概要
アニメ映画『君の名は。』の主人公、立花瀧と宮水三葉のカップリング。
本来出会うはずのない、都会に住む男子高校生の瀧と辺境の田舎町に住む女子高生の三葉の二人は、ひょんなことから互いの人格が不定期に入れ替わるという奇妙な現象に巻き込まれ、それに対して動揺しながらも互いにルールを決め会うことでなんとかそれをやり過ごそうとする。
奇しくも2人の学年はどちらも同い年の高校2年生であったため、学業の面では支障はなかったものの、それでも二人ともに自分勝手な行動をし、それによって周囲から白い目で見られたり、私生活に支障が出たり、環境が急変するなどで互いに不満を持ち、当初の関係はあまり良いとは言えなかった。
だが交流を深めるうちに、互いの長所が見えるようになって次第に心を許しあえる関係となり、やがて二人の間には慕情が芽生え、両者ともに直接会いたいと望むようにすらなる。
瀧がバイト先の憧れの先輩である奥寺ミキと不意打ちという形でデートをすることになった際には、三葉は彼にアドバイスを送るなど、困った際には助けようとする姿勢も見せた。
なお『君の名は。』のブルーレイの特典のブックレットの質問コーナーの79ページの左下で、新海誠監督はなんとなく瀧と三葉の誕生日は12月1日だと言及している。
関連イラスト
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君のその後は。 ミツハ酸タキニウム / タキニウム / ミツハニウム
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ネタバレ
真実
三葉のアドバイスも虚しく、結局ミキとのデートの結果は微妙なものとなってしまった瀧。落ち込みつつも、結果を三葉に直接報告するために瀧は彼女に電話をかけるも、どういうわけか電話は繋がらず、彼は訝し気に思いながらも諦めてそのまま帰路につく。
またそれ以降、なぜか三葉との入れ替わりが発生しなくなったことから、瀧は三葉に直接会いに行くことを決意し、自らが描いた三葉の住む町のスケッチと記憶を頼りにミキと友人の一人である藤井司と共に三葉を探しに向かう。
当然三葉の捜索は難航するも、たまたま立ち寄ったラーメン屋の夫婦がスケッチに描かれた場所が糸守町であることを教えてくれた(店主が糸守の出身であった)ために何とか場所を突き止めるが、そこで彼が目にしたのは、自らが見てきた光景とはあまりにもかけ離れた糸守の姿であった。
実は、糸守は3年前に発生した隕石落下による未曾有の大災害によって壊滅し、住民の3分の1に当たる500人がそれによって死亡していたのである。
つまり、瀧と三葉の2人が住む世界線には3年というタイムラグが存在していたのであった(また、これにより2人の年齢も本当は同い年ではなく、三葉の方が3歳年上であるという事実が判明した)。
三葉も瀧とミキとのデートが気になり、(瀧に直接出会うという目的も兼ねて)遠方からはるばる東京を訪れ、そこで奇跡的に瀧と対面を果たしたものの、当時の瀧は彼女と入れ替わりが起こる前であったため当然三葉の存在など知る由もなく、彼女から声を掛けられた際も「お前、誰!?」と動揺していた。
そのことに激しくショックを受け落ち込んだ三葉だったが、去り際に瀧から名前を尋ねられ、その際に自分が三葉という名前であることを告げた上で、自分の髪を止めていた組紐を瀧へと託した。
この組紐は以降、瀧がお守り代わりとして自らの手首に時々巻きつけるようになる。
その後三葉は糸守に帰郷し、地元で開催されていた秋祭りに参加しようとしていた最中、先述の災害に巻き込まれ死亡してしまう。
即ち「本来出会うはずのない2人」とは、距離的に2人は出会えなかったということではなく、「物理的に」、「時間的に」2人は出会うことは出来ないという意味だったのである。(つまりはいかなる物理的手段を用いようとも、両者が互いの交流の記憶が存在する状態で直接対面するというのは事実上不可能ということになる)
