植物のわさび
アブラナ科ワサビ属の植物。日本原産。渓流の脇などに生息する。正確な植物種名は「ワサビ」(動植物名は片仮名表記で書くのが一般的な為)。
漢字では「山葵」と書く。葉っぱの形が葵(アオイ)に似ている事に由来する。
独特の辛さがあり、香辛料として利用される。野生種が稀少になってしまっているため、栽培も広く行われている。
主に茎をすりおろしたものを使うが、実は捨てるところのない植物。
葉や茎は天麩羅にしたり醤油で煮て食す(ちなみにコチラも辛い)。根や茎を粕漬けにしたモノが「わさび漬け」である。
高い殺菌効果もあり、刺身や握り寿司にワサビを使うのはその為である。すり下ろしたものを巻き寿司にすることもあり、ナミダ巻きと呼ばれる(ナミダ=寿司屋の符帳でワサビの事)。
ちなみに現在でこそ一般的な香辛料となったわさびだが、一般に広まるようになったのはごく最近だったりする。
その理由は、葉っぱ。その葉っぱの成り方が、将軍(徳川)家の家紋に非常に似ている事から将軍家への献上品としてもっぱら用いられ、農民はもちろんの事平民の口に入る事もなかったとか。
なお、元々は平民のグルメだった握り寿司には練り辛子が用いられていた。
栽培においては、畑に水を流す独特の栽培法で知られ、このため栽培場はわさび田と呼ばれる。
ワサビは根からアリルイソチオシアネートを分泌しており、これによって周囲の土壌を殺菌し縄張りを確保する特性を持っているが、このアリルイソチオシアネートによって自家中毒も起こしており、そのままでは成長に悪影響を及ぼすため、これを洗い流す必要があるためである。
特に肥料などを必要としないため栽培難易度自体は高くないが、冷涼な気候(20℃3時間以上で根の腐敗が始まるとされている)と透水性の高い土壌、そして前出の通り豊富な水を必要とするため、場所を選ぶ作物である。
表記揺れ
関連タグ
カプサイシン:わさびはこれを全く含まないため、スコヴィル値はゼロ。