誤字等修正や(場合によっては)加筆のため一時的に非公開にするやもしれませんがご容赦ください。18,929文字pixiv小説作品 - 友よ、笑顔よ、永久に。
真田の章①
DIO戦途中で戦国無双の世界にぶっとんじゃったジョジョ3部の花京院+αが、関ヶ原あたりの時期の武将の皆様となんやかんやで『友だち』になっていって、その哀しい運命を蹴散らそうと奮闘するお話。第二話です。 一話に対し、嬉しすぎることに、いいねやブクマやコメント、そしてタグまで! 本当にありがとうございます!! にもかかわらず前回から半年以上経ってしまいました……申し訳ありません。今話を書くにあたって真田丸を再プレイしていました、というのは言い訳にもなりませんね。また泣かされました……なにこの素敵すぎる兄弟というか家族…… ☆このお話はジョジョ×戦国無双のクロスオーバーかつ拙作『私の生まれた理由』のイフ&パラレルストーリー的ななにか……です。オリキャラ(女)いますが、愛されヒロインポジにいるのはたぶんむしろなぜかどう考えても花京院。 ☆両作品、特に今回無双武器に関して勝手な解釈や捏造、勉強不足、誰得御都合設定多発。今さらですが花京院をはじめとしてキャラがおかしいと思しき方多数。何でも許せる心の広い方以外は退却推奨です。 ☆最後のページにあとがき? と次回予告的な何かついてます。よろしければ……17,239文字pixiv小説作品 仲良き事は尊ぶべき哉
父の日なので、捏造幼少期で昌幸親子です。 弟が父兄を、兄が弟を、そして父が子を思う……そんな仲良し昌幸親子を目指して書きました。 昌幸は完全にオリジナル設定ですので、苦手な方は要注意。 幸村も大事ですが、信之は真田もとても大事にしている人なので、作中の言動には彼らしからぬ表現もありますが、その辺りも幼少期という事で解釈して頂けたら幸いです。 設定など荒い部分もあるのですが、細かい部分はあまり気にしないで頂けますよう、どうぞご容赦下さい; タイトルは『なかよきことはたっとぶべきかな』と読みます。4,783文字pixiv小説作品【告知】夏コミ 寄稿小説「二匹の金魚」
夏コミ金曜 東オ37a 「万秋堂」/椎間様http://www.pixiv.net/member.php?id=2288210のスペースにて配布される幸兄本に寄稿させていただいております。 「二匹の金魚」と言う短編です。良かったらご覧くださいませ。m(_ _)m482文字pixiv小説作品