思わぬ事実を目の当たりにし激しく落胆する瀧。しかし隕石災害を調べるうちに、宮水神社の御神体があの世と繋がっている伝説があるのを思い出し、そこが災害の影響を受けていないのを知ると宿泊した宿で一眠り着いたのち、再度三葉と入れ替わりを起こすべく宮水神社の御神体が納められている洞窟へ向かう。
~最後の入れ替わり、そして出逢い~
御神体の納められている洞窟に着きその奥にある祠に奉納されていた三葉の口噛み酒を見つけた瀧は、これを飲めば再び入れ替わりが起こるかもしれないと思い、その口噛み酒を口にする。
すると立ち上がった際に足を滑らせ転倒し、その拍子で自らの意識に三葉の死の直前までの記憶が流れ込み、隕石災害の際の記憶を目にすると、そこにいた三葉に向かって逃げるよう必死に言い放つ。
そして目を覚ますと彼は見事三葉と入れ替わっており、その直後に三葉の妹である宮水四葉を目にしたこともあってまだ隕石が落下する前だったことを知ると泣きじゃくりながらそれに安堵する(四葉は気味悪がって逃げ出してしまった)。
早速隕石災害から住民らを守るために行動し、三葉の友人である勅使河原克彦と名取早耶香と共に隕石落下までに住民たちを隕石の被害を受けなかった場所の一つである糸守高校の校庭へ避難させる計画を立てる。その準備を進める最中、夕暮れ時になって御神体のある山に三葉がいることを察した瀧は、克彦から自転車を借り大急ぎでそこへと向かう。
一方の三葉はふと目を覚まし、自分が瀧と入れ替わっていることを把握すると彼が倒れていた洞窟を出て町の様子を見るべく丘を登ると、隕石落下によって壊滅していた糸守の光景を目の当たりにする。それを見た彼女は自らの死の直前の記憶を思い出し、激しく動揺する。
すると神体へ到着した瀧が大声で三葉の名前を呼びそれを聞いた三葉も返しに大声で瀧の名前を呼ぶ。声は聞こえつつも、互いの姿が見えないために同じ場所を彷徨い続ける瀧と三葉。しかしカタワレ時が来ると、ついに互いの姿が視えそれを拍子にそれまで入れ替わっていた二人の人格も本来の肉体へと戻る。
かくして瀧と三葉の二人は時空を超えてついに直接出逢うことが出来たのであった。
隕石落下の危機もつい忘れてしまうほどに、お互い直接対面できたことを喜び合う二人。瀧から入れ替わりを起こすために自分の口噛み酒を飲んだことを知らされた三葉は恥ずかしさから、入れ替わった際に自分の胸を揉んでいたことも合わせてそれに対して文句を言う。
そして先に彼女が三葉と知り合う前の自分に会いに来たこと知った瀧は「先に会いに来るんじゃねぇよ」と笑いながら言い、三葉もそれに笑顔で受け答えると、瀧から入れ替わりが起こる前の彼に渡していた自らの組紐を返される。
これらの第三者から見てなんとも言えない微笑ましさを感じさせるやり取りを交わした瀧と三葉だが、そうしている間にも隕石落下のタイムリミットは刻一刻と迫りつつあった。
瀧は、三葉に糸守の危機と住民の避難計画のことを伝えると、以後二度とお互いの名前を忘れぬよう掌にマジックペンで自らの名前を記すことを提案し、三葉もそれに賛成する。瀧が三葉の掌に名前を書き終えると、三葉も瀧の掌に名前を書こうとしたが、その時カタワレ時が終わってしまったことで時空が途切れ再び二人は離れ離れとなる。
唐突に三葉と別れたことで、激しく動揺する瀧。しかしそれでも三葉のことを忘れぬよう彼女の名を必死に連呼する彼であったが、しばらく経つと三葉の名前も思い出せなくなり、彼女との交流の記憶が失われつつあることを感じた瀧は「君の名前は!?」と大声で叫び続けた。
一方の三葉も瀧と突如に別れたことによって動揺するも、彼から託された通り糸守の住民たちを救うべく行動を開始。そして変電所で克彦と出くわすと、施設を爆破し役所の電波を乗っ取ったのを機に計画を決行するが、準備が不十分な状態だったがために計画は思うように進まず、やがて学校の放送室から住民たちに避難を呼びかけていた早耶香が居場所を突き止められて教師たちに連行されたことで避難誘導が打ち切られ、その場で待機するように呼びかける役場からのアナウンスが町中に流されてしまう。
