概要
背景としては、2023年(令和5年)6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」、通称「LGBT理解増進法」が成立したことにある。
これに大いに落胆したベストセラー小説作家の百田尚樹と、ジャーナリストの有本香が協力する形となり政党が立ち上げられた。
2023年10月17日に結党記者会見を行った。
創立メンバーに代表の百田尚樹、事務総長は有本香、荒川区議から小坂英二。
共同代表に名古屋市長の河村たかし。同じく名古屋市副市長の広沢一郎が事務局次長となっている。
2024年(令和6年)10月27日の衆議院議員総選挙で国政進出を果たした。
政策
日本を豊かに、強く。という言葉と共に日本の国体、伝統文化を守る事を理念としている。
憲法9条改正、「スパイ防止法」の制定、外国勢力による土地・不動産買収の禁止。
また経済において、消費税減税による国民負担率の軽減。
名古屋モデルを参考に地方税減税を全国で推進すべきと主張。
世襲による議員の家業化を止める事などを提案している。
他にも移民政策の是正、再エネ賦課金の廃止、
エネルギー分野への外国資本の参入を禁止する法整備などが必要と主張している。
政策だけならば、非常に真っ当で、実行さえできれば日本は間違いなく今より良くなるだろう。実行さえできれば。
主な支持層とその反応
この「保守ムーヴメント」に、自民党の「政治とカネ」を含む多くの政治スキャンダルで、裏切られたと感じた保守岩盤層がいくらか流れたのか、支持する声は一見するとネット上では多い。
実際、結党からそう間もなく行われた名古屋街宣、梅田街宣には数千~数万規模の大聴衆が集まった。
梅田街宣では多数のパトカー、消防車、救急車が集まり、警察の要請でやむなく演説中止となったが、それだけの騒ぎが起こったにもかかわらず、新聞やテレビはほぼ無反応で、地上波とネット界隈との熱量差は歴然としていた。
そのため、保守党を支持する層としては主にネットを中心として情報を得ていた層になるものと思われる。
最近の動向
24年夏より、キャラバンと称した街宣活動を各地で続けていたが……。
10月に衆議院が解散され、15日公示・27日投開票となった衆議院選挙に
比例は百田尚樹や有本香をはじめとした26人を擁立とした。(参考リンク)
近畿ブロックでは代表の百田尚樹が3位となっているがこの人選について
百田氏は「どういう順番にするかは執行部であらゆることを想定した。誰が一番国会議員になるのがふさわしい人物かを優先した」と語った。
なお、このリストの中に東京15区補選に挑戦した飯山あかりは外れている。
理由はよくわかっていないが、肝心な時期に自身のyoutubeチャンネルで暴露話を始めたりといささか不穏な空気が見られていた。
衆院選の結果は愛知1区にて前名古屋市長の河村たかしが当選、
比例から東海ブロックの竹上ゆうこと近畿ブロックの島田洋一がそれぞれ当選となり、
3議席に加えて得票率2%以上を経て、晴れて国政政党となった。
批判と総評
国を真摯に思う保守思想に立脚した政策は特に右派から一定の評価を得ている。
同じく右寄りの新党参政党に比べ、どちらかといえば高齢の支持者が多く、良く言えば一体感と団結力がある支持者も特徴的である。一方で悪く言えば組織内の同調圧力が強く、支持者と代表者の強い愛国心と情熱が空回りしてしまう側面も併せ持つ。支持者、代表者が繰り返すSNSでの舌戦、集会の際の騒動など、現実に様々な綻びが起きている。加えて、2024年現在の当選者はかつての減税日本のメンバーで、肝心要の百田有本両名は落選しており、事実上の減税日本勢力である。さらに、百田氏の失言もあり、一般層からは少数派の過激な極右政党と目され始めている。更に、代表者二人を知る保守派論客からは両名の気性の激しさから喧嘩別れして空中分解するのではないかとも心配されてもいる。
その為、右からも左からも冷ややかな視線を送られているきらいがある。
今後の党勢拡大には、組織力の強化が最重要課題である
代表者支持者共々国を憂うあまり突っ走ってしまう傾向が強く、それらを具体的な選挙活動につなげる実務能力に秀でた優秀なスタッフやメンバー間の調停役の獲得が、今の日本保守党には何より必要と思われる。
チャンネルリンク
月曜〜金曜の日本時間あさ8時に、百田尚樹と有本香がゲストを招いてYouTubeで生配信するチャンネル。