概要
アニメ映画『君の名は。』の主人公、立花瀧と宮水三葉のカップリング。
本来出会うはずのない、都会に住む男子高校生の瀧と辺境の田舎町に住む女子高生の三葉の二人は、ひょんなことから互いの人格が不定期に入れ替わるという奇妙な現象に巻き込まれ、それに対して動揺しながらも互いにルールを決め会うことでなんとかそれをやり過ごそうとする。
奇しくも2人の学年はどちらも同い年の高校2年生であったため、学業の面では支障はなかったものの、それでも二人ともに自分勝手な行動をし、それによって周囲から白い目で見られたり、私生活に支障が出たり、環境が急変するなどで互いに不満を持ち、当初の関係はあまり良いとは言えなかった。
だが交流を深めるうちに、互いの長所が見えるようになって次第に心を許しあえる関係となり、やがて二人の間には慕情が芽生え、両者ともに直接会いたいと望むようにすらなる。
瀧がバイト先の憧れの先輩である奥寺ミキと不意打ちという形でデートをすることになった際には、三葉は彼にアドバイスを送るなど、困った際には助けようとする姿勢も見せた。
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君のその後は。 ミツハ酸タキニウム / タキニウム / ミツハニウム
※ここから先は物語の重大なネタバレとなっております。
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ネタバレ
真実
三葉のアドバイスも虚しく、結局ミキとのデートの結果は微妙なものとなってしまった瀧。落ち込みつつも、結果を三葉に直接報告するために瀧は彼女に電話をかけるも、どういうわけか電話は繋がらず、彼は訝し気に思いながらも諦めてそのまま帰路に着く。
またそれ以降、なぜか三葉との入れ替わりが発生しなくなったことから、瀧は三葉に直接会いに行くことを決意し、自らが描いた三葉の住む町のスケッチと記憶を頼りにミキと友人の一人である藤井司と共に三葉を探しに向かう。
当然三葉の捜索は難航するも、たまたま立ち寄ったラーメン屋の夫婦がスケッチに描かれた場所が糸守町であることを教えてくれた(店主が糸守の出身であった)ために何とか場所を突き止めるが、そこで彼が目にしたのは、自らが見てきた光景とはあまりにもかけ離れた糸守の姿であった。
実は、糸守は3年前に発生した隕石落下による未曾有の大災害によって壊滅し、住民の3分の1に当たる500人がそれによって死亡していたのである。
つまり、瀧と三葉の2人が住む世界線には3年というタイムラグが存在していたのであった(また、これにより2人の年齢も本当は同い年ではなく、三葉の方が3歳年上であるという事実が判明した)。
三葉も瀧とミキとのデートが気になり、(瀧に直接出会うという目的も兼ねて)遠方からはるばる東京を訪れ、そこで奇跡的に瀧と対面を果たしたものの、当時の瀧は彼女と入れ替わりが起こる前であったため当然三葉の存在など知る由もなく、彼女から声を掛けられた際も「お前、誰!?」と動揺していた。
そのことに激しくショックを受け落ち込んだ三葉だったが、去り際に瀧から名前を尋ねられ、その際に自分が三葉という名前であることを告げた上で、自分の髪を止めていた組紐を瀧へと託した。
この組紐は以降、瀧がお守り代わりとして自らの手首に時々巻きつけるようになる。
その後三葉は糸守に帰郷し、地元で開催されていた秋祭りに参加しようとしていた最中、先述の災害に巻き込まれ死亡してしまう。
即ち「本来出会うはずのない2人」とは、距離的に2人は出会えなかったということではなく、「物理的に」、「時間的に」2人は出会うことは出来ないという意味だったのである。(つまりはいかなる物理的手段を用いようとも、両者が互いの交流の記憶が存在する状態で直接対面するというのは事実上不可能ということになる)
思わぬ事実を目の当たりにし激しく落胆する瀧。しかし隕石災害を調べるうちに、宮水神社の御神体があの世と繋がっている伝説があるのを思い出し、そこが災害の影響を受けていないのを知ると宿泊した宿で一眠り着いたのち、再度三葉と入れ替わりを起こすべく宮水神社の御神体が納められている洞窟へ向かう。
~最後の入れ替わり、そして出逢い~
御神体の納められている洞窟に着きその奥にある祠に奉納されていた三葉の口噛み酒を見つけた瀧は、これを飲めば再び入れ替わりが起こるかもしれないと思い、その口噛み酒を口にする。
すると立ち上がった際に足を滑らせ転倒し、その拍子で自らの意識に三葉の死の直前までの記憶が流れ込み、隕石災害の際の記憶を目にすると、そこにいた三葉に向かって逃げるよう必死に言い放つ。
そして目を覚ますと彼は見事三葉と入れ替わっており、その直後に三葉の妹である宮水四葉を目にしたこともあってまだ隕石が落下する前だったことを知ると泣きじゃくりながらそれに安堵する(四葉は気味悪がって逃げ出してしまった)。
早速隕石災害から住民らを守るために行動し、三葉の友人である勅使河原克彦と名取早耶香と共に隕石落下までに住民たちを隕石の被害を受けなかった場所の一つである糸守高校の校庭へ避難させる計画を立てる。その準備を進める最中、夕暮れ時になって御神体のある山に三葉がいることを察した瀧は、克彦から自転車を借り大急ぎでそこへと向かう。