このままではいけないと必死になる三葉は宮水神社に着くと瀧との交流の記憶が失われつつあるのを知ってパニックに陥り、「"あの人"の名前が思い出せんの!!」と克彦に訴えかけるが、彼は「んなもん知るかアホ!これはお前が始めたことや!!」と叱責して父親である町長(宮水俊樹)を説得するよう指示し、それで我に返った彼女は急いで役場へと向かう。
それでも瀧との交流の記憶が失われつつあることに涙を流す三葉は、ふと瀧の名前を思い出すべく掌を見ると…
そこに書かれていたのは「すきだ」と瀧が自らに対して抱いていた想いであった。
三葉「これじゃ…名前…わかんないよ」
そして役場に辿り着くと、父・俊樹のいる町長室に入り必死で俊樹を説得する三葉。
それに応じた俊樹は避難訓練の名目で住民に学校の校庭に避難するよう呼びかけ、住民たちは指示通り学校の校庭へと避難する。
そしてタイムリミットとなり、案の定隕石は糸守を直撃し町を壊滅へと追いやるも、すでに住民の殆どは避難を済ませていたためその影響を受けずに済み、無事糸守の住民たちの命は救われたのであった(なお、映画本編では、このあたりの出来事は断片的にしか描写されていない。時間的な制約によりカットしたのか、演出として意図的にそうしたのかは不明)。
その後
糸守の隕石災害から8年が経ち、就活に明け暮れる瀧と、四葉と克彦、早耶香と共に東京に移り住み、そこでとある企業に就職していた三葉は、互いに交流の記憶を完全に失いそれぞれ平凡な日常を送っていたが、両者ともにずっと誰かを探している感覚は持ち続けていた。
そんなある日、電車(E231系)の中で向かいを通して目が合ったことから、二人ともに慌てて電車から降り、街中を懸命に探しまわる。
そしてついにとある階段の上下を挟んで互いに目を合わせるも、当然すでにお互い見ず知らずの関係も同然であったことから言葉も掛けずにそのまますれ違おうとする。
しかし瀧は意を決して三葉に向かって
「あの、俺…君とどこかで…!」
と声をかけ、それに対して三葉も
「私も…」
と受け応えた。
こうして本来出会うはずのなかった二人は、壮絶な危機を乗り越え、ついに出逢うことが叶ったのである。
そして俺たちは、同時に口を開く。
いっせーのーでとタイミングをとりあう子どもみたいに、私たちは声をそろえる。
――君の、名前は、と。
pixivでは?
カタワレ時に2人がようやく対面を果たした際の様子は本作でも屈指の名シーンの1つに数えられており、pixiv上でもこのシーンを描いたイラストが多い。
また、無事再会を果たした2人のその後を描いたイラストも投稿されている。
どうか、末永くお幸せに…。
※ここから先は絵コンテ集、第2弾のパンプレット、小説、新海誠展、君の名は。AnotherSide:Earthbound、漫画、映画『天気の子』のネタバレとなっております。
絵コンテ集、第2弾のパンプレット、小説、君の名は。AnotherSide:Earthbound、漫画
絵コンテ集
瀧が日記で三葉に、「悪口っぽいこと言われてたので、机を蹴って黙らせた。お前はもっと堂々と生きろ」と励ましている図がある。
前前前世でのバス停付近のカフェで、実は瀧「お洒落カフェ、作ってやったぜ」三葉「町のバス停になにしてくれてんのよ!」瀧「どうせバスなんか来ねえじゃねえか!」の瀧三のやりとりがあったのが判明している。
御神体で瀧入り三葉が三葉の口噛み酒の瓶子をじっと見つめている時の説明に「三葉への不思議な想い(に気づく?)」と書かれている事から、この時に瀧は自身の三葉への好意に感づいたようである。
またカタワレ時が終わった時の瀧の説明に「ついさっきまで三葉の体温のあった手に、そっと触れる」と書いているが、瀧は三葉の体温を追っていたのである。2021年でも瀧は右手をじっと見つめている事から、記憶が失っても瀧の手は三葉の温もりを忘れていなかったのである。
なお三葉も瀧の手が触れた自身の右手を、OPや大人になった後でも見つめている事から瀧と同じ状態だと思われる。
第2弾のパンプレット
