ファフニールとは北欧神話、及びリヒャルト・ワーグナーの戯曲『ニーベルングの指輪』に登場する怪物である。
ファルニル、ファーヴニル、ファーブニル、ファーフニル、ファフナーとも。
概要
魔法使い・フレイズマルの3人息子のひとりで、弟にオッテルとレギンがいる。
神々から弟を殺した責任に財宝と魔法の指輪を得るが、その黄金の呪いによってその魅力に取りつかれて父親を殺し、その黄金を掻っ攫ってドラゴンに変身して財宝を独り占めすることになる。
父親フレイズマルが所持していた名剣フロッティと見た者に恐怖を与えるというエイギスヒャルムを所持し、鋼のような鱗と毒の吐息を武器とし、いかなる攻撃をも凌いでその爪や牙、毒の吐息で相手を倒してしまう強敵だったが、魔剣グラムを携えたシグルズに倒される。
彼が殺害された後にレギンはシグルズにその心臓を焼いて食べさせてほしいと頼んだ。その途中焼き加減を確かめるためにシグルズは親指を押しつけた際に火傷してしまいその親指を舐めた時に動物の声を聴く力を手にした。また、シグルズはその心臓を食したことで誰よりも賢くなったと言う。
物語
神であるロキ・オーディン・ヘーニルが旅をしているとき、河でカワウソに変身していたオッテルをロキがいたずらにしとめてしまい、宿を求てフレイズマルのもとを訪れた際に事が露見してフレイズマル親子に三人は捕らえられてしまう。
息子を殺した賠償金を要求する彼らに対し、神々はオッテルの皮の内側と外側を埋め尽くす量の黄金(もしくは赤い黄金)を支払うことで合意する。オーディンとヘーニルが人質として残され、ロキがドワーフのアンドヴァリから黄金と黄金を生み出す指輪(もしくは腕輪)を奪う。その際に、アンドヴァリは指輪の持ち主に永遠の不幸をもたらす呪いをかける。
黄金を手に入れた親子であったが、その魅力に取りつかれたファフニールは父親を殺して黄金を奪った。レギンが財産の分け前を要求するとエイギスヒャルムを被りこれを拒否し、更にグニタヘイズと呼ばれる土地に逃亡して、誰にも財宝を奪われないようドラゴン(ワイアーム)に変身して財宝を独り占めしはじめる。
このことが気に食わなかったレギンは、養子であるシグルズをそそのかして彼を倒させるが、ファフニールの心臓の脂を舐めてすべて生物の言語を理解したシグルズに小鳥が密告したことですべてを見透かされてしまい、返り討ちにあう。
その他
ドラゴンの中でも名前を持つ個体として非常に有名であり、そのことから様々なものの名前やモチーフにされている。
例)
関連タグ
ミラボレアス - ドラゴンをそのまま具現化したかのよう外見、殺した相手の武具を持ち去るなど、共通点が多い。