モットー(校訓)
「清く 正しく 美しく」
概要
入学資格は中学卒業以上、18歳まで。
全寮制というわけではないが、校則により一人暮らしが禁じられており、また学校の性質上遠方の出身者が多数を占めるため、近畿地方出身者を除く多くが「すみれ寮」という寮で生活する。
すみれ寮はかつては2人部屋だったが2015年に建て直しおよび引越しがされ全個室のワンルームマンションに近い仕様に変更されており、アレルギー等の問題で食堂が廃止されて久しいため、食事は自分で調達する必要がある。
義務教育終了から高卒までの年齢(15歳 - 18歳)の者が受験可能な女子校で2年制、1年次を「予科」2年次を「本科」と呼ぶ。
2年間みっちりと声楽・バレエ・日舞などのスキルをレッスンする。
とはいっても、バレエなどは既に入学までにそれなりのレベルにある者も少なくない。
かつては夏休みに生徒たちは帰され、成績不振者はそのまま退学になることもあったという。
2003年度より、中卒・高校中退者について希望者のみ高校卒業単位取得授業も受けることが出来、歌劇団員になっても単位取得まで受けられる。
制服はグレーのジャンパースカートの上に同色のボレロ、赤いリボンタイ。
予科生のみ髪型が指定されており、男役はリーゼントヘア、娘役は三つ編みのおさげ。
本科で漸く芸名を考案することができ、お披露目が行われる。
受験
上述したように受験時に義務教育を修了し、高等学校卒業もしくは在学中(通信制含)であることが条件。つまり受験の機会は最大4回まで。但し専修学校や各種学校はこれに含まれない。
また容姿端麗であることも条件とされていたが、時代の変遷などにより2024年をもって撤廃、心身共に健康が条件として加えられた。
入学試験は毎年3月末に行われる。
倍率は毎年25倍前後を推移しているが、少子化や感染症の影響もあり2020年以降は微減している。それでも2024年度入試の倍率は12倍なので、高いことには変わりない。
最高倍率は1994年(82期生)の48倍。
試験は2009年より以下のような内容で実施されている。
- 一次試験: 面接。30秒間で氏名以外のプロフィールを暗唱する。この時点で合格者は全志願者数の半分以下に絞られる。
- 二次試験: 面接・実技試験。実技試験は歌唱と舞踊。歌唱は課題曲と受験日当日に提示される新曲を視唱する。舞踊はかつての演目から選択される。この時点で合格者は全志願者数の1割に絞られる。
- 最終試験: 面接・健康診断。
合格発表では予科生(次年度の本科生)が合格者の受験番号を記載したパネルを開示するのが名物だった。
2020年度以降はCOVID-19により、ネットでの発表に変更されている。
願書は音楽学校から取り寄せるか、本屋で手に入れることができる。
課題曲等は願書に同梱されている。
不文律
戦前から「女子士官学校」と揶揄されたくらいに上下関係としきたりが厳しい事で有名。
予科生は本科生に絶対服従で笑い声も立ててはいけない、歩く時も軍隊のように歩く、制服のリボン以外、赤いものは持たないなど厳しいしきたりが存在して来た。
OBのタレント達が度々バラエティ番組でネタにする程の強烈なエピソードには事欠かなかったらしく、ACHOU(華央あみり)曰く「体験入隊で行かされた自衛隊の方がラク」で、彼女の在籍当時にはその厳しい実態を外部に喋ると「外部漏らし」として上級生からのシメの対象となったらしい。
政治家・梨園の妻・宝塚の3つの厳しい世界を経験した扇千景ですら、「ダントツで宝塚がきつい」と発言している。
このような不文律は舞台人として相応しい振舞をするようにと生徒たちが独自に編み出したもの。
例として一列になって歩くのは、狭い舞台裏で素早く移動するためのものである。
時代の流れで削除されたもの(男役のリーゼントの作り方)や形骸化したもの(阪急電鉄へのお辞儀)も存在しており、遂に2020年9月に音楽学校から厳しい不文律の廃止が公言された。
また、すみれ寮の浴室が大浴場のみであった時代は「先輩から叱責された日は風呂に入れない」などの不文律があったものの、上述のように改装により個室にユニットバスがつくようになったため結果的にこれによってもシメが緩和することになった。
余談
音楽学校が主催する日曜教室宝塚コドモアテネが開催されている。
参加している子供たちの中には宝塚歌劇団への入団希望者も存在している。
コドモアテネ参加者のタカラジェンヌには真矢みきなどがいる。
すみれ寮の建て替えはOGからは羨ましいと感じる一方、かつての寮が変わってしまったことに哀愁を感じている様子。
関連タグ
小林一三:学校創立者。
向陽台高等学校(通信制、単位制):高校修学サポートの連携先。
かげきしょうじょ!:舞台の紅華音楽学校は宝塚音楽学校がモデル。
PL学園:往年の厳しい上下関係やしきたりなどがよく並んでネタにされる。