新海誠監督が入れ替わりの時系列について解説している。
9/2・・・・初めての入れ替わり発生。三葉の初回の入れ替わりは映画本編では描かれてない。
9/3・・・・三葉は授業中にノートの「お前は誰だ?」(前日三葉に入れ替わった瀧が書いた)に気付く。
9/5・・・・2度目の入れ替わり発生。瀧に入れ替わった三葉がカフェでパンケーキを食べ、瀧のバイト先で働く。映画本編での描写はないが、三葉に入れ替わった瀧は糸守にいる。
10/2・・・・三葉に入れ替わった瀧が御神体へ口噛み酒を奉納。映画で描かれてない日も含めた11回目の入れ替わり。
小説
始めてのバイトが終わった後、瀧に入れ替わった三葉は電車の窓ガラスに映った瀧の顔に好感を持ち、更に大変な一日を共に乗り切った戦友みたいな親しみを瀧に感じる。
瀧は三葉と話したい、彼女となら気楽に話せられると思っている。入れ替わりながら体験を交換する事でお互い話し合っているので三葉と特別に繋がっている関係だと瀧は中盤で自覚する。
カタワレ時で三葉が組紐でカチューシャのようにした時、実は瀧はその時の三葉の髪型が子供っぽくて似合ってない黒髪ロングの方が好きだと感じてた。しかしさすがにここは褒めなきゃいなけいと瀧は三葉の髪型を褒めるが、三葉は瀧が嘘をついているのを見抜いて怒った。
糸守を皆を救おうと三葉に入った瀧は三葉の目は友達を見るとほっとする三葉の指先は制服の形を覚えているのは体の至所に記憶があると自覚する。
よって2021年大人になった瀧が彼に入れ替わった三葉と同じようにじっと鏡で自分の顔を見つめたり東京の風景を眺めているのは三葉の行動を瀧の身体が覚えているからである。
新海誠展
君の名は。のイメージボードに「糸守は山が高く相当見上げないと空が見えない」「東京の方が空が広い」と書かれており、瀧三の置かれている状況を比較出来る。瀧三がどちらともお互いの風景を見とれている。
「君の名は。」Blu-rayの特典のビジュアルコメンタリー
瀧役の神木隆之介三葉役の 上白石萌音 とRADWIMPSが映画本編についてコメントしている。
ビジュアルコメンタリーのRADWIMPSによると、キスとか口付けする代わりに口噛み酒でそういうニュアンスを出したかったと新海監督が話していたと明かした。
瀧入り三葉が一葉に「おや、三葉……あんた今、夢を見とるな?」に言われた直後に東京の元の身体に戻った瀧が涙を流した理由について、神木は入れ替わった時の今まで楽しくやってきた事じゃない予感がどんどんしたのではと解釈した。
奥寺先輩とのデートの音楽が切ないのは、三葉の瀧への淡い恋心を表している。
またこの音楽は三葉が瀧に会いに東京に行ったシーンでも使われる。
デート中どうしても奥寺先輩だけの気持ちになれないどこかしら三葉が残るという気持ちだと神木が発言している。
瀧がペンで道をなぞるじゃないですかできます一回行った山道を地図でなぞる入れ替わるのが瀧くんで良かった、瀧が迷いなく三葉の口噛み酒選んだのは偉いと、萌音は三葉を助けに行く時の瀧の行動に称賛した。
瀧のイメージっていうのはもしかしたら見る側は三葉を通したイメージその逆もそうかもしれない
、とRADWIMPSは感想を漏らした。
カタワレ時で瀧が目を閉じて「三葉」とうい所は胸キュンポイントカッコいいと、萌音はグッときていた。
RADWIMPSは一回振られているからね(中学生瀧と三葉のやりとりより)ここは男が行くしかないと指摘している。
なんでもないやはふたりのための歌。映画の全てが詰まっている。
君の名は。AnotherSide:Earthbound
瀧主人公の話では、三葉に入った瀧が彼女の体に戸惑いつつも新発見する様子が男子高校生らしいリアクションでコミカルに描かれている。
人々に三葉はよく分からない人物という評に対して(三葉は家柄と周辺環境でなるべく自分を出さないようにしている)、瀧だけは彼女を本当はさぼってもいいはずのバイトを失敗をしつつも憶測と愛嬌でひととおりこなす凄い度胸のある子だと認めている。
瀧が三葉に惹かれる過程は必見である。
