概要
兵庫県宝塚市を本拠とする、未婚の女性のみからなる日本の歌劇団。略称は「ヅカ」。阪急電鉄株式会社の直轄組織となっており、同社の社内部署「創遊事業本部歌劇事業部」が事業運営を行っている。このため劇団員は同社の社員扱いとなっている。
1914年4月1日に初の公演を行って以来、今日も人気を集める女性歌劇(少女歌劇)の劇団である。現在は花(はな)・月(つき)・雪(ゆき)・星(ほし)・宙(そら)の5組と、いずれの組にも所属しない専科に分かれている。「宝塚」「ヅカ」などと略して呼ばれることも多い。宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)と、東京宝塚劇場(東京都千代田区)を中心に公演を行っている。また、中劇場の宝塚バウホール(宝塚市)も所有。2001年より、劇場中継や公演案内を中心とした専門チャンネル「TAKARAZUKA SKY STAGE」の東経110度CS放送が行われている。
創設の当初から「老若男女誰もが楽しめる国民劇」を目指し、日本で初めてレヴューを上演した劇団として、一躍有名になった。現在も、健全かつどの世代の人が見ても楽しめる演目を中心に、芝居(ミュージカル)やレヴューを上演し続けている。ジャンルは古今東西を問わず、歴史劇、ファンタジー、そしてSFまで多岐にわたる。最近はるろ剣や戦国BASARAなど、ごくごく最近の作品を(もちろん原作者などに許可を取って)「宝塚歌劇の演目」として上演することもある(「ベルサイユのばら」の逆輸入、という前例はあるが)。
変わった所では、ご当地漫画家である手塚治虫の名作と言うこともありブラック・ジャックを上演したことも。もちろん顔の縫合跡とかは特殊メイク。
舞台に出演するのは劇団併設の宝塚音楽学校の卒業生であり、全員が未婚女性である。退団後の再入団も認められておらず、外部の俳優が本公演に出演することもない。また団員が在団中に外部の舞台・テレビなどに出演することは少ない(退団後であれば実例あり。中にはのちに鉄腕アトムの声を担当された方も!)。団員の育成が、大きな特徴の一つであり、本公演の稽古期間は公演日数とほぼ同じである。また若手スターの勉強の場として新人公演が開催されたり、団員向けの劇団レッスン(無料)等も開講されている。
女性だけの劇団であるため、男性役も女性が演じる。男性の役を「男役」・女性の役を「娘役」と言う。身長を目安に宝塚音楽学校にどちらかを優先的に希望することになっているが、公式に定められてはいない。また、入団後、男役→娘役への転向は多数の例があるが、娘役→男役の転向例は極めてまれである。創設初期の頃は娘役に人気が集まったが、現在は男役の方がファンの人気が高い。そのため舞台構成なども男役を中心に作られる。
トップスターは概ね就任後2,3年で退団となる(過去には8年以上のトップスターや2年未満の短い者もおり絶対ではない)が、明確な基準が公表されているわけではなく退団のタイミングはトップでないものもあまり明確でない部分もある。
退団後タレントや俳優に転向する場合、在籍時の芸名を使うか本名に戻すか、新たな芸名をつけるかは本人次第である。
劇団のシンボルソングのようになっている「すみれの花咲く頃」は戦前のドイツ映画主題歌「リラ(またはライラック、ニワトコ)の花咲く頃」をフランスでシャンソン化して歌われているのを聴いた白井鐵造が持ち帰って詞をつけたもの(原曲のドイツ語版のCDなども発売されている)。歌劇団のみならず阪急百貨店の開店時にも演奏されるなど阪急阪神東宝グループの象徴的なテーマ曲となっている。
余談
- 昔は宝塚歌劇の舞台を中継する番組が関西ローカルで放送されていた。
関連タグ
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ - 『ベルサイユのばら』の主人公。宝塚歌劇の男役がルーツとなっている。後に作品丸ごと逆輸入され大ヒット、現在に至るまで定期的に上演されている。
イガム王子 - 『光戦隊マスクマン』に登場した、宝塚歌劇の男役な顔出し女性敵幹部。
ツナシ・タクト - 銀河美少年時のコスチュームは宝塚歌劇の男役の衣装をモチーフにしたらしい。
白鐘直斗 - P4Gに出てくるコロネットアーマーの上半身の部分は宝塚歌劇の男役の衣装がモチーフらしい
福本豊 - NPBにおける最多通算盗塁、最多シーズン盗塁、最多連続盗塁王の記録を持つ元韋駄天の、現おもろいオッサン。「オレに会いたければ劇場の前で待ち構えてれば良い」と公言するほど、宝塚歌劇団の大ファン