一方の三葉はふと目を覚まし、自分が瀧と入れ替わっていることを把握すると彼が倒れていた洞窟を出て町の様子を見るべく丘を登ると、隕石落下によって壊滅していた糸守の光景を目の当たりにする。それを見た彼女は自らの死の直前の記憶を思い出し、激しく動揺する。
すると神体へ到着した瀧が大声で三葉の名前を呼びそれを聞いた三葉も返しに大声で瀧の名前を呼ぶ。声は聞こえつつも、互いの姿が見えないために同じ場所を彷徨い続ける瀧と三葉。しかしカタワレ時が来ると、ついに互いの姿が視えそれを拍子にそれまで入れ替わっていた二人の人格も本来の肉体へと戻る。
かくして瀧と三葉の二人は時空を超えてついに直接出逢うことが出来たのであった。
隕石落下の危機もつい忘れてしまうほどに、お互い直接対面できたことを喜び合う二人。瀧から入れ替わりを起こすために自分の口噛み酒を飲んだことを知らされた三葉は恥ずかしさから、入れ替わった際に自分の胸を揉んでいたことも合わせてそれに対して文句を言う。
そして先に彼女が三葉と知り合う前の自分に会いに来たこと知った瀧は「先に会いに来るんじゃねぇよ」と笑いながら言い、三葉もそれに笑顔で受け答えると、瀧から入れ替わりが起こる前の彼に渡していた自らの組紐を返される。
これらの第三者から見てなんとも言えない微笑ましさを感じさせるやり取りを交わした瀧と三葉だが、そうしている間にも隕石落下のタイムリミットは刻一刻と迫りつつあった。
瀧は、三葉に糸守の危機と住民の避難計画のことを伝えると、以後二度とお互いの名前を忘れぬよう掌にマジックペンで自らの名前を記すことを提案し、三葉もそれに賛成する。瀧が三葉の掌に名前を書き終えると、三葉も瀧の掌に名前を書こうとしたが、その時カタワレ時が終わってしまったことで時空が途切れ再び二人は離れ離れとなる。
唐突に三葉と別れたことで、激しく動揺する瀧。しかしそれでも三葉のことを忘れぬよう彼女の名を必死に連呼する彼であったが、しばらく経つと三葉の名前も思い出せなくなり、彼女との交流の記憶が失われつつあることを感じた瀧は「君の名前は!?」と大声で叫び続けた。
一方の三葉も瀧と突如に別れたことによって動揺するも、彼から託された通り糸守の住民たちを救うべく行動を開始。そして変電所で克彦と出くわすと、施設を爆破し役所の電波を乗っ取ったのを機に計画を決行するが、準備が不十分な状態だったがために計画は思うように進まず、やがて学校の放送室から住民たちに避難を呼びかけていた早耶香が居場所を突き止められて教師たちに連行されたことで避難誘導が打ち切られ、その場で待機するように呼びかける役場からのアナウンスが町中に流されてしまう。
このままではいけないと必死になる三葉は宮水神社に着くと瀧との交流の記憶が失われつつあるのを知ってパニックに陥り、「"あの人"の名前が思い出せんの!!」と克彦に訴えかけるが、彼は「んなもん知るかアホ!これはお前が始めたことや!!」と叱責して父親である町長(宮水俊樹)を説得するよう指示し、それで我に返った彼女は急いで役場へと向かう。
それでも瀧との交流の記憶が失われつつあることに涙を流す三葉は、ふと瀧の名前を思い出すべく掌を見ると…
そこに書かれていたのは「すきだ」と瀧が自らに対して抱いていた想いであった。
三葉「これじゃ…名前…わかんないよ」
そして役場に辿り着くと、父・俊樹のいる町長室に入り必死で俊樹を説得する三葉。
それに応じた俊樹は避難訓練の名目で住民に学校の校庭に避難するよう呼びかけ、住民たちは指示通り学校の校庭へと避難する。
そしてタイムリミットとなり、案の定隕石は糸守を直撃し町を壊滅へと追いやるも、すでに住民の殆どは避難を済ませていたためその影響を受けずに済み、無事糸守の住民たちの命は救われたのであった(なお、映画本編では、このあたりの出来事は断片的にしか描写されていない。時間的な制約によりカットしたのか、演出として意図的にそうしたのかは不明)。
その後
糸守の隕石災害から8年が経ち、就活に明け暮れる瀧と、四葉と克彦、早耶香と共に東京に移り住み、そこでとある企業に就職していた三葉は、互いに交流の記憶を完全に失いそれぞれ平凡な日常を送っていたが、両者ともにずっと誰かを探している感覚は持ち続けていた。
そんなある日、電車(E231系)の中で向かいを通して目が合ったことから、二人ともに慌てて電車から降り、街中を懸命に探しまわる。
そしてついにとある階段の上下を挟んで互いに目を合わせるも、当然すでにお互い見ず知らずの関係も同然であったことから言葉も掛けずにそのまますれ違おうとする。
しかし瀧は意を決して三葉に向かって
「あの、俺…君とどこかで…!」
と声をかけ、それに対して三葉も
「私も…」
と受け応えた。
こうして本来出会うはずのなかった二人は、壮絶な危機を乗り越え、ついに出逢うことが叶ったのである。
そして俺たちは、同時に口を開く。
いっせーのーでとタイミングをとりあう子どもみたいに、私たちは声をそろえる。
――君の、名前は、と。
pixivでは?
カタワレ時に2人がようやく対面を果たした際の様子は本作でも屈指の名シーンの1つに数えられており、pixiv上でもこのシーンを描いたイラストが多い。
また、無事再会を果たした2人のその後を描いたイラストも投稿されている。
どうか、末永くお幸せに…。