四葉主人公の話では最近の姉の奇行と身なりと急にイタリアン料理作るようになったのは、彼氏が出来て彼氏に合わせているからだと四葉が推測している。四葉が姉が変わった原因は彼氏だと思ってるので、入れ替わり前は三葉に好きな人はいなく、三葉の初恋は瀧の可能性がある。
また三葉を心配する四葉に三葉がお互い自由に生きていいと諭すなど、瀧の人生を体験する事で三葉は少しタフになったのが窺える。
漫画版
親と喧嘩した時にどうしているか尋ねる三葉に、瀧は「うちのオヤジとうまくやってんじゃん そんな感じに話せばいいんじゃねえの」とアドバイスしている。
父より仕事場に来た瀧に入った三葉は寂しそうだったと知って、瀧は何かを感じている。
三葉は瀧のスマホに「実際には瀧くんとは会ったことないんだよね 私は君が羨ましかったけど 君にだって大変なことがたくさんあるんだって入れ替わってしったよ いつまでこうして入れ替われるのかはわからないけど 会えたら君に言いたいことがあるんだ 瀧くん 私はね」というメッセージを残している。
瀧は三葉を喜ばせるためにバス停の前にカフェ作っていた。
三葉の組紐はもともとは母二葉の物であり、三葉が大切な人に会えた時に道に迷わないようにと願いを込めて二葉が三葉に組紐を贈った。このエピソードを想うと三葉と中学生瀧の初対面、カタワレ時の瀧三の出会い、大人になった瀧三の再会が感慨深く感じられる。
2021年は映画の瀧視点とは逆に、漫画版では三葉視点のストーリーである。過去を振り返った三葉が2013年の町民全員の避難で「あの時あの日の軌跡を一緒に喜んで欲しい人がそこにいない気がした」という心中を明かしている。
三葉の東京の暮らしは充実していたが、何かが抜けている気持ちにとりつかれていた。
男性からお食事のお誘いのメールが来るシーンもあるが誘いに応じず、誰かを探している気持ちを抱き続けている。
映画・小説「天気の子」
同作では瀧と三葉がそれぞれ別々に登場する。一種のカメオ出演である。(他に「君の名は。」登場人物では四葉・克彦・早耶香が登場するが、その姿が一発で分かるほど目立つのは瀧と三葉だけ)。
同作でのポジションは、瀧は森嶋帆高・天野陽菜・天野凪らが運営する「晴れ女」のウェブサイトに依頼を行った立花冨美の孫として登場。
一方の三葉は、帆高が陽菜にプレゼントする指輪の販売店員として登場している。
三葉のその後は不明なのだが、終盤に帆高が冨美を訪ねるというシーンがある。
小説版では「冨美のお孫さんの結婚写真」が飾られていることが帆高の一人称の形で語られている。
ここで重要なのは、帆高が出会った冨美の孫は瀧一人であるということ。つまりこの写真を帆高が一瞥しただけで「孫の写真」と判断出来るということは、この写真が瀧のものであることが示唆されていることになる。
また、映画版ではこの時の富美は手首に組紐のようなものを身に着けている。組紐といえば宮水家の存在が思い起こされるところであるが…?
なお、「君の名は。」の公開は2016年で、瀧と三葉が出会ったのはそれから5年半後の2022年の春と推測される。一方「天気の子」の公開は2019年で、帆高が冨美に初めて出会ったのは2021年のお盆、再会して孫が結婚したことを知るのはその3年後の春(卒業式に出席した描写があることから3月以降?)なので2024年の3月以降と考えられる。このため、『天気の子』の物語が進行している時点で瀧と三葉が出会って結婚していたとしても時系列的には不自然ではない。
一方で、この作品だけ見れば、二人に接点があるかどうかは分からない。また、同作のラストの展開は、「君の名は。」における瀧の就職活動中の言葉や「天気の子」における東京の描写(雨が降り続いていて晴れの日がない)を照らし合わせれば、二つの作品世界における2021年(2022年)の様相にはかなりの差異がある可能性が高い。
そのため本作は単なるパラレルワールドという見方も出来る。
とは言え、わざわざそんなシーンを挿入したんだ。ファンサービスだと思って心の中で祝おう。