概要
プリキュアシリーズでは毎年プリキュアの学力についての話題が振られることが多い。
中でも桃キュアはその年のプリキュアの象徴ともいえる存在であり担当者の学力は注目度が必然的に高くなる。
相田マナ・春野はるか・花咲つぼみのように勉強ができるメンバーもいるにはいるが、桃キュアは勉強が苦手なキャラの方が圧倒的に多く、中には赤点をとっても平然としているレベルの問題児すら存在した。また桃キュア以外にも明確に勉強が苦手とされるプリキュアも何人か存在していた。
本編開始後
そんな中始まった『魔法つかいプリキュア!』
主人公の朝日奈みらいは前日に空から落ちてきたものを探しに行くことを母の今日子に告げる。母親がそれを承諾するときに「勉強にもそれくらいワクワクしてくれるといいんだけどねぇ~」と発言した。前作の主人公は努力家な優等生枠だったので順番的にいえば今年はダメ枠だという先入観もあり、視聴者からは「ああ、今年の桃キュアは勉強ダメ枠なのか~w」と思われていた。
キャラクター説明でも「興味がわかない件には集中できない」とあり、更に第14話の予告で26点のテストが返ってきたことで、「ああ、やっぱりw」とみらいのダメな子ぶりを確信していた視聴者はさらに増えたであろう。
だが14話本編・・・
そして迎えた14話本編。視聴者は予想外の展開に困惑することになる。
確かにみらいは苦手な数学こそ赤点を取ってしまったが、この時担任の高木先生に「他の教科はできるのに」と言われており、現に理科や英語の授業でのみらいはやる気満々だった。そう、みらいが興味が持てないのは勉強そのものではなく、その中の数学だけだったのだ。今迄の勉強が苦手な桃キュアは科目を問わず成績が低かったため、この光景は実に意外であった。
その数学も、本編序盤こそ中々手が付かなかったもののリコの影での涙ぐましい努力に触発されてからは心機一転してやる気を起こし、再テストでは85点というなかなかのスコアを出している。
どうやら今日子ママは「他の教科はちゃんとできるのだから、数学ももうひと頑張りして欲しいわね」と思っていた模様。この調子だと数学を克服する日もそう遠くないのかもしれない。
苦手な数学を克服したのかどうかは不明だが、その後の第22話ではリコが来て以降みらいの成績が上がったと今日子ママが発言しているのを見るにその後もちゃんと勉強はしているようだ。やはり継続は力なり。
周囲への影響
当初の予想に反してみらいが意外にできる子だったことに視聴者も驚かされたであろうが、この件でより大きなショックを受けたのは歴代の勉強が苦手な先輩プリキュアたちであろう。
今回の件でみらいも学力が高い桃キュアとしてカウントされるようになり、前任のはるかに続いて二年連続で勉強ができる桃キュアが出てきたことになる。全体としては11人中4人とまだまだ少数派だが、それでも七作前まで壊滅状態で、その後も四作前までつぼみの孤軍奮闘状態が続いていたことを考えると隔世の感がある。
しかも、ここ五年間に絞って目を向けてみると
×みゆき>○マナ>×めぐみ>○はるか>○みらい
と、寧ろ出来る子の方が多いという意外な結果に。
ひょっとしたら桃キュアにも学力向上という変革の風が吹いているのかもしれない。
勉強が苦手な子たちの心境は穏やかではないようだ。
だからと言って堕落な道へ引きずり込もうとしてはいけませんよ?プリキュアとして……という前に、人間として。
余談
まほプリのコンビは初期メンバーが二人で構成されているプリキュアの中で初めて双方ともに平均以上の学力を持っているコンビとなった。ひょっとするとカラフルスタイルでサファイアスタイルと呼ばれる青キュア要素を持っていたのもみらいが意外にできるこの一因かもしれない。
春のオールスターズ映画のパンフレットでは「みらいは算数と理科が苦手」とあったがこれは数式が苦手という設定なら科学分野も苦手なのだろうという発想だった様子。今回の描写で理科については科学の実験にはワクワクを感じられることが描かれたため、理科の授業に数式がそこまで必要でない中学2年生の現状では理科はできる方の科目という扱いに変更された。もっとも、高校生以上になると数式への苦手意識が克服されないと科学分野はついて行きにくくはなるので、何事にも全力を尽くすというリコの姿勢はいいタイミングでみらいの刺激になったようだ。
また、リコとナシマホウ界で初めて過ごした夜でその時の月齢について「十六夜(いざよい)だよ。」と小難しい名称で説明していたことから、ひょっとしたらそれも”桃キュアとしては意外に出来る子”の伏線だったのかもしれない。
実は朝日放送の公式ページの第14話予告では「国語も英語も理科もワクワクする」と既に書かれており、これをチェックしていた視聴者であればショックはさほど大きくなかったのかもしれない。